自分のキモチ

中谷さんは刺すような視線の笑みを私に向けた。

確かに近藤くんへのチョコは義理でも無い、ただの試食だ。

恋愛感情なんて今はない。

…でも。

中谷さんの視線がさらに激しくなる。

人目もはばからず中谷さんが恫喝する。

…そう、その通り。

私は近藤くんの彼女じゃない。

でも…

中谷さんは少したじろいだ。

近藤くんの姿が消えると中谷さんの作り笑いも同時に消えた。

中谷さんとも別れて、1人帰路についた。

バレンタイン当日、放課後

放課後に近藤くんがよく居る屋上に上がったら人の気配がした。

痛いところを突かれ、悔しげな顔をしてうつむく。

中谷さんが逃げ帰るように下り階段へと走り…

私と鉢合わせした。

中谷さんは走り去っていった。

自分で言った言葉だけれど、人から言われたら何故か気恥ずかしい。

おまけ 山野家

バタリ

お父さんの誤解を解くまでしばらくかかった。