主
主
主
家に置かれたグランドピアノには、手をつける事ができない。
つけたくもない。
いふ
俺はピアノのはじめて1年で、自分の能力を知った。
下手だった
親にグランドピアノを買ってもらい、
グランドピアノを置くための部屋までつくってもらっても、
上手くなれなかった。
いふ
ないこ。その名前を聞くだけで腹が立つ。
ピアノ界の天才。そう呼ばれる彼は、コンテストの1位を独占していた。
自室に戻り、埃が被った電子ピアノを触れる。
ポロロン
儚い空気に包まれたその音色は、俺の気持ちを表していた。
自然と涙が出てくる。
いふ
1週間後に、コンテストの予選を控えている。
そのコンテストで、俺の将来が決まる。
落選したら、諦める。 コンテストのメンバーに選ばれ、良い結果を残す事ができたら、ピアノを続ける。
俺はピアノを続けたい。 だから、ピアノを頑張る
予選で俺が弾く曲はショパンの「華麗なる大円舞曲」
いふ
そして、日が過ぎて行った。
父
いふ
父
父
うるさい。父さんには何もわからないだろ
もう口は聞かない。うるさい。
りうら
初兎
いふ
いつもは我慢してしている悪口。
今日は我慢できなかった。
初兎
りうら
初兎
りうら
いふ
りうら
初兎
今日は最悪な日になりそうだ。
俺は練習を重ねた。
そして、コンテスト予選当日を迎えた。
コンテスト予選司会
ないこ
ないこが披露した曲は、ショパンの華麗なる大円舞曲。
俺と一緒だった。
ないこ
ないこのピアノの音色は、少しいつもと違った。
なんというか…下手…というか…
コンテスト予選司会
いふ
俺は震える手をおさえながらピアノの方へ向かった。
いふ
俺は今ある力の全てを注ぎ込み、ピアノを演奏した。
演奏している最中にないこの方をチラッと見ると、震えていた。
そして、小声でこう言った。
ないこ
〜後日〜
今日はコンテスト予選で選ばれた5人の発表だ。
コンテスト予選をしたのは20人。
俺はいつも落選して、コンテストに行けなかった。
コンテスト予選司会
いふ
コンテスト予選司会
りうら。コンテスト常連だ。 3歳からピアノをやっていたらしく、とてもうまい。
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
4人目までは常連だ。 あと1人、俺来い。 叶いもしない夢を祈る。
コンテスト予選司会
いふ
ないこ
コンテスト予選司会
いふ
ないこ
いふ
いふ
いふ
皆の視線を感じて顔を上げる
いふ
悠佑が首を縦に振った。
いふ
ほとけ
初兎
ないこ
ないこ
ないこ
コンテスト予選司会
ないこ
コンテスト予選司会
ないこ
コンテスト予選司会
ないこ
悠佑
ほとけ
初兎
りうら
皆がそう言って、拍手をした。
いふ
りうら
初兎
りうら
いふ
りうら
一方でないこは…
ないこ
ないこ
〜コンテスト当日〜
いふ
悠佑
いふ
いふ
悠佑
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
りうら
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
初兎
コンテスト予選司会
コンテスト予選司会
いふ
ほとけ
いふ
客席には、悔しそうに歯を食いしばっているないこがいた。
その後父は会社での不正がバレ、精神的に苦痛を感じ、鬱病になってしまった。
一方俺は、世界的に有名なピアニストになった。
少し前の暮らしとは、かけ離れ、幸せな暮らしをしている。
〜END〜
コメント
4件
初コメ失礼します! 少し感動しました😭 🤪くんは誰よりも頑張った甲斐があり、すごいなぁと思いました!!
やっぱり人によって個性があって、幸せも違いますね ストーリーお疲れ様です! 久しぶりですね