母屋に入った時
俺はどんな顔をしていたのだろう
とにかく苦しかった
胸がぎゅっと強く掴まれた気がした
苦しくて蹲った
会って改めて自覚する
好きなんだと
あの人に好意を持っているのだと
助けてもらったのに、お礼も言わないで
何で帰ってきたのとか
可愛げのない冷たい言葉であしらって
彼を、責めることしかできなかった
彼が俺を好きになってくれて
俺も彼を好きになった
でも
好きな人の好意を拒んだ
受け入れちゃだめだから
待つ間、覚悟は決めたつもりだった
もう会っても大丈夫
思い残したことはない、もう想いはない
はずだった
いざ会ったら全然だめ、じゃん
あの人が入ってきた時、安心した
頬が緩んだ
身体の力が全部抜けていく気がした
だから、
拒むことが苦しかった
好きな人からの好意を拒む
他に好きな人ができたなら断れる
でも違う、好きなんだ、まだ
あの人に、身請けされたいと
思ってしまった
きんとき
きんとき
好きにならなければ
苦しまずに済んだのに
「いや」
?
きんとき
昔、聞いた懐かしい声
お世話になった、恩人の
俺らを助けてくれた人の声
きんとき
顔を上げれば懐かしい顔
らっだぁ
らっだぁ
変わらない整った顔
青い群青の眼球が俺をまっすぐ見る
らっだぁ
らっだぁ
急に店に来なくなったのに
今頃なんで………、
らっだぁ
らっだぁ
らっだぁ
きんとき
じゃあ何で俺のとこに来たんだろう
ぺいんとさんは2年も待ってた
今すぐにでも会いたいと思ってるはず…
らっだぁ
らっだぁ
きんとき
きんとき
好きな人をどんだけ待たせる気なんだ
そんなに好きなら早く会いに行けよ
そう思ってしまう
らっだぁ
らっだぁ
らっだぁ
?
らっだぁ
きんとき
障子を勢いよくあけたぺいんとさんは
一直線に俺たちの方へ来る
ぺいんと
ぺいんと
らっだぁ
らっだぁ
ぺいんと
らっだぁ
行かなくても
来る
あぁ……そっか
会いに来れないなら行けばいいのか
らっだぁ
ぺいんと
ぺいんと
俺の顔をまじまじとみて目元を触る
ぺいんと
ぺいんと
誰も泣かせてはいない…
俺が勝手に泣いただけだ
らっだぁ
らっだぁ
きんとき
らっだぁ
きんとき
なんで?何でわかった…?
わかるものなの?
………いやこの人だからか…
らっだぁ
ぺいんと
きんとき
相談していいのかわからないけど
先輩の意見は必要…だよな
俺は今までのことを話し始めた
next_♡2000
コメント
3件
1回見たけどまた見たくなったから見たけどやっぱりこの作品すきです! 続きが気になるー!
もう毎回天才すぎる…🧣とぺがやっと出てきた🥲♡