莉犬
めだまさん!
莉犬
ききたいことがあるんだけどね
莉犬
みずをくつものがほしいな!
莉犬
ないかな?
カンシ
ドウシテ?
莉犬
ひとだすけを
したいの!
したいの!
莉犬
ひとなのかは
分からないけど
分からないけど
カンシ
ウツワ…
人助ケノ
タメデスカ…
人助ケノ
タメデスカ…
カンシ
…
分カリマシタ
分カリマシタ
ガサゴソガサゴソ
ぽん(頭にのせた
カンシ
ゴミ箱 デスケド
コレデイイデスカ?
コレデイイデスカ?
莉犬
うん!
みずがはいるなら
だいじょうぶだよ!
みずがはいるなら
だいじょうぶだよ!
莉犬
おにいちゃん
もってきたよ!
もってきたよ!
莉犬
これで
いいのかな?
いいのかな?
ジェル
よしきた!
これなら充分だろ
さーて作るぞ
これなら充分だろ
さーて作るぞ
ジェル
はいよ
できた!
できた!
莉犬
すごい!
これで おみず
はこべるね!
これで おみず
はこべるね!
莉犬
ありがとう!
ジェル
へへ
まぁ 縛った
だけなんだけどな
まぁ 縛った
だけなんだけどな
ジェル
じゃあ行ってこい!
莉犬
うん!
莉犬
ここのおみずあったかい!
莉犬
いれものの
なかに いれて
なかに いれて
莉犬
あの タネさんに
もっていこう
もっていこう
莉犬
よし!
おみずをかけよう!
おみずをかけよう!
ざばーん
タネ
あぁ……
莉犬
わっ
たすかった!
たすかった!
タネ
感謝しますよ
受精卵
受精卵
タネ
どうして ここで
凍え 干からびて
いたかって?
凍え 干からびて
いたかって?
莉犬
なにもいってないよ
タネ
実はですね
すぐそこの
部屋に
すぐそこの
部屋に
タネ
私の大切な
お友達が
いるのです
お友達が
いるのです
タネ
彼女は感じから逃げるため
そこへ逃げ込み
そこへ逃げ込み
タネ
カンシが
入らないよう
入らないよう
タネ
私がそこに膜を張ったのです
莉犬
へぇ これきみがやったんだ
タネ
そう そして
彼女は 私の
良き話し相手
彼女は 私の
良き話し相手
タネ
わずかな
私の寿命のために
私の寿命のために
タネ
たくさんの笑顔を
けれたのです
けれたのです
タネ
あぁ でも
彼女は もう
ボロボロで
彼女は もう
ボロボロで
タネ
溶けてしまう
運命なのです
運命なのです
タネ
きっと
今頃は
今頃は
莉犬
とけちゃってる?
タネ
はい
それでも
せめて最期は
それでも
せめて最期は
タネ
彼女のそばで迎えたいのです
タネ
それに
タネ
彼女と
約束したのです
あなたに
約束したのです
あなたに
タネ
彼女の脳を
与えるのだと
与えるのだと
莉犬
そういえば
おにぃちゃんが
脳がなんとか言ってたような
おにぃちゃんが
脳がなんとか言ってたような
タネ
はい
彼女が溶けきって
しまう前に
彼女が溶けきって
しまう前に
タネ
あなたに
移植しないと
いけません
移植しないと
いけません
莉犬
へぇ
わかった!
わかった!
莉犬
ぶつかれば
あそこ
あくかな?
あそこ
あくかな?
ドンッ
莉犬
あいた!
タネ
あぁ
ありがとう
ございます
ありがとう
ございます
タネ
我がままばかりで
申し訳ない
ですが
申し訳ない
ですが
タネ
私を部屋の中に
運んでください
運んでください
タネ
正直
しゃべるのが
やっとで
しゃべるのが
やっとで
莉犬
うん!
わかった!
わかった!
タネ
あぁ
タネ
ベットの上にいるのは
タネ
紛れもなく
彼女です
彼女です
タネ
ここでずっと
1人で
いたのでしょう
1人で
いたのでしょう
タネ
もう
首だけになって
しまったのですね
首だけになって
しまったのですね
タネ
大丈夫ですよ
私が
来ましたから
私が
来ましたから
タネ
約束どおり あなたに
彼女の脳を
渡しましょう
彼女の脳を
渡しましょう
タネ
こんな時のためにと
彼女から
移植の方法を
教わっています
彼女から
移植の方法を
教わっています
タネ
彼女はあなたの
姉なので
そこまで移植は難しくないでしょう
姉なので
そこまで移植は難しくないでしょう
莉犬
ぼくのおねぇちゃん
ななもり
パチッ
ななもり
私の分まで
生きてね
生きてね
莉犬
お姉ちゃん
僕お姉ちゃんの分まで
生きるよ
僕お姉ちゃんの分まで
生きるよ
ママの声
3番目の子は
本当に
苦労した
本当に
苦労した
ママの声
ひどい 腹痛
止まらない
吐き気
止まらない
吐き気
ママの声
早く 早く
降ろしたくて
たまらなかった
降ろしたくて
たまらなかった
ママの声
1番目と
2番目のように
上手くいかない
2番目のように
上手くいかない
ママの声
だから 初めて
病院へ行った
病院へ行った
ママの声
いらない! いらない!
子宮なんていらない!
子宮なんていらない!
ママの声
取りたい!
取りたい!
取りたい!
ママの声
だけど
取るための
お金は持っていない
取るための
お金は持っていない
ママの声
稼がなきゃ
たくさんたくさんの
お金を稼いで
たくさんたくさんの
お金を稼いで
ママの声
こんなもの
無くなってしまえば
いいんだ!
無くなってしまえば
いいんだ!
ママの声
彼の 兄と
中が良かった
中が良かった
ママの声
彼について
聞けば 何でも答えてくれた
良い人だった
聞けば 何でも答えてくれた
良い人だった
ママの声
優しい理由を
知るまでは
ほんとに
良い人だった
知るまでは
ほんとに
良い人だった
ママの声
彼は
ほんとに
優しかった
ほんとに
優しかった
ママの声
私には
無いものを
たくさん持っていた
無いものを
たくさん持っていた
ジェル
さてそろそろ
姉貴の脳を
もらったか?
姉貴の脳を
もらったか?
莉犬
え!?
知ってたの?
知ってたの?
莉犬
じゃあ今まで
分かってて
言ってたの?
分かってて
言ってたの?
ジェル
まぁな
ジェル
俺が
奥の部屋で
起きた時に
奥の部屋で
起きた時に
ジェル
1番に
会ったのが
姉貴だし
会ったのが
姉貴だし
ジェル
なぜか
お前の脳が無いことも
知ってたんだ
お前の脳が無いことも
知ってたんだ
莉犬
そうだったんだ
ジェル
俺があった時はまだ喋れたけど
お前はどうだった?
お前はどうだった?
ジェル
姉貴と話できたか?
莉犬
うん
ちょっとだけ
ちょっとだけ
ジェル
そうか
ジェル
まぁ話したところで
恋愛の話
ばっかだったぜ
恋愛の話
ばっかだったぜ
ジェル
なんだって
好きなタネが
いたんだとよ
好きなタネが
いたんだとよ
ジェル
俺にはやっぱりだったがな
莉犬
お姉ちゃんも
タネさんのこと
好きだったんだ
タネさんのこと
好きだったんだ
ジェル
あーよく分からんが
お前いろいろ
冒険してきたんだな
お前いろいろ
冒険してきたんだな
ジェル
まなんにせよ脳を頂たんだ
ジェル
気分はどうだ?
莉犬
うーん
今は微妙だなぁ
今は微妙だなぁ
ジェル
そうかそうか
まぁ最初は
仕方ないな
まぁ最初は
仕方ないな
ジェル
じゃあ
その微妙な頭で
その微妙な頭で
ジェル
もう一度
探索してみたらどうだ?
探索してみたらどうだ?
ジェル
今まで分からなかった
言葉も
今なら分かるだろう?
言葉も
今なら分かるだろう?
莉犬
うん そうだね
もう一回探索してくるね
もう一回探索してくるね