草薙理解
理解、なんてことを口走って……!
天童天彦
理解さん、何かお悩みですか?
草薙理解
!!天彦さ、先生……!
天童天彦
はい、何でしょう?
草薙理解
私……実はですね、母以外のじょ、女性と、数年振りに言葉を交わしたのです……。
天童天彦
おや……それは非常にセクシーですね。
草薙理解
それも先日、本を取ろうとした時に偶然……ッて、て、手が!触れてしまいまして……!
天童天彦
なるほど(Sexy)……
草薙理解
そ、そして今日ッ、再び偶然出会ったのです……
天童天彦
どのようなお話をされたのですか?
草薙理解
……文学本について、少々。
天童天彦
それは実にセクシーです……!
天童天彦
素晴らしい出逢いをなさったのですね……!天彦、感激です。
草薙理解
そ、それがですね
草薙理解
私理解、その方のあまりに綺麗な言葉遣いや仕草を目にして、思わず、“眩い”と口にしてしまったのです……
草薙理解
あぁ……なんて無礼な!
天童天彦
理解さん、何も無礼な事ではないですよ。
草薙理解
せ、先生……ですが!
天童天彦
理解さん。貴方の目には確かに、彼女が眩く映ったのでしょう?
草薙理解
は、はい……
天童天彦
その想いを心の内に秘めておくのもさらけ出すのも、理解さんの自由なんです。
草薙理解
僕の……自由?
天童天彦
はい。私天彦も一度として内なるセクシーを心に留めたことはありません。
いつの間にか半裸になっている天彦。
つっ込む気すら起きないほど、理解はその説得力に圧倒されていた。
草薙理解
……内なる、心
天童天彦
ですから理解さん、どうか恐れないでください。
草薙理解
ッ先生、ありがとうございます……!
天童天彦
いえ、当方世界セクシー大使ですので。
天童天彦
何かあったらまたいらして下さい。
草薙理解
はいッ、お世話になります……!
深々と頭を下げる理解。天彦の微笑からは、WSAの風格を感じざるを得なかった。
普段は鬱陶しい天彦の姿が、今回ばかりは神のご加護に見えたと理解は語った。