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聖星院高等学院編

第2話 - 二章「思い切った誘い」

2025年03月02日

#女子高生

スタルナ/星月夜ルナ

晴日柚香

は？

星月夜瑠奈

ダメ...ですか？

晴日柚香

まぁ、そういうことです

星月夜瑠奈

そうですか...すみません、誘っちゃって

星月夜瑠奈

じ、じゃあすみません！私先に帰ります

星月夜瑠奈

ただいま～

星月夜瑠奈

まあ、お父さんもお母さんもいないけど

星月夜瑠奈

夜勤かな？

星月夜瑠奈

今日のこと、亜実に報告してみようかな

すたーりーないとるな

亜実ー

あみてゃん

瑠奈ー

すたーりーないとるな

今日あの学年一位の子誘ったよ

すたーりーないとるな

断られたけど

あみてゃん

あらあら

あみてゃん

名前は？

すたーりーないとるな

晴日柚香ちゃん

あみてゃん

そういう名前なんだ

すたーりーないとるな

で、どうして誘ったかっていうと

すたーりーないとるな

藤堂ナツ知ってる？

あみてゃん

あぁ、あのVTuberの？

すたーりーないとるな

そ。そのナツが好きらしくて

すたーりーないとるな

オタクらしいの

すたーりーないとるな

だから勧誘したら

あみてゃん

断られたと

すたーりーないとるな

そうよ

すたーりーないとるな

どうすればいい？

あみてゃん

諦めなくていいじゃん

あみてゃん

勧誘し続ければ？

すたーりーないとるな

いいのかな？

すたーりーないとるな

しつこくない？

あみてゃん

しつこくないしつこくない

あみてゃん

むしろ入りたくなるはず

すたーりーないとるな

え、そうなの？

あみてゃん

うん

あみてゃん

知らんけど

すたーりーないとるな

おい

すたーりーないとるな

でもそういうものなのかも？

あみてゃん

うんそうだよ

あみてゃん

はいがんばれー

すたーりーないとるな

雑すぎない？

星月夜瑠奈

アタックするのも手、だよね

星月夜瑠奈

そこは亜実の言う通りかも

星月夜瑠奈

よし！がんばってみよう！

星月夜瑠奈

でも夜ご飯どうしよう

星月夜瑠奈

親いないし、外食しようかな

星月夜瑠奈

そうと決まれば即出発！

星月夜瑠奈

着替えて早く行こう！

星月夜瑠奈

ここのビルの～

星月夜瑠奈

えっと、これだ

星月夜瑠奈

私の好きな安いイタリアンレストラン！

星月夜瑠奈

何頼もうかな～

星月夜瑠奈

着いた！

星月夜瑠奈

この紙に名前書けばいいんだよね！

待つこと数分...

店員

お一人様でお待ちの星月夜様ー！

星月夜瑠奈

あ、はーい！

一人用の席に案内された

店員

ご注文お決まりでしたら、このボタンを押してください

そう言って店員は離れていった

星月夜瑠奈

んーと、マルゲリータピザとたらこパスタにしようかな

星月夜瑠奈

じゃあボタン押してっと

ボタンを押すと、数分かからないうちにさっきの店員さんがこちらに来た

店員

ご注文はいかがですか？

星月夜瑠奈

マルゲリータピザとたらこパスタ、一つずつお願いします

店員

ご注文承りました

店員

料理が来るまで少々お待ちください

星月夜瑠奈

はい。お願いします

店員が再び去った後

星月夜瑠奈

あめるか祥くんか梓、つぶやいてないかな

星月夜瑠奈

あ、あめるのつぶやきある！

星月夜瑠奈

えーっと

星月夜瑠奈

「明日は七時からプレミア公開です！」

星月夜瑠奈

「【ウィあめ】ウィングとあめるで質問コーナー！何でもお答えします！」

星月夜瑠奈

ウィあめじゃん！やった！推しカプの二人だ！最高！かわいい！尊い！

なぜここまで喜ぶのかというと、瑠奈はウィングとあめるの男女カップリングが大好物なのである

二人の二次創作などもよく見る、重度のカプオタク

それも星月夜瑠奈の一面だ

星月夜瑠奈

そうそう、梓くんのグッズも買いたいな

星月夜瑠奈

ポチっちゃおっと

星月夜瑠奈

あ！knowledgeの新着動画だ！

星月夜瑠奈

祥くん出演してる！

星月夜瑠奈

コメントしよー

星月夜瑠奈

4:25の本川祥可愛すぎる

星月夜瑠奈

好きだわー

星月夜瑠奈

もう結婚したいもん

星月夜瑠奈

ふふ

星月夜瑠奈

推しって最高

星月夜瑠奈

推しがいるから、なんにもない自分が満たされる

星月夜瑠奈

幸せになれる

星月夜瑠奈

推しの存在、そのすべてが国宝みたいなもの

星月夜瑠奈

そうだ

星月夜瑠奈

柚香ちゃんと仲良くなるために、ナツちゃんのこと調べてみようかな

星月夜瑠奈

確か、名前は藤堂ナツでいいんだよね

星月夜瑠奈

サーチ、っと

店員

お待たせしました

店員

マルゲリータピザとたらこパスタでございます

星月夜瑠奈

あ、ありがとうございます～

星月夜瑠奈

料理来ちゃったし、帰りに調べようっと

星月夜瑠奈

ん、おいしい！

星月夜瑠奈

もっと食べよう！

星月夜瑠奈

藤堂ナツチャンネル、これだ

あの後料理を完食して会計を済ませ、レストランを出た

星月夜瑠奈

登録者は10.3万人

星月夜瑠奈

見た目かわいい

星月夜瑠奈

名前しか知らなかったけど、こんな子だったんだ

星月夜瑠奈

動画見よっ！

星月夜瑠奈

たっだいま～

星月夜瑠奈

ナツちゃん見てたらいつの間にか家に着いてたよ

星月夜瑠奈

親いないのはやっぱり寂しいなぁ～

星月夜瑠奈

でもそれは仕方ないよね

星月夜瑠奈

二人が今ここにいないのは私がダメダメだったせいだもん

星月夜瑠奈

とりあえず、お風呂入ってもう寝よう

星月夜瑠奈

水あっかたーい！

星月夜瑠奈

歌、歌いたいな

星月夜瑠奈

でもちょっと恥ずかしい...

星月夜瑠奈

近所迷惑かもだし、やめておこう

星月夜瑠奈

体洗って～

星月夜瑠奈

湯船は...浸からなくていいや

星月夜瑠奈

お風呂おわり！

星月夜瑠奈

じゃあ歯磨きしてと

カシャカシャ

星月夜瑠奈

よし！完了！

星月夜瑠奈

じゃあおやすみ！

星月夜瑠奈

明日もいい日になりますように！

～翌朝～

星月夜瑠奈

よかった！今日は遅刻しなさそう！

星月夜瑠奈

身支度してさっさと学校行こう

星月夜瑠奈

今日は亜実いないなー

星月夜瑠奈

まぁ亜実っていつも遅刻しない程度に遅く登校するし、そんなもんかー

晴日柚香

ちょ、ちょっとやめてください！

男

えー、いいじゃん

ふと周りに目をやると、柚香ちゃんが車内で男に絡まれていた

助けなきゃ、と思った。打算なんてない。本心で。

星月夜瑠奈

やめてください！

柚香ちゃんがどういう要件で絡まれているのかもわからない。でも、これこそ私のやるべきことだと思う。

星月夜瑠奈

この子困ってますよね？

騒がしかった車内が、一瞬で静寂に包まれる

男

チッ

そしてその瞬間、駅に到着した

男はその駅で降りていった

星月夜瑠奈

あの、大丈夫？

晴日柚香

は、はい。

晴日柚香

どうもありがとうございます

星月夜瑠奈

よかったです

晴日柚香

あの、あなたって昨日の

星月夜瑠奈

そうです！あの！

星月夜瑠奈

部活、入ってくれませんか？

星月夜瑠奈

昨日は断られちゃいましたけど

星月夜瑠奈

私、本気なんです！

星月夜瑠奈

好きなものを好きと言える場所、素敵じゃないですか？

私は柚香ちゃんの手を握った

晴日柚香

...

晴日柚香

でも、私...

晴日柚香

わた、し...

晴日柚香

また、失敗したくない...

晴日柚香

また同じことになったら、私、正気でいられなくなる

晴日柚香

だから...

晴日柚香

申し訳ないですけど、断らせてください

星月夜瑠奈

そうですか...

星月夜瑠奈

でも私！諦めませんから！

星月夜瑠奈

絶対説得しますから！

星月夜瑠奈

楽しみにしていてください！

晴日柚香

...好きなこと、やりたいことを封印しないとできないこともあるんです

晴日柚香

みんながみんな暇なわけではないんです

星月夜瑠奈

でも

晴日柚香

とにかく私、その部活に入る気はないので

星月夜瑠奈

...

結局何も言えなくなってしまい、お互い黙ったままの状態が続いた

そのまま学校に着いてしまった

星月夜瑠奈

...迷惑になっちゃった

星月夜瑠奈

亜実...私はどうすればいいんだろう？

星月夜瑠奈

オタク部

星月夜瑠奈

オタクがオタクとして、好きなものにありのままでいられる場所

星月夜瑠奈

きっと同じオタクになら喜ばれると思ってた

星月夜瑠奈

でもそんなわけなかった。冷静になってみたら、さ

星月夜瑠奈

だって、人それぞれやりたいことは違うんだもん

星月夜瑠奈

柚香ちゃんは私たちの学年の中でも一番頭がいい

星月夜瑠奈

きっと私たちの想像の遥か先の、もはや想像し得ないレベルの努力をしてるんだろうな

星月夜瑠奈

なのに私は落ちこぼれだ

星月夜瑠奈

...でも、それでも

星月夜瑠奈

諦めたく、ないんだ

星月夜瑠奈

諦めるのは簡単だよ

星月夜瑠奈

でも簡単な道に逃げて、その先に待つものってなんだろう？

星月夜瑠奈

説得、するよ

星月夜瑠奈

たとえそれが不可能でも、迷惑でも

佐々倉亜実

あ、瑠奈

星月夜瑠奈

え、亜実！？

星月夜瑠奈

今日早くない！？

星月夜瑠奈

私電車降りてきたばっかだよ！？

佐々倉亜実

あぁ、瑠奈気付かなかったんだ

星月夜瑠奈

え？

佐々倉亜実

私、あの電車いたから

星月夜瑠奈

えっ...じゃああの私の醜態も

佐々倉亜実

そりゃ鮮明にね

星月夜瑠奈

おいい！

佐々倉亜実

それより

佐々倉亜実

どうするの？

佐々倉亜実

諦めるの？

星月夜瑠奈

そんなことしないよ

佐々倉亜実

でも、部の申請期限は丁度あと一週間

佐々倉亜実

この意味がわかる？

星月夜瑠奈

時間がない、ってことでしょ

佐々倉亜実

そう

星月夜瑠奈

お願い亜実

星月夜瑠奈

少しだけ、私のわがままに付き合ってほしい

佐々倉亜実

仕方ない

佐々倉亜実

でもやるからには本気でやるから

佐々倉亜実

瑠奈

佐々倉亜実

大切な存在のためなら、人はなんでもできる

星月夜瑠奈

そう、だね

星月夜瑠奈

それはいつも思うよ

佐々倉亜実

瑠奈はしつこく勧誘して

佐々倉亜実

迷惑がられるかもだけど、なんとなくあの子、すごく居心地悪そう

佐々倉亜実

そこを上手く使って、どうにか心を掴んで

佐々倉亜実

私は裏で手を回すから

星月夜瑠奈

うん、わかった

佐々倉亜実

ごめん、先教室入ってて

星月夜瑠奈

え、いいの？

佐々倉亜実

うん。お願い

星月夜瑠奈

わかった。遅刻しないようにね

佐々倉亜実

はいはい

佐々倉亜実

はぁ、瑠奈もやるな～

佐々倉亜実

疲れちゃう～

佐々倉亜実

でもそんな瑠奈に私は救われたんだ

佐々倉亜実

瑠奈のためなら、どんなことでもやる

佐々倉亜実

それが佐々倉亜実でなくちゃ！

佐々倉亜実

さーて、まず手始めに仮面を外すのも悪くないね！

佐々倉亜実

仲良くないしどうでもいい関係だからこその御業！

佐々倉亜実

待っててね！

佐々倉亜実

柚香ちゃん！

家族LINE

柚香父

柚香、ちょっと伝えたいことがある

ゆずか

どうしたの？お父さん

柚香母

急で申し訳ないんだけど

柚香母

明日親戚の集まりがあるのよ

ゆずか

そうだったの？

柚香父

で、天ヶ瀬の寮から明華も帰ってくる

ゆずか

お姉ちゃんが？

柚香母

それで早希ちゃんたちも来るんだけど、明日行く？どうする？

ゆずか

お姉ちゃんも帰ってくるなら

ゆずか

行ってもいい、かな

柚香母

わかったわ

柚香母

じゃあ明日、私と明華と行きましょう

ゆずか

うん。わかった

晴日柚香

明日、か

晴日柚香

お姉ちゃんも早希も、私には眩しすぎるよ

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スタルナ/星月夜ルナ

プロフィール

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