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ぬぬ
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うわあ、第16話めっちゃ楽しかったです…!ヴァローナさんがまさかのサプライズゲストで登場して、アイスの写真見せたりぬいぐるみ手作りしてたり、あのギャップにきゅんとしました🤍 アスーカルとソルトとの掛け合いも自然で、つい笑顔になっちゃう。最後の「羞恥心…」は思わず声出ました。歌、聴きたいなあ。次が気になる〜!
午後五時。 ウニコルノ小国・テレビ局三階の収録室では、 アイドル《メルシィ》のアスーカルとソルトによる生放送が開始していた。 華やかな照明がステージを照らし、客席を埋め尽くす観客たちは、今か今かとその瞬間を待ち侘びている。
アスーカル
アスーカル
アスーカルが大きく腕を上げる。
アスーカル
ソルト
アスーカルとソルトの声が重なった瞬間、観客席から割れんばかりの黄色い歓声が上がった。 その熱気の最中。 ステージ脇からディレクターが姿を現し、二人にだけ見える位置で、一枚のカンペをちらつかせる。
アスーカル
一瞬の間も空けず、アスーカルが声を弾ませた。
ソルト
ソルトも拍子の抜けた声で、すかさず話を繋ぐ。 突然差し込まれた進行変更。 けれど、二人の様子からは欠片ほどの動揺も読み取れない。 まさに『サプライズ』。 観客にそう信じ込ませるには、充分すぎる対応だった。 アスーカルは笑顔を崩さないまま、さらにカンペへ視線を落とす。
アスーカル
アスーカル
大きく目を見開く
ソルト
隣で覗き込んだソルトまで声を上げた。 二人は顔を見合わせる。 そして、互いに一度だけ頷いた。
アスーカル
アスーカル
アスーカル
その合図と共に、ステージを隠していた幕が上がる。 照明の中央。 呼ばれた青年は、集まる視線を浴びながら静かに一礼した。 瞬間。
ええええええええっ!?
黄色い歓声――どころではない。 客席を満たしたのは、純粋な驚愕の声だった。 おそらく、画面の向こう側も似たようなものだろう。
アスーカル
アスーカルが平生を装いながら、ヴァローナへマイクを向ける。
ヴァローナ
アスーカル
あまりにも淡々とした返答に、アスーカルが堪えきれず素で吹き出した。 観客席からも笑いが零れる。 一方、ソルトは未だ僅かに緊張を残しながらも、進行を止めまいと話を振った。
ソルト
普段とは違う、妙に他人行儀な口調。 ヴァローナは一度だけソルトを見る。 どうやら察したらしい。 何事もなかったように、同じ距離感で言葉を返した。
ヴァローナ
アスーカル
アスーカルが食いつくように返すと、ヴァローナは素直に頷いた。
ヴァローナ
アスーカル
ヴァローナ
ヴァローナ
ヴァローナ
ヴァローナが携帯を取り出し、写真を見せる。 画面に写っていたのは、猫の形をしたアイス。 溶ける前に撮ろうとしたのか、飾り気も加工もない、ただ真正面から撮影された一枚だった。
アスーカル
アスーカルが感嘆を漏らす。
ヴァローナ
アスーカル
ヴァローナ
アスーカル
ソルト
二人の声が綺麗に重なった。
ヴァローナ
突然の食いつきに、ヴァローナの肩が僅かに揺れる。
アスーカル
ヴァローナ
アスーカル
ヴァローナ
じりじりと距離を詰めてくるアスーカル。 完全に困惑したヴァローナは、助けを求めるようにソルトへ視線を送った。
ソルト
小声で返された。 味方がいない。 アスーカルは勢いよく立ち上がると、マイクを観客席へ向けた。
アスーカル
威勢よく投げかけられた問いに、観客たちは息を合わせる必要すらなかった。
あるー!!!!!!
収録室が揺れる。 ディレクターたちはもちろん、廊下を歩いていた人々まで、その轟音に思わず足を止めた。
アスーカル
何事も無かったのように振り返る。
ヴァローナ
ヴァローナの口から、情けない声が漏れた。 アスーカルは満足げににこっと笑い、再び席に着く。 逃げ道を失ったヴァローナは、渋々アカウントを開いて二人へ見せた。
ヴァローナ
ヴァローナ
スタッフが画面を確認し、背後の巨大スクリーンへアカウントを投影する。 その瞬間。 表示されていたフォロワー数が、目に見える速度で増え始めた。 数字が更新される。 また増える。 さらに増える。 画面の向こうの視聴者たちが、一斉にアカウントを探し当て、フォローを始めたらしい。
アスーカル
アスーカルが投稿を遡りながら、隣のソルトへ画面を向ける。
ソルト
ソルト
ヴァローナ
ヴァローナ
ソルト
ヴァローナは足元に置いていた鞄へ手を伸ばした。 中を探り、取り出したのは二体の小さなぬいぐるみ。 アスーカルとソルト。 衣装も髪型も、それぞれの特徴が小さな身体に丁寧に落とし込まれている。 そのまま一体ずつ、本人たちへ手渡した。
ヴァローナ
アスーカル
アスーカルは受け取るなり、両手でぬいぐるみを掲げる。 一通り眺めたあと、迷うことなく胸ポケットへINした。
ソルト
ソルトは手のひらに乗った自分を見つめる。 視線を泳がせ。 少しだけ迷ってから、そっと腰ポケットへしまった。
アスーカル
アスーカル
ようやく本来の進行を思い出したらしい。 アスーカルが手元の進行表へ視線を戻す。
ヴァローナ
アスーカル
ヴァローナ
代替なので、歌はなしのつもりであり、初耳だった。 ヴァローナが目を丸くする。
アスーカル
アスーカルが申し訳なさそうに、しかし当然の事実として返した。
ヴァローナ
アスーカル
ヴァローナ
ぽつり。 今さら芽生えた羞恥心だけが、マイクにしっかりと拾われた。