脳裏都市

真っ暗な景色の中、 複数の足音だけが響き

その後、鈍い音が聞こえたと思えば 外に放り投げられる...といった内容

なんだこれ...

というか、この通りに行くなら

あいつは今...？

スマホを取り出し、すぐに電話をかける

prrr...prrr...と、聞きなれた音の後

「おかけになられた電話は現在ー。」

と、相手が圏外にいる旨を伝えてきた

...まずい

これは...誘拐されてるな

と、考えると黒雷か...

焦りつつも事務所へ足を進める

あの後付けられて...って感じか

まずいな、黒雷とは関わりがない...

というか、早くしないとか

黒雷は人身売買を得意としてたはずだし

んー...あまり使いたくないのだが

裏組織の情報に関するサイトで 書き込んでみるか...

書き込み終え、いつものメモを開くと 黒雷の情報を探してみるが...

なにせ黒雷は最近出来た組織の為、 情報は"人数が少ない"しか無かった

悩んでいると、ノートパソコンから ピコン♪と軽快な音が鳴る

...もう来たのか？

「こんにちわ、連絡失礼します。」

「当方、黒雷と関わりがあるのですが なにせこんな所で情報を書けば 命を狙われてしまいますから」

「どこかで会って話しませんか？」

...なるほどな

男はその分を見ると、添付されている メールアドレスに連絡した。

「こんにちわ。先程はご連絡 ありがとうございました。」

「どこであって話しますか？」

そんな感じで、比較的スムーズに 会話を進めた。

そして当日指定された住所に向かう。

ここか...？

男は目の前の建物を見て 「あ...？」と不思議そうな声を出した。

この住所、学校か？

つまり提供主は学生...？

学生が黒雷とつるんでるのか...

最近の若者すげぇな...

門の前で悩んでいると、後ろから ガサ、と布が擦れる音がした

それに気づくと、すぐに 目を光らせ壁の奥を見据える

...あれは、提供主か？

相手は壁からチラリとこちらを 見ると、走って近づいてきた

名前を言おうとすると、先に 相手が口を開いた。

口元に人差し指を当て、 静かにするように指示してくる

ノゾカ...？

ハンドルネームがヘリコプターだから、 本名とかけ離れた名前を使ってるんだな

困ったな...学校の侵入って制服とか 用意しないといけないから大変なんだよ

んー、と男が手を顎に当てると、 女は言葉を続けた。

随分と用意周到だな...、

でも助かるのには変わりない、

と言って、至って普通の紙袋を 渡された。

路地？？？？？

相手の返事を待つと、男は そそくさと路地裏に行き、着替えた。

いや、それは分かってるんだが

んんんんんん

落ち着け銀枝ナギト...

これも任務遂行の為、

ぐっっっっ

だ、だが

...

ゲンナリと落ち込むナギトと相反して 女はハイテンションに歩き出す

恐らく、元の性格が明るいのだろう

門から入ろうとした所、 後ろから声をかけられた