テラーノベル
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真夜中、静まり返ったすちの部屋に、ひゅー、ひゅーと苦しげな呼吸音が響いた。
目を開け、微かに聞こえる異音の正体を探ろうと、暗闇に目を凝らした。
すち
なつ
「ケポッ」と、胃の中のものが逆流するような音が、暗闇に不気味に広がる。
LAN
えずき、苦しそうに胃液を吐き出した。
いるま
震える声で掠れた謝罪の言葉を紡ぐいるま。顔色は青白く、額には脂汗がびっしょりとにじんでいる。その体は小刻みに震え、まるで呼吸するのも辛そうに見えた。
すち
その声で、みことも目を覚ました。 状況を瞬時に把握したみこととすちは、すぐさま起き上がる。
みこと
すち
「ゲ"ェ」と喉が鳴り、まだ吐き気が残っているのが見て取れた。
えずき続けるが、もう何も出てこない。空えずきが、彼の体力をさらに奪っていくようだった。
なつ
なつは布団から顔を出して心配そうに見つめている。 その表情には、心配と戸惑いが入り混じっていた。
LAN
すち
すちは混乱しつつも、LANの指示にテキパキと動いた。 LANは新しいタオルでいるまの口元を拭く
LAN
いるま
という苦しげな音が漏れている。
みこと
汚れていない場所を選び、みこととLANがゆっくりといるまを横たわらせる。彼はぐったりと目を閉じ、浅い呼吸を繰り返している。
すちはバケツと手袋を持って戻ってきた。
すち
なつ
みこと
それぞれのメンバーが、いるまを気遣い、片付けを始めた。 温かい絆が、夜中の冷たい空気を少しだけ温めた。
しかし、安心したのも束の間だった。 全員が再び眠りについた頃。
横になったいるまの体が、再びビクッと大きく痙攣する。
LAN
という音が響き、彼の口から大量の吐瀉物が勢いよく溢れ出した。 それは、すでに胃液だけではない。 消化途中の固形物も混じっており、酸っぱい匂いに加えて、生臭い匂いが部屋中に広がる。
いるま
彼は身をよじり、苦痛に顔を歪ませながら、何度か大きくえずく。吐き出す度に体が震え、 シーツを握りしめる指先に力がこもる。 もう意識も朦朧としているのか、LANが差し出したタオルを受け止めることもできない。
LAN
LANの指示が飛ぶ。なつは飛び起き、慌てて部屋を出て行った。
LAN
LANはいるまの背中をさすりながら、必死に声をかける。しかし、いるまの嘔吐は止まらない。胃の中のものを全て吐き出そうとするかのように、何度も、何度も、その細い体から絞り出す。 やがて、ごぽり、という音と共に、最後に残っていたものが全て吐き出された。
いるま
彼はぐったりと横になり、浅く、速い呼吸を繰り返している。 顔は真っ青で、唇は紫色に変わっていた。
なつが冷たい水と、新しいタオルを持って戻ってきた。みことはすぐにいるまの額にそのタオルを乗せてやる。ひんやりとした感触に、いるまの顔がわずかに和らいだ。
LAN
いるまは小さく頷いたものの、まだ体を起こす気力もないようだった。LANがペットボトルの水を少量、口元に持っていくと、ゆっくりとそれを含み、ごくりと喉を鳴らす。
LAN
すち
とつぶやいた。
なつ
なつが屈託のない笑顔を見せる。その言葉に、いるまの目に微かに光が戻ったように見えた。 LANが彼の髪を優しく撫でる。
LAN
数分後、いるまの呼吸は少しずつ落ち着き、穏やかな寝息を立て始めた。メンバーは汚れた布団を運び出し、片付けを続ける。誰もが、疲労よりも安堵の表情を浮かべていた。
明け方
夜が明け、東の空がうっすらと白み始めた頃。メンバーは交代でいるまの様子を見守っていた。朝、一番に目を覚ましたすちが、そっといるまの額に手を当てる。
すち
安心したようなすちの声に、リビングで仮眠をとっていたみこととなつも起きてくる。
みこと
LAN
LANが落ち着いた声で呼びかけると、いるまがゆっくりと目を開けた。 まだ少しぼんやりとした表情だが、昨夜のような苦痛の色はない。
いるま
LAN
LANが心配そうに覗き込む。
いるま
いるまは改めて謝るが、その声には少しだけ力が戻っていた。
みこと
すち
こさめ
なつ
こさめ
LAN
いるま
それぞれの優しさに、いるまはじんわりと胸が温かくなるのを感じた。
コメント
11件
ガチやん… 毎回クオリティ高くてありがたい…
最高!!あと、リクエストのやつ本当に遅くてすみません😣💦 今書いてる途中なのでもうそろそろ出せる…かも… 一応毎日ちょこちょこ書いてはいるんです…((言い訳すみません