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時々幼い頃の夢を見る

私は不思議な場所に立っていて

空には星が輝き

草むらに咲く花は風に揺られ

キラキラと瞬く

そこへ『チリン』という音と共に

列車がやって来る

普通行先が書いているはずの所が

黒く塗りつぶされていて

なんだか恐い

「乗りますか?」

運転手にそう聞かれて私は思わず

言葉に詰った

そう その人には

『顔』が無いのだ

私が首を振ると運転手は

「ではまたの機会に」

と行ってしまう

心臓がトクントクンと波打っているのが分かる

金髪の少年

あのぉ…

いきなり少年にそう問いられて

思わず身体を竦めてしまった

「なぁに?」

金髪の少年

……

金髪の少年

……

どうしたんだろうか

金髪の少年

ねぇ

金髪の少年

君の名前は?

ドクン ドクン

心臓の音がうるさい

薄れて行く意識の中で暖かい何かが

私を 包んでいくのが分かった

目を開けると私は

見覚えのある部屋にいた。

手には何回も繰り返し読んだ

1冊の、本。

そこまで大事なわけじゃないけど

どうしても、読んでしまう。

きっと

幼い頃の

あの夜の思い出。

それが関係してるんだろう。

自分の事が分からないなんて

私きっとどうかしてる。

するとドアから『コンコン』

とノックの音が聞こえた。

エレン先生

おはよう。

「えぇ おはようございます先生」

エレン先生

今朝の調子はどうだい?

「とても気分がいいですね」

エレン先生

何か夢でも見たのかい?

「ふふふ」

「とても幸せな夢でした」

エレン先生

そうか、それは良かった

エレン先生

近々満月になるそうだ

「わぁ!私も見に行きたいです」

エレン先生

ふふ そうだね

エレン先生

そろそろ仕事に戻るとするかね

エレン先生

ではまた会おう

エレン先生

スピカさん

スピカ

えぇ先生また後で

スピカ

手紙…

スピカ

私と同い年位の子達がどんどん犯罪に巻き込まれてる…

スピカ

怖いな…

カサッ

スピカ

スピカ

これは?

スピカ・ガーランド様へ

スピカ

私宛の手紙…

今晩は。

お元気ですか?

今回私が貴方様に

手紙を書かせて頂いた理由は2つあります。

1つ目

私のためです。

今「えっ!?」

って思ったでしょ?

ふふふ。

本編に戻ります。

私は病気で寿命も残り少ないんです。

そこで!

10〜18歳までの子供達に

ゲームをして貰いたいのです

ふふふ。

そして2つ目

こちらはスピカ様の為の事です。

そのゲームに勝てた者だけが

願いが叶えてもらえるのです。

私を楽しませて下さるのなら、ね。

お返事、待っております。

リリィ・レオイン

スピカ

…………

スピカ

また、いたずらかしら…

でもどこか現実味がある手紙だった。

『…カ』

『…ピカ』

『スピカ』

スピカ

スピカ

お母さん?

『もうっ!いつまで寝てるの!!』

『そんな事より聞いてー!』

『お母さんさ、結婚する事になったのー!!』

『その人はね』

『優しくて仕事熱心な人なのよ〜!』

『すぐに慣れるわ!!』

スピカ

『ふふっ!』

『早く会って話して欲しい〜!!』

『こんにちは』

『君がスピカちゃん?』

『これからよろしくね』

スピカ

はい。

『ふふっ!』

『これからは家族みんなで楽しく過ごしましょうね!!!!!』

スピカ

……うんっ!

『ガチャガチャ』

『やめて!やめて!』

『…お前今なんて言った?』

『あ…』

『なんて言ったか聞いてんだよ!!!』

『ゴッゴッ』

『いやぁぁ!!』

『ごめんなさい!ごめんなさいっ!ごめんなさ…』

『ゴチャゴチャうるせぇな!』

『ゴッゴッ』

『ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!』

『いいか!?耳の穴かっぽじってよく聞け!』

『ここは俺の家なんだよ!!!』

『女で遊ぼうと金を使おうと』

『暴力を振るおうと自由なんだよ!!!』

『ゴッゴッ』

『あ…』

『いやぁ!助けてぇ!』!

『誰かぁ!!!』

『誰か助けてぇ!』

『お願い 誰か…』

『ザクッ…!』

『きゃははは!!!!』

『きゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!!!!!』

スピカ

……

スピカ

(お母さんが…)

スピカ

(お母さんが…)

スピカ

殺された…

『さぁて』

『娘の方はどうするかな』

『とりあえず使って捨てるか?』

『ベタだな笑』

㌧㌧

スピカ

スピカ

(あいつが来る…)

スピカ

逃げなきゃ…

㌧㌧

スピカ

(急げ!)

ダッ!

『!!』

『そこに誰かいるのか!?』

スピカ

(見つかった?)

『んー?気のせいか…』

スピカ

ホッ…

チャ

スピカ

(…何とか外に出れた)

スピカ

ここからどうすれば…

た…

スピカ

!?

みいつけた…!!

スピカ

いやぁぁ!!

スピカ

はっ!

エレン先生

大丈夫かい!?

スピカ

あ…

スピカ

すみません…

エレン先生

…………

エレン先生

だいぶ魘されてたからね

エレン先生

起こせば良かったかな…

エレン先生

ごめんね

スピカ

スピカ

いえ…

スピカ

ほんとすみませんでした

スピカ

スピカ

(本当に嫌な夢だった…

スピカ

お母さんとあの人

スピカ

なんか合わなかったのかな

スピカ

いつも喧嘩してて

スピカ

悲しかった…し…怖かった)

エレン先生

大丈夫?

エレン先生

顔色が悪い。

エレン先生

晩御飯にしよう。

スピカ

分かりました

エレン先生

すぐに持ってくるからね

スピカ

ありがとうございます

バタン

バサッ

バサバサッ!

スピカ

あ!

スピカ

落としちゃっ…た

カサッ

スピカ

そうだ

スピカ

あの手紙どうしよう…

スピカ

スピカ

よし

スピカ

返事を書こう

リリィ・レオイン様へ

この度、お手紙ありがとうございます。

こういった手紙を書かくのは

初めてなので大目に見てください。

えーっと今回の件ですが

ゲーム、参加させて下さい。

本当の本当に願いが叶うんですね?

不安でなりません。

でも私はリリィ様を信じて参加したい

と思ってます。

よろしくお願いします。

スピカ・ガーランドより。

スピカ

ふぅー

スピカ

こういうの初めて!

スピカ

恥ずかしい所ないかしら…

スピカ

スピカ

…この手紙、一体どこに出せばいいの?

スピカ

先生も今日は疲れているわよね…明日先生に聞いてみましょう

ガチャ

エレン先生

いやーすまない

エレン先生

色々あってね

スピカ

いえ

エレン先生

さぁどうぞ

スピカ

いただきます。

エレン先生

それじゃあねおやすみ

スピカ

えぇ。おやすみなさい

ガタッ

ガタガタ

スピカ

私は眠い目を擦りながら音のする窓の方を見た。

そこには

列車が

あの列車が

1人の人と共に

あったのだ。

スピカ

…………

???

よぉ。

???

元気か。

???

迎えに参りましたよー。

???

スピカ・ガーランド サマ。

???

さ、行くぞ。

???

準備して。

スピカ

???

スピカ

えっと…

???

早く。

スピカ

む、迎えに来たってどういう事?

???

いいから。

スピカ

???

はぁー

???

スピカ・ガーランド

???

よく聞け。

???

お前は手紙を貰っただろ?

???

んでその手紙に返事を書いたんだよな?ここまでいいか?

机の上の手紙を指さしながら続ける。

???

だから迎えに来たんだよ

???

分かった!?

スピカ

は…い?

???

よし。

???

あ、準備出来たの?

スピカ

この部屋には持って行きたいもの特に無いから。

???

…?

???

ほーか。

???

んじゃ行けそ?

スピカ

はい!

???

けけけ。

???

随分威勢が良いな笑

???

おら。乗れよ

スピカ

……

???

……?

???

おーい

スピカ

ど、どうやって?

???

? 飛べよ

スピカ

へ!?

???

この距離飛べねぇのか?

スピカ

ま、まぁ

???

マジか…

???

???

じゃあ手ぇ貸してやっから飛べ。

???

ほい

スピカ

えー…

???

俺もこの体制つれぇんだよ!

???

はよしろ!

スピカ

〜!!

スピカ

分かった!!

スピカ

てゃ!

???

うぉ!

ガクッ

スピカ

痛ぁ…

???

……

スピカ

スピカ

どうしたの…

???

くぅっそいってぇ!!!!!

スピカ

!!!

???

あー…

???

頭打った…

???

くそ!

スピカ

ご、ごめんね

???

ムスッ

???

はぁー

???

まぁいい。

???

あ、そだ!

???

俺の名前はアスター

???

アスター・リボリバー

アスター

よろしく。

スピカ

よろしくね!

スピカ

私は…

アスター

スピカ・ガーランド

アスター

だろ?

スピカ

そうよ!

スピカ

どうして知ってるの?

アスター

まぁ色々あって。

スピカ

アスター

んなこたどうだっていーんだよ

アスター

アスター

お前今からどこに連れていかれんのか分かってねぇだろ…

スピカ

あ…

スピカ

そう言えば…

アスター

危機感のない女だな…

アスター

お前みたいな女,1発でキルされちまうぞ…?

スピカ

キル…?

アスター

殺されるって意味だよ…

スピカ

あぁ!

アスター

はぁー…

アスター

簡単に説明するとな
今からお前が行くとこは

アスター

…町だ。

スピカ

...

スピカ

ほんとに簡単だね…

アスター

お前に言っても分かるかどうか…

スピカ

ちょっと…!

アスター

とりあえずそーゆーのはあっちで言う。

アスター

おとなしく列車に揺られてろ!!

スピカ

ごめんなさい…

アスター

ったく…

アスター

調子狂うな…

ガタンゴトン

ガタンゴトンガタン

アスター

……

スピカ

……

スピカ

…えと…話してもいい?

アスター

ご自由に。

スピカ

あなたも招待されたの?

アスター

スピカ

リリィ・レオインさんに。

アスター

アスター

どうだかな

スピカ

じゃあ

スピカ

どうしてあなたはこの列車に乗ってたの?

アスター

正確にはお前を迎えに来たんだけどな

アスター

……お前はどう思うんだよ

彼が不適に笑いながら言った。

スピカ

わたし?

スピカ

私はリリィさんに言われたのかなー…とか…思ってた…けど……

アスター

まぁまぁいい所ついてんじゃん

アスター

一つ教えてやる

アスター

俺だってやりたくてやってる訳じゃないんだよ…コレ。

スピカ

……

スピカ

ど、どれ?

アスター

察し悪いな

アスター

この迎えに行く役

スピカ

色んな人を迎えに行くの?

アスター

ま、そんなもんだな

スピカ

……大変ね

アスター

アスター

…………同情なんて要らない…(ボソッ)

スピカ

スピカ

今なんて…?

アスター

あ、お前も質問したし

アスター

俺からも二つ位いいか?

スピカ

えぇ。どうぞ!

アスター

(なんか…テンション高ぇな…)

アスター

…お前はなんであの部屋に持ってく物は無いって言ったんだ?

アスター

今まであそこで暮らしてたんじゃないのか?

スピカ

……

スピカ

うん…そうね…

アスター

(まずいこと聞いたか?)

アスター

……質問変えてやる

アスター

お前,

アスター

なんで軽い気持ちで俺についてこれたんだ?

スピカ

!…

アスター

普通は叫んだりするだろ

アスター

…俺ほとんど不法侵入なのに…

スピカ

……

スピカ

……

スピカ

……

スピカ

…私ね

スピカ

本が好きなの

アスター

…?

スピカ

大事…好きな本にね

スピカ

占いのページが乗ってて

スピカ

私、昔からあったから気づかなかったんだけど

スピカ

そのページにね

スピカ

文字が書いてあったの

スピカ

小さい子の文字でね

スピカ

かなり昔に書かれたものなんだろうけど

スピカ

何か意味があるのかなって思っててさ

アスター

……

アスター

…それに俺の質問となんの関係があったんだ?

スピカ

…「6月13日土曜日の夜」

スピカ

そう書いてあったの。

スピカ

今は

スピカ

『6月13日土曜日の夜』……でしょう?

アスター

スピカ

だから

スピカ

運命?感じちゃってさ!もうどうなってもいいかなって思っちゃったんだ…

アスター

……

アスター

痛い女。そんな理由?

スピカ

へへっ

スピカ

そんな理由。

ポーン

次,終点

不思議の町です

スピカ

不思議?

アスター

正式名称は無いんだよ

スピカ

?????

アスター

降りるぞ

スピカ

分かった

プシュ-

ピーッピーッ

スピカ

(不思議な音)

ガチャン ゴガン ゴトッ

アスター

アスター

やけに変な音すんな…

スコースコー

ボゴンッ

スピカ

???

アスター

???

アスター

ちょっと見て来る…

スピカ

うん…

アスター

どした?

ロトン

んー?

ロトン

ニャンだ…アスターかにゃ

アスター

なんだって…

ロトン

吾輩,かわいー子しかキョーミニャイにゃ♡

アスター

……変態…

ロトン

ニャンか言った!?

アスター

なんでもねぇー

アスター

何があった?

ロトン

故障かにゃー?

ロトン

うーむ

ガチャン ゴガン プシュー

アスター

(この音か)

スピカ

(ひょこっ)

スピカ

(アスターいた!にゃんこと話してる…?)

スピカ

あのにゃんこ不思議…

スピカ

(あーいうのが『不思議の町』の由来だったりするのかしら)

アスター

アスター

あれ、アイツか?

ロトン

んにゃー!!♡

ロトン

かわい子ちゃんにゃ!♡

アスター

………………やめろ。キモい

ロトン

んにゃっ!

ロトン

ひどいにゃ💢

アスター

ホントの事だろ

スピカ

何があったの?にゃんこさん

ロトン

ロトンだにゃ!

アスター

こんなサカリ付きのねこに構わなくていい!!

ロトン

ちょっと困った事があってにゃー

アスター

無視かよ!

スピカ

どうしたの?

アスター

お前もかよ!

ロトン

列車が故障しちゃったにゃ…

ロトン

うぅぅぅ…

アスター

出たな嘘泣き…

スピカ

にゃんこさん…

ロトン

ロトンだにゃ…

スピカ

任せてにゃんこさん!!

スピカ

直してみせる!

ロトン

おー!

アスター

!?

アスター

出来んのか?

スピカ

多分…

ロトン

頼むにゃー!

ロトン

このとぉりにゃっ!

スピカ

うんっ!

アスター

マジか…

カチャカチャ

プシュー

ゴットン

グググッ

スピカ

もう少し…

ゴトッ

グググッ

カッチャ

カランカランッ

アスター

ロトン

!!

ロトン

にゃーーーー!

ロトン

これ!

スピカ

やっぱり!!

スピカ

ペンが挟まってたんだ~!

アスター

これ、誰の?

ロトン

ロトン

吾輩のにゃ♡

アスター

はぁーー!?

スピカ

あら…

ロトン

さっき部品を取り替える時に挟んでおいたペンを取り忘れてたにゃ(笑)

アスター

(笑)じゃ、ねぇよ!!

スピカ

気をつけてください!

スピカ

そのうっかりミスが

スピカ

人の命を奪うんですよ!

ロトン

すみませんでしたにゃ……

スピカ

あ、きつく言ってすみません…

アスター

こいつにはそれぐらいが丁度いい!

アスター

まだぬるいくらいだ!

ロトン

うるさいにゃーーーー!

スピカ

あはははっ!!

スピカ

仲いいのね!!

2人

よくないっ!

ロトン

お二人さん?

ロトン

降りないのかにゃ??

アスター

降りる降りる!!

アスター

まったく…!!!

スピカ

怒った?

アスター

別に!!!

スピカ

なら良かった〜

ロトン

くすすっ!

アスター

じゃあなロトン!!

ロトン

またにゃ〜!

スピカ

さよならにゃんこさーん!

ロトン

ロトンだにゃ!!
ばいにゃらー!

列車から降りると

ロトンの可愛い短い腕を振る姿が見えた

スピカ

ばいばーい!!

アスター

じゃあなー!

『回送』

に変わった列車は空に向かって走り出した。

スピカ

ん?

スピカ

ロトンは列車に乗ってっちゃったね

スピカ

普通は一旦終点の駅に止まったりしない?

アスター

まぁこの町は不思議だからかもしれねぇな

スピカ

そっか!

アスター

お!

スピカ

スピカ

何かあった?

アスターは私の方へ

綺麗なターンをしながら言った。

アスター

『不思議の町』へようこそ。

アスター

スピカ・ガーランド様。

思わず息を飲んだ。

アスターの金色の髪。

そして

アスターの赤色の瞳は

月夜に照らされると

尚、美しかった。

スピカに一度別れを告げて

『これからは他の奴が案内してくれると思う』

と言った俺はスピカに背を向け 走り出した。

『今は6月13日の夜』

スピカはそう言っていた。

俺の記憶が確かなら、

スピカの言っていたことが本当なら、

あの場所に…

あの場所に…

居るはずだ。

夢が叶うんだ。

そしたら俺はあのゲームに 参加しなくても良くなる。

そうすれば---

アスター

はぁっ…はぁっ…

アスター

やっぱ…居ねぇ…よな…

アスター

馬鹿みてぇ…

アスター

悪りぃ…スピカ。

アスター

名前すらわかんねぇ奴探してる、

アスター

俺の方が痛てぇわ…

清々しい程美しい夜空とは裏腹に

俺の心はどんよりと曇っていた。

アスター

お月様の眠る町。

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