僕が働いていたコンカフェでは ぼくの事を気にかけてくれていたお客さん 山寺さんという人がいた
暁菜
お待たせ致しました!こちらオムライスです!
山寺
…ありがとう
やたら僕を好いてくれていて 出勤日を見れる訳でもないのに知っているように 僕がいる日は毎日来るなんてことはザラで
初めは何とも思っていなかったのに 異常な行動に、違和感を抱いてくるようになっていました
山寺
…ダメだ!
パリンッ
暁菜
…?
暁菜
どうしました?
山寺
アキくんじゃないならそんなのいらない…俺に接客しろ!
暁菜
…え
注文を届けに行ったキャストが 僕じゃないだけでも 皿を割って激怒していた
賢人
……。
それを見て助け舟を出そうとしてくれていた 賢人君がしてくれたことにも
グイッ
賢人
まぁまぁ〜
賢人
アキを見たいならカップリングポッキーとかどうです?
賢人
俺たち人気なんですよ〜
山寺
……。
ギロッ
暁菜
…っ!
段々違和感を持つようになった
パサッ
賢人
アキ大丈夫かよ〜
暁菜
なんのこと?
賢人
さっきのお客さん、ちょっと厄介じゃん?
賢人
店長が追い払ってるから気づいてないだろうけど
賢人
仕事が丁度終わる時間も
賢人
あいつ、店の前で待機してるんだよ
暁菜
…え?
賢人
心配なら送迎するけど?
暁菜
気の所為だよ…大丈夫!
賢人
……ふーん
山寺さんはいい人だと信じていたから 認めたくなくて自分に嘘をついてた
バサッ
暁菜
…?
暁菜
僕の靴箱になにか……
バサバサバサッ!
暁菜
…なにこれ
そこには大量の手紙と僕の写真 誰がやったかなんて予想がつく
森
制服にGPS?
暁菜
……はい
店長
……アキ君、誰がやったかわかっていますよね?
暁菜
…はい
森
出禁にした方がいいな
賢人
俺もちゃんと見とくから
暁菜
……すみません
自分の事よりも 人に迷惑をかけてしまう方が嫌だったけど
賢人君が送迎までしてくれていて、 ある事が起こった時は賢人君がたまたま家の前までと 一緒にいてくれた時だった
賢人
最近は大丈夫?
暁菜
全然平気だよ
暁菜
1人じゃ心細かったから…ありがとう……
賢人
……はは
賢人
…あのさ
ガタガタッ!
暁菜
……!
賢人
……。
ガチャッ
暁菜
…鍵、なんで空いてるんだ?