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数日後 朝
『君、誰?』
あの日、病院で律に 言われた言葉が
今も胸の奥に冷たいトゲのように 刺さっている
幸い頭の傷は軽かったけど
律は ” 私に関する記憶 ” だけ 無くして今日から学校に復帰した
九条 叶和
九条 叶和
私の友達が心配そうに 私の顔を覗き込んできた
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
自分に言い聞かせるように 拳を握りしめた、その時
(ガララ……
教室の入り口に制服を 着こなした律が姿を現した
相変わらず整った顔立ちに 女子たちが色めき立つ
柚木 あおい
柚木 あおい
私は勇気を出していつものように 笑顔で声をかけた
だけど律は足をピタッと止めて
私をじっと見つめた後 困ったように眉を下げた
宮瀬 律
宮瀬 律
柚木 あおい
今までずっと『あおい』って 呼んでくれていたのに
『柚木さん』だなんて まるで他人みたいな距離感
宮瀬 律
宮瀬 律
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
引きつった笑顔を浮かべる私に
律は「そっか」と短く呟いて 自分の席へと通り過ぎてしまった
昼休み
私は購買で買った律の大好物の 『焼きそばパン』を手に
1人で中庭のベンチに座る 律の元へと向かった
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
差し出されたパンを見て 律は驚いたように目を丸くした
宮瀬 律
宮瀬 律
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
私は慌てて口を塞いだ
柚木 あおい
柚木 あおい
宮瀬 律
宮瀬 律
律はパンを受け取ると
どこか遠い目をして 一口かじった
宮瀬 律
宮瀬 律
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
私が少しおどけて見せると
律はふっと、記憶を失う前と 同じように意地悪く笑った
宮瀬 律
宮瀬 律
柚木 あおい
だけど目の前で笑う律の顔は 私の大好きな律そのものだ
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
柚木 あおい
その決意を秘めた私の視線に
律はふいにドクンと胸を押さえ 怪訝そうに顔を赤らめた
宮瀬 律
宮瀬 律
宮瀬 律
めると
めると
九条 叶和(くじょう とわ) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 高校2年生 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 周りをよく見ていて優しい いざと言う時はハッキリ言う 基本穏やか
めると
コメント
3件
「柚木さん」って呼ばれた瞬間の切なさが胸に刺さりました……。あんなに近かった人が「他人」みたいな距離感になるの、本人に悪気がないからこそ辛いですね。でも、焼きそばパンを手に笑顔で向かっていくあおいさんの強さに泣けました。記憶がなくても胸が苦しくなるって言った律くんの反応、まだ彼の中にちゃんとあおいさんがいるんだなって思えて、続きが気になります!