やばいやばいやばい!!
このままだと僕が白雪姫にされてしまう!!
どうしようどうしよう!!
夏樹
雫?
雫
ファッ!?
いきなり声をかけられ変な声が出てしまう
夏樹
ファッ!?ってなんだよ
夏樹
お前なんか変だぞ?大丈夫か?
雫
だ、大丈夫じゃない...
むしろ大丈夫なお前が怖いよ夏樹
夏樹
大丈夫じゃねーと困るんだよ白雪姫様
雫
白雪姫って呼ぶな!!
カッと赤くなる僕
白雪姫ってなんだよ...!!
夏樹
もうすぐ練習だぞ
夏樹
大丈夫!緊張しなくてもいいからな!
雫
そ、そういう意味じゃなくて...
雫
いや、緊張してるのは本当だけど...
僕がオロオロしているとグッと肩を抱かれる
夏樹
大丈夫だって
夏樹
オレがやって欲しいって言ったんだぜ?
夏樹
相性はバツグンだからさ
雫
あ、う、うん...って、え?
同意しかけて踏みとどまる
雫
あ、相性バツグンって...
夏樹
そ!オレと雫は相性バツグンの相思相愛!!
雫
はぁ!?
相思相愛って...!!
雫
女子と男子が愛し合ってるって意味だろ!?
夏樹
別に女子と男子とは限らないぜ?
夏樹
それに白雪姫と王子は相思相愛、だろ?
パチンと僕に向かってウインクする夏樹
雫
はぁ...
僕は大きく溜息をついた
放課後...
優莉
ほ、星空くん、ちょっといい...?
雫
へ?あぁ、うん
僕は神崎に連れられ、教室の端へ
雫
何?神崎
優莉
え、えっと、衣装の採寸したくて...
雫
あぁ、採寸ね
僕と神崎をすっぽりと覆い隠すカーテンが閉められる
雫
なんでカーテンなんか閉めるの?
優莉
え、えっと、柴崎くんが、こっちばっかり、見てたから...
俯いて頬を赤く染める神崎
雫
えっ!?
つられて真っ赤になる僕
断じてこっちを見る夏樹を想像した訳では無い
ただ神崎につられただけだ
優莉
だっ、だから、ちょっとだけ、我慢してね...?
雫
うっ、うん...
ぎこちない空気の中、採寸が進められていく
優莉
星空くんは、柴崎くんのこと、どう思ってるの?
雫
え?
突然の質問に戸惑う僕
夏樹のこと?
優莉
いつも仲良さそうに喋ってて...なにか気が合うことあるのかなって
優莉
星空くんと柴崎くんって正反対だからさ
雫
あぁ...
雫
あいつは...
僕があいつと一緒にいる理由...
雫
馬鹿なんだよ
優莉
え?
キョトンとする神崎
雫
あいつ馬鹿だからこの前の中島の誘いも断って僕のところ来たし
雫
馬鹿だから僕のこと気にかけてくれるし
雫
馬鹿なヤツ...かな
しばらくキョトンとしていた神崎がくつくつと笑い始める
優莉
ふふふ...本当に仲いいんだね二人とも
雫
そうかなぁ
雫
昔から一緒にいるしなぁ
小さい時から隣にいたあいつ
優莉
アンナちゃんが星空くんに嫉妬してたよ
雫
ええ?中島が?
僕に嫉妬?
優莉
いつも柴崎くんと一緒にいて気に食わないっ!って
苦笑いする神崎
雫
ええ〜?
優莉
仲がいいことはすごく大切だし、いい事だと思うの
優莉
でも、星空くんと柴崎くんって最近ちょっと変な感じでしょ?
雫
変な感じ?
首を傾げる僕
優莉
うん、なんかその友情を超えて、恋愛...みたいな?
雫
はぁぁ!?
僕は声を上げる
あいつと恋愛 !?
ふざけんな!
僕は健全な男子だぞ!?
夏樹となんか...
優莉
だって、最近柴崎くんの星空くんを見る目、変わってきたよ
雫
は?僕を見る目?