月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
注意!! ・地雷さんは今すぐUターン! ・まろにきバレンタインネタです(付き合ってません) ・nmmn ・ご本人様方とは何も関係のないフィクションです ・口調&キャラ崩壊あり ・通報❌
月見。
俺は今、これまでにないくらい混乱している。
ないこ
悠佑
あまりの驚きに困惑の言葉しか出せず、目の前にいるあにきがムッとした様子で手を出してくる。
ないこ
だって信じられるだろうか。
悠佑
あにきが、チョコを作ってきたのだ。
いや、あにきは普段から料理をする言わば料理男子。大体のものなら作ってくれるし、普通に料理上手な部類に入る。この前作ってくれたハンバーグも美味かった。
が、それとこれとは少し話が違う。
今は2月。そう、2月と言えば女子も男子もソワソワドキドキ、あの季節だ。
“バレンタイン”
あにきは料理をするが、別にそういう行事に乗っかるタイプでは無い。
食べたいから作る、材料があったから作る。そんな感じの奴だ。
そのあにきが、バレンタインチョコ??
この前配信でリスナーのみんなにバレンタインの話してる時に言っちゃったよ。
「いれいすメンバーから貰える可能性?ないない!!アイツらも貰うの待機してる側だから!」
いやだって貰えるだなんて思わないだろ実際貰ったことなかったし。
悠佑
ないこ
悠佑
ないこ
しまった。予想外の出来事だったからって、折角チョコを貰ったのに碌な反応もしないで、俺は。
ずっと驚いていた挙句、感想も感謝も無しに黙り込んでいたらそりゃ不安にもなるだろう。
いつものあにきらしくない、斜め下を向く何処か傷ついた顔を見たくなくて。
ないこ
悠佑
ないこ
悠佑
笑顔が戻ったあにきに、ほっと安堵の溜息を吐く。あにきはこうじゃなきゃな。
・・・それにしても。
ないこ
そう尋ねると、あにきは目を泳がせた。
悠佑
珍しく言い淀んでいる。特に急かすこともせず、けどやっぱり気になるから、俺は黙ってあにきの言葉を待った。
悠佑
ないこ
そう。そもそもここないこハウスにどうしてあにきがいるのかと言うと、これから大人組で集まって動画を撮ろうとしていたからだ。
まろはどうやら仕事がある様で、少し遅れてくるとのこと。疲れてたら申し訳ないし別に無理に今日じゃなくても良かったんだけど、まろが今日で良いと言ったから特に止めることはしなかった。
ないこ
俺が思ったことを察したのか、あにきがまた目を泳がせる。
そうか。まろだ。
きっとあにきは、まろにチョコをあげたかったんだ。けど普通にまろだけに渡してしまっては、気持ちがバレると思ったんだろう。
そう、まろとあにきは付き合っていない。あにきはこの通り、自分の片思いだと思っているし、その気持ちを隠し通すつもりでいる。
だから今日会う大人組の一人の俺にも渡すことで、自然にまろにチョコを渡そうとしているんだ。
・・・まろとあにきは、誰がどう見ても両思いである。
子供組に至っては、最近会う度に「あの二人付き合った?」と俺に聞いてくる始末。いやなんで俺に聞くんだよ。
自分のことになると本当に鈍感なんだよなぁあにき・・・。
ないこ
悠佑
全く、隠すつもりがあるんだかないんだか。
髪から覗く赤くなった耳に、かわいいなぁと思わず笑ってしまった。
ないこ
5時には行くようにするわ、とまろは言っていたのだが、もう時計の針は6時を刺していた。
「あにきにチョコ貰った」なんてサブのツイートにも、一番に反応してきそうなまろからのリプが無い。ないふぁみのみんなからのリプはかなり盛り上がっているが。・・・おい待て誰だ今「念願の0個回避おめでとうございます!」とか書いてた奴ちょっと待て。
仕事が長引いているんだろうか。そう思っていた時、スマホの画面が光り通知を知らせた。
ないこ
If
ないこ
If
If
ないこ
ないこ
If
ないこ
悠佑
あにきの言葉に頷く。仕事を頑張っているまろに無理はさせたくないから、まろのお願いを了承したものの、あにきになんて言えば。
俺が言葉に迷っていると、あにきが俺のスマホをすっと取った。
ないこ
悠佑
悠佑
ないこ
悠佑
悠佑
悠佑
ないこ
悠佑
悠佑
そう言うと、あにきは俺にチョコを半ば押し付ける形で預け、靴を履いて玄関のドアを開けた。
悠佑
ないこ
パタン、と閉まったドアに、言葉を失う。
彼が人の話を聞かず物事を進めてしまう時なんて、大体無理をしている時だ。
あの笑顔も、彼のいつものものでは無い。
手の中にある、青い袋で綺麗にラッピングされたチョコを見る。
ないこ
俺は、リビングに戻ってスマホを手に取った。
悠佑
家に着いて部屋に入るなり、俺は溜息を吐きながらベッドに倒れ込んだ。
チョコ、渡せなかったな。
元々、頼まれていたとかじゃないのだ。先日スーパーに行った時のバレンタイン特設コーナーに並ぶチョコを見て、柄にも無く影響されて。
甘いものが好きなあいつに、チョコを作ってみたくなってしまったのだ。
丁度大人組で集まる予定があったこともあり、二人にあげれば、なんてずるいことを考えた俺。
悠佑
まろは仕事が忙しい様で、今日ないこの家に来ることは無かった。
ないこには悪いことをしたなと思う。優しいあいつのことだし、随分気を使ってくれていただろう。最後にはまろ用に作ったチョコを押し付ける様にして帰ってきてしまった。
自分で食べるべきだったろうか。いやでも、やっぱり虚しいよな。
悠佑
今回のことでよく分かった。元々この気持ちは墓場まで持っていくつもりでいるくせに、こんな行事に乗っかろうなんて、都合が良いにもほどがある。
なんだか何もやる気にならず、俺はそのまま目を瞑った。
ピンポーン
意識の遠くで、何やら音が聞こえた。
悠佑
いつの間にか寝てしまっていた様だ。目を擦って、のそりと体を起こす。
ピンポーン
スマホを付ければもう8時だった。割と寝たな。
ピンポーンピンポーン
悠佑
さっきから鳴り響くインターホンの音に、宅配便とか頼んでいただろうか、なんて考えながら部屋を出た。
ピンポーンピンポーン
悠佑
今日何回目かのチャイムにうんざりしながら、俺は玄関のドアを開けた。
悠佑
If
今日、一番会いたかった奴が、そこに立っていた。
悠佑
If
ガサ、とまろの手の中で音を立てたそれに、俺は目を丸くした。
ないこに押し付けてきたチョコだった。
悠佑
If
悠佑
そうだと頷くことも、違うと嘘をつくことも出来なかった。
悠佑
仕事が長引き疲れているはずなのに、俺が勝手に作ったこんなチョコの為に。
If
If
悠佑
If
悠佑
If
If
悠佑
If
悠佑
If
悠佑
If
なんて、緩んだ表情で、何より愛しいものを見るかの様な目で、チョコを見つめるまろ。
悠佑
If
悠佑
悠佑
悠佑
悠佑
If
If
悠佑
ふわりと、優しい香りに包まれる。
まろの腕の中だと気付くまで、そう時間はかからなかった。
If
悠佑
If
あんなにはっきりと告白してきておいて、そんな風に思ってたなんて。
悠佑
If
へにゃりと幸せそうに笑うその笑顔に、俺まで頰が緩んでしまった。
君だから、一緒にいたいんだ。
数時間後、ないこのサブのツイートを見たまろが、翌日ないこの家に乗り込みに行くのは、また別の話。
If
ないこ
月見。
月見。
月見。
月見。
月見。
コメント
6件
好きです…
尊すぎます…