澪
悲しみ
に満ちた王の剣閃をかわしながら、ロロは叫んだ。
「お前だって救われたいと思っているはずだろ!?なのになんで他人を傷つけようとする!!」
「うるさい!!僕は何も悪くない!誰も彼も消えればいいんだ!」
「それは違うぞ!」
そう言い放ったのは、傷だらけになったレオリナだ。
「いいか、よく聞け哀しみの王。君はもう逃げられない。
なぜなら、君は自分自身の心の中にいるからだ。
本当の自分が目を覚ますまで、君の魂は永遠に囚われ続けるだろうという哀しみの王の宣告。
「そうして君は僕と同じものになろうとしている!それは許されないことだ!」
「俺だって好きでこうなったわけじゃない!!もういい加減にしろ!!」
哀しみの王が放つ巨大な黒い光弾をかわしながら、全力の一撃を叩き込む。
しかしそれでもなお、哀しみの王は倒れることはない。
「ああ、そうだ……。君に一つだけ言っておきたいことがある」
「何だ!?今さら命乞いか?」
「違うさ、あの日、君に会った時……」
そこで言葉を切り、哀しみの王はふっと笑みを浮かべた。
「僕にはもう泣くことすらできないけどね……。でも、いいさ。どうせ終わりだ」
そして哀しみの王は黒い光となって消えていく。
残されたのは、哀しみの王が座していた玉座の上の石版だけとなった。
それを手に取った時、突如として鐘が激しく鳴り始める。
「これは……まさか!」
「五つ目の鐘の音か!?」
「これで最後じゃないのか?」
「違う、これは始まりを告げる音なんだ!!」
「どういうことだ、それは一体なんなのだ!」
「分からない、だけどこの鐘が鳴っている間は何かが起きるはずだ。急ごう!」
哀しみの王の消えた跡に残っていたのは、かつて彼が持っていた剣だけだった。
「この剣は……そうだ、確かあいつが持っていて……」
「おい、待ってくれ!」
哀しみの王を追う
