転生した先は侯爵令嬢だったみたいです！

コンコン！とドアのノックの音が響いた。 誰か来たのかしら？

この子は私《わたくし》の大親友のキャサリン・ストロング。 笑顔の可愛い女の子で性格も優しくて私《わたくし》の大好きな女の子。

バタン!! ん？何の音かしら？ ドア付近から凄い音がしたけど⋯。

はい？ 振り返るとお母様に力いっぱい抱きしめられました、はい。 お母様は私わたくしと同じ金髪の髪にピンク色の瞳で私《わたくし》はお小さい頃のお母様にそっくりだとよく言われます。

バンッ!! またドアが開く音が部屋に響いた⋯。 またですの？そんなに乱暴にドアを開けたら壊れないかしら？と少し不安になった⋯。 ところで次はどなたなのかしら？

キラキラスマイルで私に近付いてくる、この少年はユリウス・オーディン様7歳 この国の第1王子様ですわ。 王族にしか受け継がれない紫髪に濃いブルーの吸い込まれそうな大きな瞳で誰から見ても美少年なユリウス様です。

するとユリウス様は不機嫌そうに顔を歪めた。

ユリウスは、そう言い可愛い目に睨まれました。 前みたいにって無理ですわ。 確かに私《わたくし》は昨年まではユリウスと呼んでいましたわ。 でも私《わたくし》も7歳になる訳でして、ユリウスはこの国の第1王子様なので彼より目下の私《わたくし》がいつまでもユリウス呼びはまずいと思いユリウス様と呼んでいるのになぜわかってもらえないのかしら？ 世間的に見て私《わたくし》がユリウスと呼んでいたら私《わたくし》がと言うかアルベルト家自体の評判が悪くなるはずですわ⋯。 あなたは王子様なんですのよ？ そこのとこら理解してもらわないと 私《わたくし》困りますわ！

えっ？ もしかしてユリウス私《わたくし》が倒れてから毎日来てたとか？まさか・・・毎日じゃないわよね？

はい？いつでも飛んでくる？ なぜ？ それより、いつから私わたくしはユリウスの婚約者になったのよ？ 私わたくし聞いてなくてよ!!

お母様が笑顔で仰った。 あのー・・・お二人だけで話を進めるのは止めて下さいませんか？ それに結婚なんて、するとしてもだいぶー先ですよ？私《わたくし》たちまだ7歳ですから・・・。 ちゃんとした説明を私《わたくし》にして下さい・・・。

うるうるした瞳でユリウスに睨まれました。 うっ!!そんな悲しそうな瞳で睨まないで下さい・・・。 それにしてもお母様・・・私《わたくし》初耳ですわ!! こんな大事なことはお忘れにならないで下さいませ・・・。

なぜ私私《わたくし》が謝らなきゃいけないの？こっちが泣きたいですわ!!

忘れたら私《わたくし》どうなるのかしら？ ユリウスはカレン忘れたらどうなるかわかってるよね？的な顔をしていますわ。 怖い・・・ユリウスの笑顔が黒く見える・・・。 目の錯覚かしら？ ユリウスって怒らせたら怖い感じよね？ 私《わたくし》これから先大丈夫なのかしら？ ものすごく不安ですわ・・・。

悔しいので私《わたくし》の中で1番の笑顔で言ってやりましたわ・・・。

お母様は部屋を出ていった。 嫌・・・お母様出て行かないで下さい。 お母様なぜユリウスと二人にするんですか!! そしてユリウスと二人きりになった・・・。 誰か助けてくれる方いませんか？ なんか部屋の空気が、すごく重いです・・・。

ユリウスは笑顔で言いながら私《わたくし》に近付いてくる・・・。 え？突然どうしましたの？ユリウス!! って言うか、いつから私《わたくし》ユリウスの物になったのかしら？ユリウスの物になった覚えはありませんけど？

それよりも、なぜユリウスは私《わたくし》に近付いてくるんでしょうか？

と可愛い瞳にまた睨まれました・・・。 婚約者ですよね？ええ、いずれは結婚するお相手ってことくらい私《わたくし》もわかってますわよ・・・。 でも私《わたくし》達まだ7歳なので結婚までの道のりは長い訳でしてその間になにがあるかも分からない訳です。

はい？ なぜ私《わたくし》としかしないって・・・。 ユリウスよく考えた方がよくてよ？ 自分のことながらこの先どう成長するのか、全く想像出来ないのよ？ 将来結婚する時になって、あの時婚約破棄しとけばよかったよって後悔することになるかも知れないじゃない？ ユリウスよく考えて!!

ユリウスは急に私をギュッと抱きしめてきた。

はい？ お姫様？ 私《わたくし》 ユリウスのお姫様になった覚えありませんけど・・・。

え？ユリウスが私《わたくし》を好き？ ええー!! 今までそんな素振りなかったはずですわ・・・。 私《わたくし》7歳児に告白されましたわ・・・(私《わたくし》も7歳だけど) どうなってるのよ？ ってことは私《わたくし》本当にこのままじゃユリウスのお妃人生まっしぐらじゃない!! って言うか恋愛の好きに気づくの早いのではなくて？ユリウス・・・。

幼い頃から(今でも十分に幼いですけども)ユリウスとは一緒に過ごす時間は当たり前にあり、それなりに仲良くはしていたけどユリウスが私《わたくし》を好きになった理由が全く見当たらないですわ・・・。 私《わたくし》の容姿はそれなりに整っているとは思いますけど|絶世《ぜっせい》の美女・・・違った|絶世《ぜっせい》の美幼女とまでは行かないわけで。 ユリウスは私《わたくし》のどこが良いのかしら？と思ってしまう。 そして私《わたくし》はユリウスのことは好きだけど、恋愛の好きではないのよね・・・。 どう答えたらいいのかしら？ 一応とは言っても婚約者ですし・・・。

今は？ 凄く嫌な予感がします・・・。 そしてユリウスはさらにきつく、抱きしめてきた。

そしてユリウスは私《わたくし》の顎をつかんでクイッと持ち上げたと思ったら唇に温かい何かが触れた・・・。 は？ これはキス!! ってなぜ私《わたくし》はユリウスにキスされてるのかしら？ 私《わたくし》達まだ7歳でしたわよね？ キスは早すぎませんかね？それよりも止めなくちゃ!!

はい？私《わたくし》が了承なんてする訳ありませんけど・・・。

ええ、無理やりあなたにされましたが？

なぜだかまた嫌な予感が・・・。

・・・ユリウスのせいで守れませんでしたが・・・。

そもそも自分からキスしました・・・なんて言うバカはいないと思いますわよ。

はい？なぜ疑問形で答える・・・。

そしてユリウスは可愛い顔で

契約って何考えてるのよユリウス・・・。 契約の内容を聞きたくないですわ・・・とても・・・。

とユリウスはキラキラスマイルで仰いました・・・。 ・・・なにが大したことじゃないの？ 思い切り大したことだと思いますわ!! たった1回のキスで私《わたくし》はユリウスと一生を共にしないといけないの？そんなの嫌よ!!

言わなければいいだけよね？

ユリウスは少し寂しそうに言った。 えーっと・・・私《わたくし》はユリウスに脅されてるのでしょうか？ それしかありませんよね？ 私《わたくし》が契約を断ったら、私《わたくし》と家族は奈落の底行き決定で契約承諾したら私《わたくし》は死ぬまでユリウスの側にいなきゃいけない・・・。 どちらの選択もしたくありませんわ!! 奈落の底行きも死ぬまでユリウスの側行きも、どちらもお断りしたいですわ・・・。 けれど私《わたくし》だけならまだしも家族を奈落の底行きにはさせたくありません。 なので選択肢はただ一つ死ぬまでユリウスの側行きになる・・・。 すごく嫌なんですけど・・・。 でも一緒にいるうちにユリウスの気が変わって契約破棄=婚約破棄されることもあるかも？ 結婚するまでに契約破棄してもらえるように頑張らねばなりませんわね!!

とまたユリウスはキラキラスマイルです。 そんなにキラキラスマイルばかり私《わたくし》に見せないでくれます？ すごく心臓に悪いので・・・。 そして|後《のち》に私《わたくし》はこの日契約を受けたことを激しく後悔する事になったのだった・・・。