未来に希望を描いた僕のモデルさん＿。

俺はなぜか隙あれば彼女のことを考えるようになった。

あー。早く1週間経ってくれよ。

そしたら、心配も思うこともなくなるのに。

授業がとてもめんどくさくなった。

なぜか、俺の視界に水色のものが映っていないと

どこか、淋しいような。

そんな思いも消し飛ぶよう

俺は授業をサボる為、先生に腹痛を訴えトイレに向かうことにした。

初めて授業をサボった。

別に罪悪感なんてこれっぽっちもないや

逆に言うと、解放された感がある。

あー。でも少し暇だな…

なんて、思いながらスマホを見ていると

一通のメールが来ていた。

彼女からだ。

俺は少し淋しい気持ちが晴れたような気がした。

一応既読だけしておいて、返事は返さなかった。

いや…返せなかったって言うのかもしれない。

だって、今入院中の彼女にどう言葉をかければいいか

どの言葉がダメでその言葉が良いのか俺には分からなかった。

『頑張る』って言うのはなんか違う気がするし

『君も頑張ってね』って言ったら十分に頑張ってるよ

って傷つけそうで怖かった。

………

二限目は頑張ろう。

その後、授業も部活も終えて家に帰る。

この時、後ろからいつも彼女と一緒にいる

茶髪の子とピンク髪の子の話し声が聞こえてくる。

でも、何かが足りない。

いや…何を思っているのだろう自分は。

あんな彼女と会ってから、1週間も経っていないと言うのに

彼女の事についてまだ何もわかっていないと言うのに

なぜこんなに求めようとするのか。

自分じゃわからない新たな課題になりそうだ。

部屋に戻って課題を早く終わらせよ…

なんて、思って部屋に戻ろうとした瞬間に母が俺を呼ぶ声が聞こえた。

沈黙が続いた。

俺は返事に困った。

彼女の事についてはまだ何も知らないし。

まだ会って間もない彼女の話？俺には関係がない気がした。

だけど、あの時彼女と一緒に遊んだ日のことを思い出した。

俺の腕を引っ張りながらこちらを振り向いて笑顔で「早く」と

俺を招いているような顔を思い出すと、あれはまるで

彼女が俺のことを求めているように感じた。

結構間が空いてしまったけど、俺は「いいよ」と答えた。

と、自分の娘かのように語り出したものだから

俺は少し、胸がキュっと締まった。

その後も彼女の話は続いた。

俺は少し飽きている事に気づいた母は、最後に一言だけ言った。

彼女の『カメラマン』…

ああ、そうか。

なぜ俺が彼女を求めるか…それは

彼女のカメラマンだからか…。