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朝の気配をふと感じ、ドイツはそのままゆっくり起き上がった。微かだが、人間の頃の体の感覚が抜けていないのだろうか……

吸血鬼の感覚と人間の感覚の狭間にいるようで、朝から胸中の中で渦のようなものがまわっているような気分のようだった

🇩🇪(吸血鬼)

……なんだこれ

🇩🇪(吸血鬼)

酔ってるような……なんかふらつく……

🇬🇧

……ドイツ?どうかしましたか?

🇩🇪(吸血鬼)

いや……昨日お前の血を飲みすぎた影響なのか知らないが……

🇩🇪(吸血鬼)

なんか、気持ち悪い……

🇬🇧

なるほど……

🇩🇪(吸血鬼)

はぁ……これから会社とかどうするか……

🇬🇧

あ、そうでしたね。

🇩🇪(吸血鬼)

ずっと休み続きなのも怪しまれるしな……誰かにクビにして欲しいって言われたら……もっと怪しまれる

🇬🇧

そうですね……

🇬🇧

……それじゃ、私が何とかしましょうか?

🇩🇪(吸血鬼)

できるのか?

🇬🇧

ええ、なので今日は1日中ここで休んでてください

🇩🇪(吸血鬼)

……珍しいな、こうして人に優しくするの

🇬🇧

ん?

🇬🇧

これでも「いつもの」私ですが?

🇩🇪(吸血鬼)

まぁ……そうだな

🇩🇪(吸血鬼)

(ここで余計な口出しはやめとくか)

🇬🇧

それで、1ついいですか?

🇩🇪(吸血鬼)

ん?

🇬🇧

人間の食べ物は食べれそうですか?

🇩🇪(吸血鬼)

……多分食べれなれなくなってるかもしれない

🇬🇧

多分……?

普段、はっきりとした事を言うドイツなのに珍しく曖昧な答えを返してきて、珍しいなと少し思いつつ、容態を聞く

🇩🇪(吸血鬼)

……よく分からないんだ。

🇩🇪(吸血鬼)

気持ち悪くって、血が飲みたいのか人間の食べ物がいいのか……わからない

🇩🇪(吸血鬼)

要は「境目」にいる

🇬🇧

「境目」……

🇬🇧

なるほど、では今日1日は食事を控えた方が良さそうですね

🇩🇪(吸血鬼)

なぁ……イギリス

🇬🇧

ん?

🇩🇪(吸血鬼)

お前の場合はどうなんだ?

🇬🇧

私の場合は血だけです

🇬🇧

それも……生き血しか

🇩🇪(吸血鬼)

輸血は……無理なんだな……

🇬🇧

私の血を飲んだので……きっとあなたにも輸血は無理だと思います

🇩🇪(吸血鬼)

……そうか……

🇩🇪(吸血鬼)

できれば……輸血が良かったのにな…

🇬🇧

でも慣れてきますよ?

🇩🇪(吸血鬼)

まぁ……そうだな…

🇬🇧

では、しばらく寝ててくださいね

昼間からなら死にものぐるいで仕事をしていたが、吸血鬼になったせいで昼間は自分にとっては「真夜中」という逆転とした気持ち悪い感覚になっていた

「もしかしたら…完全な吸血鬼になってしまうんだろうな…」と不安を抱きながらも、重い瞼を閉じた

しばらくたち、ドイツはふと目を覚まして重い体をゆっくりと起こして部屋の辺りを見回すと、窓から黄色に輝く満月がこちらを見るように照らしていた

🇩🇪(吸血鬼)

満月か……

🇩🇪(吸血鬼)

…………

美しい満月をじっと見つめていると、扉の向こうで誰かがノックしてくる音が響き渡った

🇬🇧

ドイツ、入ってもよろしいですか?

🇩🇪(吸血鬼)

あ、あぁ……

🇬🇧

ご気分はどうですか?

🇩🇪(吸血鬼)

だいぶいい…って言うべきなのか……?

🇬🇧

?というと?

🇩🇪(吸血鬼)

……人間じゃ無くなったような感覚なんだ

🇩🇪(吸血鬼)

高揚としてるような……なんだか気分がスッキリしてるんだ

🇬🇧

……その様子だと完全に「成った」ようですね

🇬🇧

では……

そういうと、イギリスは自分の裏手首を強く噛んだ……血が少しでも多く流れるぐらいに。

それと同時に、ドイツの心臓の鼓動が早くなり、目が通常よりも鋭く、口からヨダレが少し垂れてくるぐらいの興奮状態となった

🇩🇪(吸血鬼)

?!……はぁ……はぁ///……イギ……リス……どういう……///

🇬🇧

1日中何も食べてなかったでしょう?なので私の血を飲んでください

🇩🇪(吸血鬼)

……どうなっても…///知らねぇからな…///

少量の血が垂れてくる手首をそっと持ち、ゆっくりと舐めて、一気にその傷口を噛んだ

🇬🇧

っ///…ドイツ……少し痛いです……///

🇩🇪(吸血鬼)

言っただろ……どうなっても知らねぇって…///

🇬🇧

はぁ……そうでしたね……///

🇬🇧

吸いながらで構いません、そちらの方は私が何とかしました……///

🇬🇧

だから…もう何も心配しなくて……大丈夫です///

🇬🇧

ウッ///……ちょっ///……それ以上やれば…///

🇩🇪(吸血鬼)

……んはぁ///……

🇩🇪(吸血鬼)

はぁ……///……はぁ///……

🇬🇧

……ったく///……手加減ってものを知らないんですか?……

🇩🇪(吸血鬼)

いや、お前もそうだったろ

🇩🇪(吸血鬼)

俺が死にかけるまで吸い続けてたじゃないか

🇬🇧

あ、そうでしたね…

🇬🇧

どうですか?血を飲んだ気分は

🇩🇪(吸血鬼)

……不思議と気持ち悪くない

🇩🇪(吸血鬼)

なんなら…勢いで吸い付くしそうなくらい……

🇬🇧

(止めておいて正解でしたね)

🇩🇪(吸血鬼)

それでだ

🇩🇪(吸血鬼)

どうする?今後

🇬🇧

お互いの血を飲む……としたい所ですが体力にも限界が……

🇩🇪(吸血鬼)

なら通りがかりの人間でも襲って2人で飲むか?

🇬🇧

……

🇬🇧

(面倒くさいことをよくもまあサラッと言えますよね……)

🇬🇧

それもいいと思いますが、何度かやればバレてしまう可能性がありますので…

🇬🇧

特定の日に行うとしましょか

🇩🇪(吸血鬼)

そうだな

🇩🇪(吸血鬼)

だが……もしかしたら俺たちの知り合いに正体をバレてしまうかもしれないからなるべく慎重にするか

🇬🇧

真夜中に行いますが……そんな人いますか?

🇩🇪(吸血鬼)

いるだろ……あいつ

🇬🇧

……あ、いましたね

🇩🇪(吸血鬼)

それもあるからなるべく慎重にしないといけない

🇬🇧

そうですね

🇬🇧

それじゃ、改めて……よろしくお願いします、ドイツ

🇩🇪(吸血鬼)

ああ、よろしく
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