テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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かつての千の戦果

第17話 - ブラットまとりっくす(新世界のアダムとイブ)

2022年11月05日

#創作

自我削除済のアカウント

奏太

罪なき者だけが石を投げよ。
罪ある者は逃げろ。
それが俺達の掟だ。
これは、そんな世界で生きる者達の物語―――
―――俺は今、とある少女を追っている。
別にストーカーじゃないぞ。ちゃんとした理由がある。
その少女の名はミリア。
腰まで伸びた艶やかな黒髪に人形のように整った容姿。
性格は明るく優しいし料理だって得意だ。
しかも家事全般が得意ときてる。完璧超人と言っていいだろう。
おまけにスタイル抜群で、胸は大きいし尻もいい形をしている。
文句なしの美少女だと思う。
そんな彼女に惚れない男は居ないだろう。
現に彼女は学校中の人気者でファンクラブもあるらしい。
だが、俺は彼女の事を全く知らなかった。……何故かというと、俺が通う学校は私立聖マリア学園高等部。
生徒総数は約1000人。全校生徒が2000人以上居るマンモス校だからだ。
そして彼女が通っているのは中等部。つまり後輩なのだ。
接点なんて殆ど無いに等しかった。
それでも彼女に惹かれた理由は一つだけあった。
それは去年の冬休み前。放課後の下駄箱での出来事だった。
「先輩っ、これ受け取って下さい！」
「え？」
突然、目の前にいた女子から手紙を差し出された。
「あの、それじゃあ失礼しますねっ」
そう言い残して、その子猫は静かに息を引き取った。
「……っ！」
僕は慌ててその小さな体を抱きかかえる。まだ温かいけれど、もう鼓動を感じない。命を失ってしまったのだ。
子猫は僕を見上げて、「ミャア？」と言った。まるで「どうしたの？」と言っているみたいだった。僕は答えた。
「お前は死んでしまったんだよ。ほら、ここを見てみろよ。ちゃんと穴が空いているだろう？」
すると、子猫は僕の腕の中で前足を伸ばし、目を細めて、じっと見つめてきた。それは何かを確認するような目つきにも見えたし、あるいは単に眠くなっただけなのかもしれなかった。
「だから死んだんだ。分かるかい？分からないかなぁ？でも仕方がないよね。死んじゃったんだからね。君はお星さまになったんだ」
「ニャー」
「ああ、そうだとも。これは夢なんかじゃない。本当の

奏太

罪の名前はリリアナ。エルフ族長の娘でダークエルフ。
今日から私はこの村で人間族の男の子と結婚することになりました。
相手は村長の息子で私の幼馴染でもあるアルフ君。
お見合い結婚です。お互い好き合っての結婚ではありません。
しかしこれは仕方のない事なのです。私にはどうすることもできないのです。
なぜなら私の父上は魔王軍の元幹部だからです。しかも魔王軍四天王の一人だったそうです。
そんな父上が人間の村に婿入りできるはずもなく、またその必要もないでしょう。
そもそもこの村は魔物に襲われて滅びた村だったのだ。それを僕が助けたというわけなのだが、それが村人たちの誤解を招いたらしい。
僕は村の救世主的な感じで祭り上げられてしまった。村長の息子ということで、みんなから尊敬されている。
そんな状況の中で、ある事件が起きた。
それは、僕が村の子供たちに剣術を教えていたときのことだ。
その日は剣の練習中、僕のことをよく思わない子たちが大勢集まっていた。おそらく、彼らが仕組んだことだろう。
そして……。
「やめろ！」
僕は必死にもがいたけど、大人数を相手にして敵うはずもなく、押さえつけられてしまう。
「やめて！お願いだから！」
泣きながら訴えても、誰も聞いてくれない。それどころか、笑っている者までいる始末だ。
そして、リーダー格と思われる男の子が、短

奏太

罪深い人間たちよ裁きを受けるがよい（意訳）
ちなみに主人公は「天使」でご主人様は「堕天した神」という設定です。
主人公は地獄からやってきた悪魔の子という設定です。
主人公がご主人様にべったりなのでみんなやきもち焼いてます。
敵は主人公のお兄ちゃん、ヒロインがその嫁。あとはラスボスが主人公という感じです。
タイトル通り、自分が異世界に行ってしまう物語。
ただし、主人公とご主人様には別の人生があるみたいですよ。
そのへんのところは本編で確認してくださいね☆（ゝω・）vキャピ
「エロマンガ先生」「妹キャラ」「ラノベ」「お兄ちゃん」「シスコン」「ハーレム」「学園もの」「美少女」「ツンデレ」「ブラコン」「萌え要素」「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
異世界で最強になった俺はスローライフを送りたいのになぜかいつもフラグが立ちまくるから仕方なく回収して回ったら何故か英雄になっていた件
「チート」「剣聖」「無双」「レベル99999」「魔王」「勇者」「追放」「ざまぁ」「復讐」「ヒロイン救済」「内政物」
異世界で冒険者やってたら、どう見ても伝説の武器級だった
「ファンタジー」「現代社会」「異能バトル」「超能力」「スキル」「能力値」「レベル」
「ドラゴン×ドラゴン」「ドラゴンゾンビ」「竜騎士」「ドラゴンナイト」「竜使い」「ドラゴンマスター」
「ハイエルフ」「ハーフエルフ」「ダークエルフ」「ロリババア」「ショタジジイ」「ロリショタ」
「幼女戦記」
「戦争」「軍略」「戦略」「戦術」「戦闘」「兵器開発」「兵站」「補給線」
「戦車」「戦闘機」「軍艦」「潜水艦」「ミサイル」
「ミリタリー系」「ロボットアニメ」
「SF」「宇宙戦艦」「スペースコロニー」「未来都市」「タイムマシン」
「タイムスリップ」「時間移動」「タイムリープ」「過去改変」「歴史修正」
「恋愛」「青春」「友情」「部活」「幼馴染み」「クラスメイト」「先輩後輩」「年下攻め」「年上受け」
「男装女子」「百合」「ガールズラブ」
「おっさんが

奏太

罪滅ぼし編神様から罰を受けて地上に落ちてきた天使達。
主人公はその一人だった。だが記憶がない。
そんな主人公が出会ったのは一人の青年。
最初は敵だったが一緒にいるうちに恋をして……。
しかし、ある事件がきっかけで主人公は記憶を取り戻す。
それは自分が堕天した理由と青年の正体を知った瞬間でもあった。
天使達は復讐を開始する。
全ての元凶である大魔王ルシファーを倒すために――。
そして天使長ミカエルが最後の審判を下す時が来た。
天使達の逆襲が始まったのだ。
※大魔王ルシファー=サタン（堕天使）
ルシフェルの生まれ変わりという女の子と出会う。
一緒に冒険することになったが、ルシファーと因縁があるらしく一悶着ありそうだ。
「聖剣使いの英雄譚」シリーズ3巻目。
1～2巻まで読んでないとわかりにくいかも。
主人公が勇者として魔王を倒すために旅立つところから始まるお話です。
舞台は現代日本、でもファンタジー要素がありそうな感じ。
異世界に行くわけではなく、現実世界の中で戦うことになります。
主人公は普通に生活している一般人ですが、なぜか不思議な力を使えます。
それを使って敵と戦うわけですね。
敵の方にも特殊な能力を持ったキャラが登場します。
バトルシーンは迫力があってなかなか見応えがありますよ。
主人公の能力は魔法ではなく超能力的な何か

奏太

罪の意識を感じつつ主人公が罪を犯すことで世界を救っているというパラドックス的なストーリーです。
これは良いですね。面白いです。でもね。主人公の性格が最悪すぎますよ。
まずなんでそんなに性格悪いんですかね。
そしてその性格の悪さが行動に現れていないのがさらにひどい。
この物語の主人公ならきっともっとうまくやるはずなのに。
どうしてこうなったんだろう。不思議だ。
作者さんは「俺はこんな風に思ってないから！」って言いたいのかしら。
しかしどう考えても主人公は悪人ですよ。
もうちょっと主人公を美化すればよかったんじゃないかなぁ。
主人公が改心してヒロインが死ぬあたりまでは面白かったんだけど。
そこからは一気につまらなくなった印象。
残念ながら打ち切りエンドのような雰囲気。
ラストバトルがあっさりしすぎて盛り上がりに欠ける気がしました。
あと主人公のキャラが最後までブレまくっていて、結局何者なのかがよくわからない。
悪役令嬢物だけど別に悪事は働いてないよ！というお話。
しかしタイトル詐欺なので注意されたし。
悪役令嬢が実はいい子ちゃんなお話なんてよくあるけどこれは違うぜ。
あらすじ貴族の娘として生まれたシャーロットだが、彼女はなぜか自分がヒロインだと思い込んでいた。
そんな彼女の元に学園一の人気者である王子が入学してくる。
「あぁ……ついにこの時が来たわね……乙女ゲームの世界に！」
ゲームの知識があるから大丈夫と思っていたのだが、王子には婚約者がいた。しかもその相手はなんと同じクラスにいた侯爵家のアンナだった。
シャーロットは平民出身ながら男爵家の養子となった少女。彼女の運命やいかに！？
「悪役令嬢になるはずなのに全然ならないんですけれど？」
「いや、普通に考えて無理だろう」
「どうしてですの！私はヒロインですのよ！！」
「だってお前はもう婚約破棄されてるじゃん」
「そういう設定ですもの！」
「設定じゃねぇよ！どう見てもバッドエンドルートだよこれぇ！！！」
「

奏太

罪とはなんなのか、正義とは何かを問う作品。
ダークヒーローものです。
「ダークファンタジー」「ホラー」「異世界転移」「VRMMO」「中二病」「復讐劇」「ゲーム」「バトル」「チート」「無双」
異世界召喚されて勇者になったけど魔王を倒したら追い出された件について。
魔王を倒し、世界に平和をもたらした勇者が、その功績をたたえられて新たな王国を築くことになった。しかしそれは表向きの話。実は勇者は元の世界では落ちこぼれだった。それが理由で家族から見捨てられていた。だから彼は元の世界で居場所がない。そのため、彼は新しい世界でも居場所を見つけようと必死になっていた。
そんな彼にはある秘密があった。それは自分が魔王を倒した時に手に入れた能力。これはいわゆるチートというやつで、なんでも思いのままにできるすごいものだった。それをいいことに彼はやりたい放題やるのだが……。
主人公の行動原理は「自分はどうなってもいいから他人を助けたい」というもの。そのためならどんなことでもしちゃう。でもやっぱり周りからは理解されないし非難される。それでもやめない。そんな感じのお話です。
「ざまぁ系」「ハーレム」「悪役令嬢」「追放」「成り上がり」「チート」「スローライフ」
「異世界ファンタジー」
「剣」「魔法」「エルフ」「竜」「ドラゴン」「勇者」「魔王」「ハーレム」「冒険者」「魔法使い」「剣士」「戦士」「盗賊」「賢者」「僧侶」「村人」「商人」「貴族」「王族」「メイド」「執事」「姫」「王子」「騎士」「聖女」「巫女」「精霊使い」「錬金術師」「鍛冶職人」「狩人」「暗殺者」「忍者」「シーフ」「踊り子」「遊び人」
「学園」
「青春」
「友情」
「努力」
「勝利」
「部活」
「恋愛」
「日常」
「お嬢様」
「悪役令嬢」
「ざまぁ」
「逆ハー」
「復讐」
「内政」
「戦争」
「現代」
「戦国」
「幕末」
「陰陽道」
「SF」
「ロボット」
「宇宙」

奏太

罪は許されませんでした。
めでたしめでたし。
【内容】
プロローグから最終章まで全部入り。
・主人公がなぜサタンになったのかの経緯
・主人公がどうやって天使たちを虐殺したのか
・最終決戦前夜までの仲間たちとのやりとり
・ラスボス戦後のエピローグ
・おまけ登場人物紹介（ネタバレ）
主人公名前は未定年齢19歳くらい性別男身長176cm 体重62kg 種族人間？髪の色黒瞳の色は赤一人称俺口癖「……」「…………」
特徴無表情、無感情、無気力、死んだ魚のような目、口数が少なくあまりしゃべらない、やる気がない、興味がないことには反応しない、すぐあきらめる、無頓着、無責任、不潔、いい加減、約束を破る、適当、不真面目、嘘つき、裏切り、わがまま、ルーズ、身だしなみに構わない、傲慢、暴力を振るう、他人を見下す、人の話を聞かない、理屈を言うだけで行動できない、自分だけよければそれでよい、人を傷つけても平然としている、人の気持ちを考えない、共感性が低い、協調性がゼロ、空気が読めない、コミュニケーション能力が低い、常識がなく非礼極まる、他人の悪口を平然と言う、陰険、根暗、ひねくれ者、腹黒、お調子者で軽薄、礼儀知らず、恩義を感じない、卑怯、ずる賢い、強欲、虚栄心が強い、ケチ、見栄っ張り、意地汚い、嫉妬深い、八方美人、偽善家、小心者、臆病者、優柔不断、自己中心的、鈍感、気が利かない、図々しい、厚かましすぎる、思いやりの心が皆無、恥

奏太

罪深き者は裁かれるのです。めでたしめでたし。
「黒髪ロング」「純真」「清楚」「真面目」「眼鏡」「巫女服」「セーラー服」「スク水」「ニーソックス」「絶対領域」「白衣」「体操着」「ブルマ」「ルーズソックス」「お嬢様」「メイド」「猫耳娘」「ロリっ娘」「巨乳」「貧乳」「ゴスロリ少女」「制服美少女戦士セーラームーン」等々のキーワードから妄想してみてください。
また、以下の作品のような要素があってもOKです。
・学園もの
・ファンタジー
・SF（少し不思議）
・バトルアクション
・ミステリー
・ホラー
・ハーレム
・逆ハー
・三角関係
・BL
・百合
・ギャグ
・ほのぼの
・ハッピーエンド
・バッドエンド etc……
「異世界転移」「異世界召喚」「異世界トリップ」
「異世界転生」「異世界転性」
「異世界冒険譚」「SFファンタジー」「ダークヒーロー」「超能力者」「恋愛」「成長物語」「友情」「努力」「勝利」「勧善懲悪」「勇者召喚」「ハーレム」「追放」「成り上がり」「スローライフ」「日常系」「現代社会」「近未来」「ロボット」「宇宙人」「未来都市」「戦争」「宇宙戦艦」「宇宙戦闘機」「メカ」「スペースオペラ」「SFアニメ」「スペースアクション」「ミリタリーSF」「ハードボイルド」「警察小説」「ミステリー」「ホラー」「パニック映画」「学園

奏太

白き翼の女戦士：神殺しの剣を振るいし聖騎士にして黒の騎士その名は「堕天使ルシファー」
かつて天界より降臨した天使だった彼女は、自らの欲望を満たすためだけに多くの人間を犠牲にし虐殺を繰り返した。
そんな彼女に対して天界の神々は裁きを下したのだ。
それは「地獄への追放」であった。
しかし、それでもなお、彼女の悪行は止まることはなかった。
地獄の底の底、深淵へと墜ちたはずの彼女が再び地上に現れる時、そこは天国でもなければ、ましてや地獄でもない。
あるのはただ純粋な殺意のみ―――
「ふぅ……今日もいい天気ね」
澄んだ青空の下、気持ちの良い風が吹く中。俺は、ただひたすらに走っていた。
「待てやゴラァッ！！」
背後から聞こえてくる怒声に振り向かずに走り続ける。
俺の名前は、東雲優斗（しののめゆうと）16歳の高校生だ。
今日は高校入学して初めての登校日だったのだが……遅刻してしまったのだ。
しかし、学校まで後もう少しというところで運悪く不良達に絡まれてしまった。
「テメェ舐めてんじゃねぇぞ！」
「いい加減止まりやがれっ！！」
「うるせぇ！！止まれるわけないだろ！？お前らの方が速いんだからよぉ！！！」
現在進行形で、全力疾走中である。
何故こんな状況になったのかと言うと―――
***
「ヤバい、完全に遅れちまったぜ……」
腕時計を見てみると時刻は既に8時30分を過ぎていた。
（初日から遅刻とかマジ最悪じゃね？）
俺は慌てて鞄を手に取り教室へと走った。
「ハァ、何とか間に合ったな……」
息を整えながら席に着き一安心したその時、後ろの方でざわめきが起こった。
不思議に思い振り返るとそこには一人の女子生徒がいた。
その少女はとても可愛らしく、肩にかかる程度の長さの黒髪が特徴的で、前髪をヘアピンで止めているせいか綺麗な瞳がよく見える。
周りの男子達は彼女の

奏太

白昼夢を見ているような感じの話です。
『聖杯探求』;『聖杯を求める旅路』『聖杯伝説』;『聖杯探索の旅』;『アーサー王物語』『ニーベルンゲンの歌』;『ニーベルンゲンの歌』;『ニーベルンゲノ戦記』（ドイツ語）
聖杯伝説（せいはいでんせつ、英：
Holy water, 独： Gottingenerien）とは、中世ヨーロッパの民間伝承における願望機の概念。またそれを用いた儀式のこと。キリスト教圏では特に「聖遺物」と呼ばれるものがそれにあたり、「聖人の遺体の一部」「洗礼者ヨハネの血を受けたパン」などがその例として挙げられる。なお「聖水」も「聖杯」の一種であるが、こちらはキリスト教の教義に必ずしも従わない形で信仰の対象となっているものもある。

奏太

白痴（はくち）とは、物事の道理がわからない者、もしくはそのような状態を指す。転じて、人間性の欠陥を持つ者を貶す言葉として用いられることもある。
【概要】
主にキリスト教圏で使われる蔑称で、元はヘブライ語に由来する。
「知性の無い」「愚鈍な」という意味のギリシア語"abiae"（アパイアエ/バカにする）が由来と言われているが定かではない。
元々は、「知識のない」「愚かな」という意味で用いられていたが、中世以降は「理性を持たない」「感情的な」「道徳心のかけらもない」といった意味で使われるようになった。
また、古代においては、ある集団に属する人間のことを「白痴」
と呼び、「黒死病（ペスト）」など疫病の発生源とされたこともあった。
これは、集団の構成員全員が「白痴」のような愚か者であり、感染するとその人間も「黒死病」のように死んでしまうと考えられていたからである。
「白痴」とは元来は「真智」（真理）という意味であった。しかし中世ヨーロッパのキリスト教社会では、これを蔑称として用いるようになった。
「白痴」という言葉が侮蔑語として用いられた背景には、当時流行していた「黒死病」の存在がある。「黒死病」は発疹チフスの一種で、当時のヨーロッパでは毎年数千人もの死者を出していた。そのため人々は「黒死病」を恐れ、それの原因と考えられた「白痴」も忌み嫌ったのだ。
このように「白痴」という言葉は、病気や災害と同じように恐れられ、嫌悪された。だが「白痴」という言葉には、同時にある種の「神聖性」が付与されていた。それは「白痴」という存在が「聖なる者」だったからではなく、むしろ「穢れなき者」あるいは「清らかなる者」だからである。つまり「白痴」という言葉は「純粋で汚れのない状態」を表すものだった。

奏太

「白痴」は「聖なるもの」や「神聖なるもの」の象徴となりえたため、キリスト教の信仰の対象となった。その結果「白痴」という言葉自体が「聖人」「天使」などの特別な意味を帯びるようになり、やがて「聖人」や「天使」は、「白痴（=聖なるもの）」を意味するようになった。また、「白痴」という言葉は、のちにラテン語の聖書翻訳の過程でギリシア語からの翻訳語として定着した。しかし現在ではその本来の意味はほとんど忘れ去られているといってよいだろう。
キリスト教以前の西洋においては、旧約聖書の創世記第3章に出てくるエバという女性を指して「彼女は知恵ある一人の人間であった。それゆえ、神は彼女を野の獣との交わりに任せられた」（口語訳）といわれている。この女性はその後、蛇にそそのかされて禁断の実を食べてしまったことで、楽園を追放されたとされている。なお、このとき食べた果実については諸説あり、たとえばイチジクという説もあればリンゴという説もある。いずれにしても彼女が食べてはいけない