SCP-590 君の痛みを知る人
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私は部屋の中にいる少年に声をかける
見た目は至って普通で、10代くらいの子
まぁ、私と同じ施設にいるんだし普通ではないんだろうけど
私はこの SCP収容所 に来たばかりで、どんなSCPがいるのかいまいち分かっていない
SCP-509の部屋には、子供番組が流されているテレビだけが置かれておりそれ以外には何も無い
扉の隣には1人の警備員がいる
私は職員となり、仕事として590の所へ来た
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590は私の指に触る
すると、指の痛みはなくなっていた
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590のオブジェクトクラスはsafe
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それから私は、自分の体を痛めた時は必ず590の所へ行った
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私は仕事の途中で骨を折ってしまった
階段を急いで駆け下りたのがいけなかった
590に申し訳ないなぁと思いながら治癒されていく自分の足と、治癒してくれている590を交互に見る
治癒されていくにつれて590は顔を顰めていた
夕
私と話す時は笑ってくれる
その顔は、いつもと同じはずだった
私はいつからか、怪我がなくても590の所へ行くようになっていた
無意識に精神的な傷があって治されていた事もあったが、最近はただ590と話したいという理由だけで行動していた
ここの人達は私に厳しくする中、590だけは優しく笑いかけてくれた
今日も、私の目を見て笑ってくれる590の所へ行く
今日は警備員がいない
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そう不審に思いながら声をかけた
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返事が聞こえない
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私を呼びながら見せてくれた姿はとても痛々しかった
至る所に痣があり、普通の人ではありえないほどの血が出ていた
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590は私の言葉を聞かず部屋の奥へと消えていった
次戻ってきた時は傷が全て隠されていて、いつもと同じ笑顔だった
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そう放った590は、少し涙目だった
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590に好きを伝えた次の日
私は別の職務への異動が行われた
私に微笑んで、傷を治してくれる人はいなくなった
コメント
2件
えぇ…悲しすぎて…