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潔 世一

一大行事である体育祭

それは何気なく閉会をし、幕を閉じた

床に映る夕陽の亡霊を見つめる

それと共に、今日の事を思い出す

潔 世一

( 橘は…嫌だったのかな

潔 世一

( 俺に頼ること…

橘が足を挫いた時の表情で何となく勘づいていた

橘は、"人の優しさが怖い"

何気ない気遣いも仕草も全て

ヘドロが体にへばりつくのと一緒

潔 世一

( あんな悲しそうな顔の橘

橘と出会った時も、泣いていた

端の物陰に切り詰めた声で

色硝子のような透き通った目で見つめてきた

潔 世一

( 久しぶりに見て、俺は…

潔 世一

( どうしてあげれば良かったのかな

俺はあの時の出来事を忘れたことはない

普通はそう思わないはずなのに

俺の脳を抉るように語りかけてくる

そんな事を考えていると、あっという間に着いてしまった

心拍が落ち着かなくて、少々息苦しくも感じる

潔 世一

( いやいや、今は考えるな…大丈夫

そして、重くのしかかるドアに差し伸べた

潔 世一

橘…?大丈夫か

橘 花蓮

橘を見ると虚しく窓を見つめていた

橘 花蓮

…ぁ潔君

気付いたのか、弱弱しい声で俺を迎える

あのいつもの橘の笑顔じゃなく

まるで萎れた朝顔のようだった

橘 花蓮

今日は…本当にごめんッ

潔 世一

ッ!

泣いていたのか、顔には涙の跡があった

目の周りの皮膚も赤くて、眼頭が湿っている

俺は、何故かふつふつと感情が湧いていた

"悔しい"と

俺はその瞬間

橘 花蓮

え…?

精一杯の温かみで君を抱いた

潔 世一

悪い事なんてないんだよ…橘には

潔 世一

苦しい事…言えよッ

潔 世一

俺が受け止めて…抱えてやるから

最初は怖かったんだ

橘がどんな事を抱えているのか

知ると橘が俺達から離れると思うと辛いと思ったんだ

でも、消えて欲しくない

橘 花蓮

潔君…ッ

君が一番に大切で、俺の傍にいて欲しい

橘 花蓮

いいのッ?

橘 花蓮

こんな私でも…言ってもいいの

潔 世一

…あぁ

潔 世一

言っていいんだ

潔 世一

思いを形にすることこそが

潔 世一

"人"なんだよッ

橘 花蓮

潔君…ッ

橘 花蓮

…私ねッ

橘 花蓮

一緒に居たいって程怖いの…ッ

橘の声から今までの心情が吐露されていく

潔 世一

…あぁ

橘 花蓮

昔の事…思い出しちゃって( 泣 )

静かな教室の中、ときおり微かな嗚咽だけが漏れる

橘 花蓮

期待されなくなったら、皆ッ

橘 花蓮

離れちゃうの…ッ

橘 花蓮

私…生きてていいのッ?

橘 花蓮

幸せを感じてもいいの…?

俺は、言葉を迷わなかった

潔 世一

…感じていいに決まってんだろ( 泣 )

潔 世一

俺は…花蓮のその優しさが好きなんだよ

潔 世一

どんな事でも尊重してくれるとこも

潔 世一

暖かくて繊細な言葉も全部

潔 世一

これ以上、傷ついて欲しくないんだ

潔 世一

"音乃"

ずっと昔の話

橘 花蓮

何で…その名前…?

向日葵畑で会った爽やかな白色の髪の女の子

その子と会ったのは、経った数日だけだった

橘 花蓮

…もしかして

橘 花蓮

よっちゃん…なの…?

潔 世一

…やっと

俺は、あるひとつの紙切れをポケットから出す

潔 世一

思い伝えられたんだ…

潔 世一

約束…したじゃんか

神々しいオレンジ色の向日葵の花々

そこにポツンと白く透き通った髪の少女の写真

花蓮はその写真を見た瞬間、その場でうずくまった

橘 花蓮

ぅぅぁあ( 泣 )

橘 花蓮

あああああぁっッッ( 泣 )

これは、俺と音乃にとってはじめての出会いのきっかけ

第26話はいかがでしょうか?潔、ついに花蓮に告白💌 そして、過去編へ突入します

時系列的には、花蓮(音乃)と潔の幼少期

そして、花蓮の転生する前のお話になります

一体、どんな展開になるかは

後のお楽しみ☆ NEXT⇒♡200

『貴方にとって、"笑う"とは何ですか』

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コメント

5

ユーザー

見るの遅れた、毎度毎度神すぎる件について…?

ユーザー

やばいッ好きすぎます!By結月&主

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