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主
牢獄の中に、小さくも 芯のある音が流れていた
元貴のハミング
りょうちゃんの繊細なハーモニー
若井の手拍子と、控えめな 足踏みのリズム
音は言葉を超え、時間さえ超えて
その旋律は1人の人物の心に触れていた
城の石造りの廊下
薄明かりの中、静かに立ち止まる 若き 文官
彼女の名は
葵
葵
葵
葵はそっと 牢に近づき石の影から 3人の姿を見つめた
粗末な牢屋の中で、3人の若者は疲れた体で音を紡いでいた
その姿が 彼女の心をわずかに揺らす
翌朝
牢に朝の光りが差し込む頃、侍が扉を開けた
侍
侍
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3人は城の一室へと連れて行かれる
すぐにそこには 書物といきものに囲まれた 机の上には若い女性
葵が静かに立っていた
葵
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葵は数秒間目を伏せたまま黙っていた
そして、小さく息を吐いた後 静かに 口を開いた
葵
葵
葵
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だが、葵は首を横に振った
葵
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葵
葵
葵
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葵
沈黙が流れた
やがて 元貴がゆっくりと口を開いた
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葵は迷ったように目を伏せると 机から 巻物を一つ取り出した
葵
葵
彼女は 巻物を机にそっと置き、3人の目を見ないまま言った
葵
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ryuk
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葵は初めて、笑った
葵
侍の足音が近づいてくる
葵
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3人は再び牢へと 戻されたが、その表情にはさっきまでとは違う 決意が宿っていた
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月が空に上り ゆっくりと、子の刻が近づいていく
脱出の時はすぐそこまで来ていた
主
主
主