_物事を決めるのが好きだった。
もともと、馬鹿みたいに正義感があってさ。
リーダー気取って何でもかんでも仕切って決めて。
あの頃は何も気にせずに自分のやりたいようにやって。
_それで許されてたから。
__ッッ、
だから、あんな
"簡単"なミスにも気づけなかったんだ。
_3年前_
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その時間は丁度、文化祭準備だった気がする。
うちのクラスは何するか。
当然ながら"学級委員"として仕切ってた。
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生徒
生徒
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なかなか決まらない出し物だって、
私にかかれば1発なんだから。
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クラスの中でもおしゃべりな方で
いつも中心にいた。
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.....嬉しかった、。
周りは私に目を向けてくれて。
何の変哲のないただの生徒なのに。
そこら辺にいる人と変わらないのに。
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生徒
生徒
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今日も上手く決まった。
これで終わり、__
生徒
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生徒
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生徒
正の字で書かれた票数をどんどん数えていく。
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確かに数えたところ1人ちょうど足りない。
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片方の圧倒的な票数に引かれ、気づかなかった。
生徒
生徒
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それとも、納得できなかった?
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キーンコーンカーンコーン
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生徒
一斉に廊下を走っていく生徒たち。
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それにつられ、私も走り出そうとした時だった。
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これが私とこはねの初めての会話...だった。
_昼休み_
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深々とお辞儀を繰り返す、小さな少女に戸惑いを隠せない。
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こはねはもじもじとし、何か言いたげだ。
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今にも泣き出しそうな瞳が揺れている。
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首を横に振る。
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賛成してくれる人が沢山いるなら、
その分、反対する人も沢山いる。
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何その案、面白くない、
ありえないわー、
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胸がぎゅっと押しつぶされてく。
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突然大きな声で呼ばれ、目を開く。
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ぎゅっと目を瞑る。
こはねから言われる言葉が怖くって。
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体が硬直する。
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真剣にこちらをじっと見てくる。
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思いっきり抱きしめる。
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初めてだった、こんなに面と向かって言われたのは。
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こんな私のどこがいいって言うの?
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優しい眼差しを向けられ、締め付けられていた胸も次第に暖かくなる。
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あぁ、初めてだ、自分という人間を否定されなかったのは。
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もう一度、抱きしめ直す。
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唯一、自分を認め分かってくれる、
そんな"親友"に出逢えたんだ。
_数日後_
_放課後_
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あれから数日、私とこはねはよく一緒にいるようになった。
あの後、自分の悩みを聞いてもらって心が軽くなって。
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でも、
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こはねは悩みを一切言ってくれなかった。
ただ聞くだけ、ただ肯定してくれるだけ。
否定はされなかった。
いや、しようとしてなかったのかも。
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そらそうだよね、突然会って悩みを聞くなんて。
普通に知らないよく分からない生徒に言うわけないか、。
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扉を開け、勢いよく飛び出した。
_ストリート_
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こはねとは不思議と趣味があって、
2人で夕方歌いながら帰っていた。
こはねの歌はすっごく綺麗で
自分の低い声とよく合う。
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持ってきたスマートフォンで音楽を流す。
よく帰り道で歌ってる曲だ。
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マイク片手に手振りや身振りを付けて歌う。
女子高生
女子高生
女子高生
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あたりは次第に人が多くなり、私たちを囲むように輪ができる。
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通りすがり
通りすがり
女子高生
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通りすがり
通りすがり
通りすがり
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当然ながらスルーする人だっている。
歌や歌ってる年齢で決めつけて
離れていく人だっている。
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きっと、私もこはねに会う前まではここで歌ってなかったと思う。
馬鹿にされるのが怖くって、通ることすらなかったと思う。
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__だけど、
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通りすがり
私を認め、慕ってくれる人がいる。
馬鹿にせずに私と向き合ってくれる人がいる。
それだけで嬉しくって。
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隣に立って一緒に、
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🐹
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女子高生
通りすがり
一緒に、
一緒に歌っていたい。
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コメント
10件
m(*_ _)m 次回も楽しみにしてます
今回も最高でした!!! 杏こは杏てぇてぇ、、
杏こはのペア好きすぎてやばい...! 本当に最高ですっっ!!!