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イエローアパタイト

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イエローアパタイト

14 - イエローアパタイト14

♥

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2023年01月19日

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少し寄り道をして帰ってきたので 遅くなってしまった。

病院へ戻ると、黄先生はすぐに 部屋に入ってきた。

失礼します

少し遅かったですね

あ...はい

どこかに寄られたんですか

まあ...ちょっと

そうですか

体の方は大丈夫でしたか

はい...何ともありませんでした

よかったです

...どうされることにしましたか

治療...受けます

本当ですか!

よかったです!

はい...

......

...あの

...?

明日、もう一度だけ学校に行っても良いですか

......

...大切な方がいるんですよね

わかりました

良いですよ

...!

明日は治療の準備をしておきます

ありがとうございます...!

ですが...

...?

今日よりは少し早めに帰ってきていただけると嬉しいです

夕日が沈むころには、学校を出るようにお願いします

...わかりました

よろしくお願いします

...また何かあったら呼んでください

黄先生はそう言うと、 失礼しました、と部屋を出ていった。

きっと明日で赤に会えるのは 最後だろう。

この時間が永遠に続けば良いのに。

本当にそう思う。

だけど、赤の言った通り、 永遠なんてない。

俺の願いも、赤の願いも、 現実には勝てるわけがなかった。

次の日、俺は約束通り 屋上にやってきた。

赤の姿はまだないが、  とりあえずここで待つ。

桃くん!

赤!

数分経って、赤はやってきた。

すぐさま彼を抱きしめる。

出会ったあの日と全く 変わっていないはずの赤の体。

綺麗な赤髪。

美しいオッドアイ。

何一つ変わっていないはずなのに、 赤を想う気持ちだけが大きくなって、彼の体がより一層小さく感じられる。

抱きしめたその体が、少し冷えていた俺の体をそっと温めてくれている。

こんなに温かいのに。

こんなに、愛を感じるのに。

存在しないなんてまだ信じられない。

...本当に幽霊なの?

...w

本当だよ...w

嘘つかないって笑

そっか...笑

......

あの...

昨日は本当のことを教えてくれて

生きてほしいって言ってくれて

...本当にありがとう

あれは...俺の本心だから

こちらこそ、生きる選択をしてくれて、ありがとう

...大好き

俺も//

俺、赤のために治療頑張るから...!

お、俺のため...?

もちろん!

赤は、俺の命の恩人であり、永遠の恋人だから

...ありがと//

...離れたくないよ、赤

俺もだよ...

夕日が沈みかけている。

もう、時間がない。

...赤

手...出して

...?

来世で結婚しよう

...!

俺はそう言って、 昨日病院へ戻る途中に買った ダイヤモンドの指輪を赤の指にはめた

ダイヤモンド...?

先輩からもらったイエローアパタイトのネックレス、すごく大切にしてたから

イエローアパタイトの指輪と迷ったんだけど...

...俺は、“嘘”をついて赤と離れる必要なんてないから

...!

赤と“永遠の愛”を誓うよ

永遠の...愛...?ポロポロ

うん

この“ダイヤモンド”がその証

...!ポロポロ

ありがとう...!ポロポロ

愛してるポロポロ

俺もだよ

...永遠に

沈みかけの夕日が、赤の指に ピッタリとハマった永遠の愛の証を、より一層輝かせている。

俺はその輝きに背を向け、 来世に向かって一歩、歩き出した。

来世でも、愛し合おう。

この思いは、本当だよ。赤。

_______イエローアパタイト fin.

イエローアパタイト

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