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手を振るほとけの瞳に、少し物憂げな色が浮かんだ。
後ろに向きかけた足を止め、ほとけに問い掛ける。
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きょとん、とした効果音が今のほとけには似合うだろう。
心を見透かされた、と思ったのか、その後ほとけは少し頰を赤らめてこう言った。
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中々言い出さない彼を、じっと見つめる。
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心做しか、瞳も潤んでいるような気がする。
更に、ちらちらと見え隠れするふわふわの尻尾。
もふもふと触り心地が良さそうな、よく動く、垂れ下がった耳。
…………と、まぁさっきの思考の後半2つは幻覚だが。
可愛い可愛い彼女に、こう言われて断る彼氏なんて、いるだろうか。
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途端に笑顔になる君。
その言葉が、どういうことを意味するのか、分かっているのか。
ちょっとだけ。ちょっとだけ、期待を持たせる。
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先程よりも少し余所余所しい態度。
家に誘ったときよりも、顔や耳が真っ赤だ。
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ど、どうしよう………、
ちょっと勇気を出して家に誘ってみたけれど、まさかOKされるなんて……っ!
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自分から誘ったとはいえ、静かな空間に二人きり、は耐えきれず慌ててお風呂場に逃げ込んできた。
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いふくんは………、このお泊りの意味分かってるのかな…、
………それとも、僕が自意識過剰なだけなのかな……、
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思わず、溜息を吐く。
すると。
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突然、僕の耳朶近くで声が発せられたものだから、情けない声をあげてしまう。
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いつの間にか、かなりの時間が経っていたらしい。
慌てて手を動かす。
お風呂場から戻ってきて、静かにソファに座る。
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僕の視線に気づいたのか、いふくんがこちらを見て、ふわりと微笑む。
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手を広げられ、そろそろと小さい歩幅で歩く。
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いふくんの体に、僕の全身を預ける。
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はじめて出来た、だいすきな彼氏。
もちろん、ハグもはじめて。
友達とすることもあったけど、こんなにあったかくて嬉しいのは、はじめて。
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優しく後頭部を掴まれ、ふにっと柔らかい感触がする。
ピピピッピピピッ
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1番、甘く溶けた時間にお風呂が沸いてしまった。
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僕の思いが見透かされていたようで、慌ててその場を立ち去る。
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カチャン、と扉が開き、いふくんが出ていく。
水
ついつい、あんなことまで考えてしまって、いつもより長風呂になってしまった。
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悶えつつも、とりあえずスマホを眺める。
水
はた、と気付く。
スマートフォンの上部の画面には、
8月2日
と。
もう、夏休み終了まで一週間もないくらいだ。
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とは言っても、うちの大学は比較的ほかのところよりも長期休みが長い。
水
思い返してみれば。
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いふくんから告白されたのも。
水
自分から、ちゃんと想いを伝えたのも。
こうやって、お泊りしてるのも。
水
もしかしたら。
もしかしたら、キス以上のことも。
なんてね。
水
____まで、⚄。
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