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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

♪〜

やけに機嫌がいいな。

ふふ、分かるかい?

ああ。今日はなんだ?

実は、彰人くんとのデートを冬弥くんが許可してくれてねぇ。

は?

ふふ、楽しみなんだよね。

ちょっと待て、

おい、冬弥、冬弥はどこだ。

冬弥くんなら多分自室だよ?

自室か…

わっ!相変わらず素早い移動だねぇ

おい、冬弥。

冬弥

あ…司様?

冬弥

どうかなさいましたか?

どうしたもこうしたもない。なんだ、彰人とデートって。

冬弥

デート…?

冬弥

ああ、買い出しの許可なら出しましたよ。

買い出し…

はぁ…アイツはまた面倒な言い回しを…

冬弥

ふふ、デートだと思って焦ったんですか?

うるさい。別に焦ってなんかない。

それに、仮にデートだったとしても俺は常に類の傍にいるから関係ない。

冬弥

そんなだからストーカーなんて言われるんですよ。

心外だな。仕事だと言うのに。

冬弥

司様は…少し、類様に対して過保護に感じます。

それお前が言うのか?

冬弥

俺は別に過保護ではありません。

どの口が言うか。

冬弥

ふふ…

冬弥

俺は彰人を信頼しています。彰人なら、類様と2人で外出させても問題ないと判断したんです。

冬弥

それに、司様もいますしね。

冬弥

類様を頼みましたよ。

誰に言ってる。当然だ。

冬弥

ふふ、頼もしいですね。

商人

らっしゃいらっしゃい~!!

商人

活きのいい魚だよー!!

商人

こっちは新鮮な野菜だよー!

わぁ…!やっぱり、活気があって楽しいね。

彰人

そうですね。俺も、この雰囲気は好きです。

いつもここで買い出ししてるのかい?

彰人

はい。ここ、結構品揃えいいんですよ。

食材の調達なら、他の家臣に頼めばいいのに…わざわざ、料理人が出向くなんて珍しいよね。

彰人

そうなんすか?

彰人

まぁでも…自分の目で見た方が、いいもん作れますから。

ふふっ。それはこだわり…みたいなものかな?

彰人

そうですねー…俺には…

彰人

類様に美味い料理食ってもらいたいっていうこだわりがありますから。

おやおや…ふふ。だから君の料理はいつも美味しいんだね。

司くんも冬弥くんも、他のみんなも君の料理が大好きなんだよ。

彰人

へへっ。そりゃ嬉しい限りですね。

彰人

あ、類様。今日何食べたいとかあります?

今日?うーん…魚はこの前食べたから、お肉かな。

彰人

おー、いいっすね。

彰人

司さんは肉だと何が好きっすか?

わっ!?司くん、そこに居たのかい?

よく気付いたな…完全に気配を消した筈だが。

彰人

ははっ。まぁ、俺以外は気付いてないと思いますよ。

本当に気付かなかったよ…

彰人

2人とも、ステーキって食ったことあります?

すてーき?

すて…?

彰人

んじゃ、今日はステーキにしましょうか。

ふふ、君の母国の料理かい?

彰人

ええ。美味いんすよ。

そうか。それは楽しみだ。

彰人

すんませーん!この肉下さーい

商人

あいよ!毎度あり!

一般の店で仕入れるんだな。

ね~。こだわりなんだってさ。

ほぅ…流石だな。

そうだ、普通に疑問なんだけど司くんってさ。

ん?

いつでもどこでも僕の傍にいるけど、お風呂の時も居たりする?

なッ

いやぁ、気になってね。

そ、そんな訳ないだろう!!…とは、言い切れんな。

おや、やっぱりかい。

むしろ、風呂が1番無防備だから狙われやすいだろう。

それもそうだね。

…あ、安心しろ。護るのが目的であって、特にお前の体は見たりしとらんから、、

ん?そうなの?

あ、当たり前だろう!

へぇ〜?

彰人

すんませーん。お待たせしましたー

おや、おかえり。

彰人

このまま帰ってもいいっすけど、ちょっとだけ寄り道してもいいっすか?

ふふ、そういうの大好きだよ。

どこへ行くんだ?

彰人

俺のお気に入りの場所です。

わぁ~!!

これは…見事なものだな。

彰人

でしょう?よく昼寝に来るんです。

ふふ、僕もここでお昼寝しようかな~

冬弥が怒るぞ…

彰人

日本って、悪くないっすねー

彰人

俺の国にも花は咲いてましたけど…ここに咲いてる花のが、ずっと綺麗です。

ふふっ、そうかい。それは嬉しいねぇ。

類、彰人。ほら

?これは…

彰人

花冠?

よく妹に作ってやってたんだ。

彰人

へー、器用なもんですね。

ふふ、ありがとう司くん。

いや…

ねぇ、良かったら作り方教えてよ。

彰人

あ、俺もー

…ふふ、仕方ないな。

まず、こうやって結んで…

冬弥

これは…また、長い買い出しでしたね。

あ、あははー…

冬弥

それに、この大量の花冠やネックレスは…

彰人

すみません、ちょーっと盛り上がっちゃって…

…反省はしてる。

冬弥

…屋敷の者に配りましょうか。

おや、いいねぇ!みんなで屋敷中お花だらけにしようか。

彰人

おー!いいっすねー

後片付けが大変そうだがな。

冬弥

ふふ、まぁ何とでもなるでしょう。

冬弥

それよりも、まずはお風呂に入ってきてくださいね。

は〜い。

冬弥

珍しいですね。類様はともかく、司様までそんなにはしゃいで…

ふふ、少し昔を思い出してしまってな。

遅くなってしまった事は謝る。だが、今回は俺のせいだ。

冬弥

安心して下さい、今回は怒ってませんから。

冬弥

皆さんが楽しかったのなら、良かったです。

彰人

あ、やべ。夕飯の仕込みしてねぇ!

冬弥

あー…あの、一応俺がやっておきました。

彰人

は、

冬弥

皆さんが遅かったので、夕食に間に合わないかと思いまして…

冬弥

少し厨房をお借りして、用意しておきました。

彰人

え、えーっと…あ、ありがとうございます~!

と、冬弥…な、何を作ったんだ?

冬弥

えっと、類様でも食べられるように、野菜を混ぜ込んだ肉団子の吸い物と、白米と刺身を…

彰人

お、おお!!聞く分には美味そう!!

こら!

彰人

あ、すんません!

冬弥

と、とりあえず…それは誰かに食べさせたか?

冬弥

いえ、まだです。

彰人

(良かった…)

なら、先に俺が食べてもいいだろうか?

冬弥

え、構いませんけど…

(俺は一応毒耐性はある。まずは毒味しなくては…)

彰人

司さん…大丈夫っすか?

ああ、心配ない。いくら冬弥でも、流石に…

冬弥

では、とりあえず中へお入り下さい。

みんながどこにもいなかったから探しに来てみれば…

僕がお風呂に入ってる間に何があったんだい??

_:( _ ́ཫ`):_

彰人

_:(´ω`」 ∠):_

えっと…何故2人が悶絶してるのかな?

冬弥

わ、分かりません…

冬弥

俺が作った料理を食べただけだと思うのですが…

い…いい、今なんて言ったんだい?

冬弥

え?ですから、俺が作った料理を食べただけ…

ちょ、冬弥くんを厨房に入れたの誰だい?!

家臣

も、もも、申し訳ございません!!

家臣

冬弥様がどうしてもと仰るので、つい…

入れちゃダメだって言ったろう!全くもう…

司くん、彰人くん大丈夫かい?

なんとか…

彰人

はは~…なんか戦場を思い出す味でした…

うわぁお…

冬弥くん…これは一体、何を作ったのかな?

冬弥

は、はい。えっと、肉団子の吸い物と白米と刺身を…

(刺身は綺麗だ。となると、肉団子の吸い物か…)

んん??

ど、どうして肉団子が青色なのかな…?

冬弥

えっと、類様にも野菜を食べさせようと、細かく刻んで色々入れたらそうなりました。

(え、野菜って青色だっけ)

冬弥

…申し訳ありません、やはり、余計なお世話だったようですね。

冬弥

やっぱり、私に料理など…

……いいや、そんな事ないよ。

冬弥くん、ありがとうね。

冬弥

え…

その指見たら分かるよ。傷だらけじゃないか。

君は僕らを気遣って、一生懸命その料理を作ってくれたんだろう?

冬弥

冬弥

これは…その、包丁が持ち慣れなくて…

知ってるよ。君が普段料理をしないことは、もちろん。

だから、ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ。

冬弥

類様…

まぁ、料理は…うん、ちょっとは練習した方が良さそうだけど、

冬弥

は、はい…

料理なら、俺も多少教えられるぞ。

彰人

俺も、冬弥様の時間ある時いつでも教えれますよ~

冬弥

あ…お2人とも、ありがとうございます、!

ふふ、なら次楽しみにしてるね。

次…か。まぁ、それはいいが…

今日の夕飯はどうする?

彰人

うーん、刺身は全然問題ないんで、それ活かしてなんか作りますね。

おお~!ふふ、よろしく頼むよ。

彰人

はい!すぐ作りますんで少々お待ち下さい!

NEXT

おまけ

彰人

それにしても、この刺身綺麗っすねー

彰人

冬弥様が捌いたんですか?

冬弥

はい。捌くのは得意なので。

彰人

おお、物騒。

彰人

にしても、包丁でこんな風に切れるんですねー。どうやって切ったんですか?

冬弥

あ…その、包丁だと上手く切れなかったから、刀で斬ったんです。

彰人

え?

彰人

か、刀…?

冬弥

刀の方が使い慣れてるから、捌きやすかったですよ。

彰人

へ、へぇ〜

彰人

(この人は絶対一人で料理させちゃダメな人だ…)

終わり

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