※HAPPY END回※
若井side
若井.
そう、元貴にもう一回言った。
元貴が大きく目を開いて、俺の方を見た時だった。
ぶぶぶ…と床に置いてあった携帯が震えた
誰かからの電話
画面に表示されている人物は間違いなく、
“藤澤涼架”
だった
迷わず通話開始の緑のボタンを押した
涼ちゃんの優しい声が聞きたかった
若井.
看護師.
若井.
看護師.
電話越しに聞こえる声に混じって切羽詰まったお医者さんの声が聞こえてくる
指定された病院は、このあたりでも大きな大学病院だった
大森.
若井.
冷静を装って元貴に伝えたけれど、自分の口から出た声はみっともなく掠れている
そのまま俺の車で元貴と急いで病院に向かった
大森.
大森.
大森.
元貴の言葉に泣きそうになった
若井.
涼ちゃんに、生きていて欲しかった
涼ちゃんが、死んじゃうかもしれない
その不安が病院に近づくたび大きくなっていく
涼ちゃん、無事でいてね
若井.
看護師.
病院に来て開口一番、受付の看護師さんに聞く
頷くと。看護師さんはついてきてくださいと言って足早に歩き始めた
一つの病室の前についた
ここに、涼ちゃんがいる
看護師さんは扉を開ける前に、俺たちに教えてくれた
看護師.
看護師.
看護師さんは静かにそう言った。
きっと、この看護師さんはしっている。
記憶を無くしている人と喋るのは、簡単なことではないと。
だから、こんなふうに忠告してくれる
でも、俺たちの絆は、そう簡単に壊れたりしないから
若井.
看護師.
看護師さんは病室の扉をゆっくり開けた
元貴と一緒に病室に入ってベットに横になる人物を見下ろす
若井.
いつも通り綺麗な顔。 その顔を見て思ったのは純然たる安堵だった
藤澤.
涼ちゃんは、俺たちに向かってそう言った。
やっぱり、涼ちゃんは忘れていた。
でも、涼ちゃんが生きていることが嬉しくて。
若井.
涼ちゃんにそう話した。
涼ちゃんは静かに起き上がって言った。
藤澤.
涼ちゃんの目が俺と元貴の目を捉えた
涼ちゃんは、静かによそ行きの微笑を浮かべた
俺がなんて言おうか迷っていると、隣の元貴が喋り出した
大森.
藤澤.
大森.
涼ちゃんは目を大きく見開いた。
でもすぐに俯いて言う
藤澤.
若井.
涼ちゃんが話終わる前にそう言っていた
涼ちゃんが俺たちのことを忘れていたって涼ちゃんが生きていればそれでいい
涼ちゃんが、毎日笑顔で過ごしてほしい。
若井.
若井.
藤澤.
大森.
大森.
藤澤.
涼ちゃんはそう呟いた。
元貴は言った。
大森.
若井.
若井.
涼ちゃんは泣きながら笑っていた
そして、服で目尻を拭いて言った。
藤澤.
そして涼ちゃんは笑った。
前と同じ、綺麗な顔で。
記憶をなくした君は HAPPY END
こんにちは✨
600いいねありがとうございます😭 感想も沢山きていて、嬉しいです
これで記憶をなくした君はが完結になります この作品もいいねと感想お願いします🤲
そしてフォロワー様が300人を超えました✨ なので記念作品を出そうと思います。 読切作品にはなりますが、楽しみに待っててくれると嬉しいです✨
それではまた!
コメント
8件
もう最高!!感動で涙が止まらなかったです!!😭😭
もう最高すぎました泣 ほんとにボロ泣きしちゃって、w こんな泣いたの久しぶりですw 素敵な作品をありがとうございました。
やばい、部屋中Atlantisになってる、もう大好きです!