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母
母
それが「母」という職業の日課だ
息子
息子
と言ってやらないのが息子の日課
どれも疲れる
けれど
息子
母
そう言ってたよってもらえるのが
何よりの嬉しみだったり
息子
寝ている息子の寝顔がとても可愛いと思ったり
母
母
と言っても
まだまだ働けたり
でもある日それが終わる日がくる
母
母
医師
医師
医師
医師
母
母
母
医師
医師
医師
母
母
母
母
母
母
息子
母
母
母
息子
母
それから1年たって
息子
息子
母
母
母
息子
母
母
母
息子の卒業服を見つめながら
優しい声で
母
母
それから私は倒れた
仕事中に
先生
息子
先生
息子
息子
医師
医師
息子
息子
仕事仲間
仕事仲間
仕事仲間
息子
息子
仕事仲間
それは母が中学の卒業式にも着ていった服だった
仕事仲間
とても欲しがっていた高いラケットもあったそのセットには紙があって
そこには手書きで
「卒業おめでとう」
「こんなものしか買ってあげられなくてごめんね」
「本当はもっと高いもの買ってあげようと思ったんだけど」
「お金が足りなくて」
「それとお父さんがいなくてごめんね」
「お母さんだけは苦労したよね」
「最後に」
「生まれてきてくれてありがとう」
「これからもよろしくね」
「春樹のこと大好きだよ」
「いつまでもパワフルな母より」
息子
息子
息子
息子
息子
息子
息子
息子
息子
医師
仕事仲間
それから俺は泣いた
ずーっと溜め込んでいたものを吐き出すように
それから1年たって母は死んだ
生死をさまよって
何度も生きようとしてたしその度に危険な状態になった
俺はもう大学生だった
息子
息子
息子
息子
息子
涙を拭って家を出た
友達
息子
友達
息子
「行ってらっしゃい」
「勉強とテニス頑張ってね」
俺にはいつも聞こえるあの優しい声が
聞こえた気がした