咎人コラボの前に、機材の調整をしていた時だった。
剣持
乱雑に放り投げられ、 ほこりが沢山付いた白い箱。 中には、手のひらに収まる程度の勾玉があった。
剣持
勾玉は色鮮やかな翡翠色で、 光に当てて見るとキラ、と光った。 三枝くんの目みたいだなあ、 と考えつつ、 それに吸い込まれるように 見つめていた。
否、吸い込まれていた。
剣持
剣持
剣持
尻餅をつき腰を撫でる。 痛がる仕草をして辺りを見渡すと、 当の本人が居た。
剣持
剣持
と、息継ぎもせず 一言で言い切った時、
伏見ガク
伏見ガク
そういえば、 ガクくんの制服。
僕の中学校のじゃん。
伏見ガク
剣持
まず、僕の事を信用させる事にした。 あの勾玉はマジで ドッキリじゃないかもしれない。 吸血鬼だっているもんな。
飲み込みの早い僕は ここが本当にあの中学校なのか、 それと、仮定の 『僕が過去に飛んできた』 というのも確かめないといけない。
剣持
伏見ガク
ガラッ! と、扉の開くような音。
明那
剣持
黛
剣持
圧を掛けられるような声音に 背が丸まる。 中学生に圧倒される高校生とは。
不破
明那
今日、ではなく常に、というのは 伏せた。
剣持
明那
剣持
なんというか。 THE、独り暮らしみたいな。 いや、ごみ屋敷だな。 親が居ない事は一発で分かるだろう、 ベッドは1つしかない。
剣持
剣持
ホモ営業かよ、と思ったけれども 相手は中学生だ。 そんなもの到底出来る訳が無い。
剣持
明那
剣持
年上を呼び捨てする中学生に、 宿を失う訳にもいかず 剣持は従順な態度をとった。 まだ電気が付いているのに 爆睡した彼の寝顔が美形過ぎて、 剣持はいくら羊を数えても 眠れなかった。
剣持
三枝の部屋を片付け一晩。 それなりに 綺麗には片付いた…だろうか。 目覚めてみると、時計は6時。 今日は休日だし、 時間はあるから有効に使おう。
剣持
視力の良い剣持だから見えたのだが、 目玉焼きを焼いているのが見えた。 更に、誰かと電話している。 それこそ焼く時にはかなりの音が出るので、こちらの声が届かない。 しかし剣持は耳も良いのだ。 会話の内容は 途切れ途切れに聞こえた。
明那
剣持
剣持
剣持
明那
え、何。 ガクくんと話してるのね? 何でもないって何。 何を頼んでんの。 何が了解なんだよ。
剣持
取り敢えず言葉が 漏れたのはしょうがない。 彼らは僕を帰す為にやってるのか?
僕を帰さないとかは 無いよね?
コメント
1件
なんやめっちゃ気になんねんけど……⁉️