すみれ
二人は目を覚まし、自分の体の異変に気付き愕然とした。
体の内側から何か得体の知れない物が湧き上がってくる感覚があったからだ。
「まさか、また?」
「そんなはずはないわよ、だってあれはずっと昔の話でしょ?」
「でも、それ以外考えられないじゃない!」
二人の体はみるみると変化していき、やがてそれは人の形を留めないものへと成り果てた。
「どうしよう、これじゃあ外に出られない」
「それに私たちが人間だったころの記憶も薄れていっている気がするわ」
「うん、このままじゃいけないよね。何とかして止めないと」
「だけど一体どうやって止めるつもりなの?こんな姿になってしまったらきっと誰にも理解されないと思うけど」
「それでもやるしかないんだよ」
「……そうね」
こうして二人は記憶を失いながらも、なんとか自我を保ち続けようと抗い続けた。
しかしいくら足掻いても無駄なことだということを悟ったのか、二人は徐々に諦め
体の内側から何か得体の知れない物が湧き上がってくる感覚があったからだ。
「まさか、また?」
「そんなはずはないわよ、だってあれはずっと昔の話でしょ?」
「でも、それ以外考えられないじゃない!」
二人の体はみるみると変化していき、やがてそれは人の形を留めないものへと成り果てた。
「どうしよう、これじゃあ外に出られない」
「それに私たちが人間だったころの記憶も薄れていっている気がするわ」
「うん、このままじゃいけないよね。何とかして止めないと」
「だけど一体どうやって止めるつもりなの?こんな姿になってしまったらきっと誰にも理解されないと思うけど」
「それでもやるしかないんだよ」
「……そうね」
こうして二人は記憶を失いながらも、なんとか自我を保ち続けようと抗い続けた。
しかしいくら足掻いても無駄なことだということを悟ったのか、二人は徐々に諦め
すみれ
二人は永遠に生き続けるために星の記憶となり眠りにつく―――はずだった。
アオトは旅の中で出会った不思議な少女と出会う。
彼女は二人と同じく星の記憶となって眠るはずの存在だったのだが、 どういうわけか肉体を持っていたのだ。
彼女からもたらされた情報により、二人の体は奇跡的に蘇ることに成功。
それから二人は長い時を経てようやく目覚めた。
しかしそこに待っていたのは、滅びゆく世界の中、抗体に支配されたかつての文明の姿であった。
それは二人がかつて夢見た理想の世界とはかけ離れていたものだった。
それでも彼らは抗い続けた。
たとえどんな絶望的な状況でも諦めずに戦い続ければ必ず希望があると信じて―――。
これはそんな終わり行く世界で戦う少年少女の物語である。
******
***
プロローグ 西暦二〇一八年十二月二十四日 午後六時半頃。
とある街の小さな教会ではクリスマスイブを祝うミサが行われていた。
壇上に立つ神父は厳かに聖書を読み上げる。
「『神よ、あなた
アオトは旅の中で出会った不思議な少女と出会う。
彼女は二人と同じく星の記憶となって眠るはずの存在だったのだが、 どういうわけか肉体を持っていたのだ。
彼女からもたらされた情報により、二人の体は奇跡的に蘇ることに成功。
それから二人は長い時を経てようやく目覚めた。
しかしそこに待っていたのは、滅びゆく世界の中、抗体に支配されたかつての文明の姿であった。
それは二人がかつて夢見た理想の世界とはかけ離れていたものだった。
それでも彼らは抗い続けた。
たとえどんな絶望的な状況でも諦めずに戦い続ければ必ず希望があると信じて―――。
これはそんな終わり行く世界で戦う少年少女の物語である。
******
***
プロローグ 西暦二〇一八年十二月二十四日 午後六時半頃。
とある街の小さな教会ではクリスマスイブを祝うミサが行われていた。
壇上に立つ神父は厳かに聖書を読み上げる。
「『神よ、あなた
すみれ
二人を救う方法はないのか? 世界はどうなるんだろうね~(^ω^)ニコニコ
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
「人類は滅びようとしている。このままでは確実に滅ぶ。だから俺達は星を取り戻すことにした!」
突如現れた謎の美少女によってもたらされた宣言により人類の滅亡の危機が回避された――かに見えたが、実はそれは終末へのカウントダウンに過ぎなかったのだ!! 迫りくる破滅の運命に立ち向かえるのは選ばれし勇者だけ!? 果たして人類に残された時間はどれだけなのか!? 【登場人物】
○アオト(主人公)
ごく普通の高校生だったはずなのにいつの間にか異能の力を手に入れてしまった少年。
ひょんなことで出会った少女と共に世界の命運をかけた戦いに身を投じることになる。
ちなみに異能力を手に入れた経緯は『異世界』編にて語られている。
○アイリ=未来視の少女 自称女神を名乗る謎の美少女。
突然現れたと思ったら世界を救ってくれとお願いしてきた。
どうやら本当に神様らしいのだが……? ○サヤカ=炎を操る少女 アオトの親友にして幼馴染。
アイリから与えられた力で戦うことになる。
性格は明るくて前向きだが意外と頑固な一面もある。
アオトに対して並々ならぬ好意を抱いているようだがその真意は不明。
○コウタ=風使いの青年 アイリによって呼び出された風の精霊王と契約した青年。
基本的におっとりしたマイペースな性格でちょっと抜けているところがある。
※ネタバレ含みます。
【ストーリー】
「人類は滅びようとしている。このままでは確実に滅ぶ。だから俺達は星を取り戻すことにした!」
突如現れた謎の美少女によってもたらされた宣言により人類の滅亡の危機が回避された――かに見えたが、実はそれは終末へのカウントダウンに過ぎなかったのだ!! 迫りくる破滅の運命に立ち向かえるのは選ばれし勇者だけ!? 果たして人類に残された時間はどれだけなのか!? 【登場人物】
○アオト(主人公)
ごく普通の高校生だったはずなのにいつの間にか異能の力を手に入れてしまった少年。
ひょんなことで出会った少女と共に世界の命運をかけた戦いに身を投じることになる。
ちなみに異能力を手に入れた経緯は『異世界』編にて語られている。
○アイリ=未来視の少女 自称女神を名乗る謎の美少女。
突然現れたと思ったら世界を救ってくれとお願いしてきた。
どうやら本当に神様らしいのだが……? ○サヤカ=炎を操る少女 アオトの親友にして幼馴染。
アイリから与えられた力で戦うことになる。
性格は明るくて前向きだが意外と頑固な一面もある。
アオトに対して並々ならぬ好意を抱いているようだがその真意は不明。
○コウタ=風使いの青年 アイリによって呼び出された風の精霊王と契約した青年。
基本的におっとりしたマイペースな性格でちょっと抜けているところがある。
すみれ
二人を救うことが出来なかった後悔から、生きる目的を見失ったアオトは旅の途中で自殺を試みる。
だが死ぬ直前でサキとフィンネルに助けられた。
二人の助けを得て再び立ち上がったアオトは最後の希望である ティリアの復活方法を求めて旅立つ。
道中で出会う様々な人々との交流を経て、 ついにアオトたちは惑星意志が眠る場所へとたどり着くのだが――。
************
「あの時はごめんね。でも今はこうして生きてるから、それでいいじゃない?」
「うん。そうだよね!」
「これからもずっと一緒だよ。離れないよ」
「約束だからねっ」
「ふふっ、じゃあ指切りしようか」
「うん!」
(あれ?ここはどこ?)
「やっと起きたみたいだね」
「誰ですか!?ここは一体……それに君は……」
「俺は君の中にあった記憶の一部。君が忘れた過去。そして君が思い出すことを拒んだ未来の記憶だ」
それはまるでSF小説のような話だった。でも不思議と信じられた。
なぜなら目の前にいる少年はとても優しくて、そしてどこか懐かしかったから。
「どうしてそんなものが俺の中に?」
「分からない。だけどきっと君は覚えていないだけでずっと前からいたんだと思うよ。ただ見えていなかっただけなんだ」
「そうなんですね……それでこれからどうすればいいですか? 正直何をして生きればいいのか分からなくて困っているんですよね。だから何かしらアドバイスとか貰えるとありがたいのですけど
だが死ぬ直前でサキとフィンネルに助けられた。
二人の助けを得て再び立ち上がったアオトは最後の希望である ティリアの復活方法を求めて旅立つ。
道中で出会う様々な人々との交流を経て、 ついにアオトたちは惑星意志が眠る場所へとたどり着くのだが――。
************
「あの時はごめんね。でも今はこうして生きてるから、それでいいじゃない?」
「うん。そうだよね!」
「これからもずっと一緒だよ。離れないよ」
「約束だからねっ」
「ふふっ、じゃあ指切りしようか」
「うん!」
(あれ?ここはどこ?)
「やっと起きたみたいだね」
「誰ですか!?ここは一体……それに君は……」
「俺は君の中にあった記憶の一部。君が忘れた過去。そして君が思い出すことを拒んだ未来の記憶だ」
それはまるでSF小説のような話だった。でも不思議と信じられた。
なぜなら目の前にいる少年はとても優しくて、そしてどこか懐かしかったから。
「どうしてそんなものが俺の中に?」
「分からない。だけどきっと君は覚えていないだけでずっと前からいたんだと思うよ。ただ見えていなかっただけなんだ」
「そうなんですね……それでこれからどうすればいいですか? 正直何をして生きればいいのか分からなくて困っているんですよね。だから何かしらアドバイスとか貰えるとありがたいのですけど
すみれ
二人きりの世界
(完)
作者より一言。お疲れ様でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
本作は「二人の少女の命を救うために少年が奔走する物語」でしたが、いかがだったでしょうか? もし少しでも面白いと思っていただけたなら、是非評価していただけると嬉しいです! また本作が気に入った方は、フォローや★評価をしていただいて構いません。
応援コメントやレビューなどもどしどしお待ちしております! それでは次回作でお会い出来る日をお楽しみにしておきますね!それじゃあ皆さんまた会う日まで!!(*'ω'ノノ"☆パチパチ
「なんでこんなことに……」
俺は今年受験を控えた高校三年生。成績は中の下ぐらい。運動はあまり得意ではないから部活にも入っていない。いわゆる陰キャである。
そんな俺がいまいる場所は教室でも自分の部屋でもない。見知らぬ草原の中にポツンとある真っ白な空間にいるのだ。周りを見渡しても何もない。ただ白いだけ。ここがどこなのかもわからない。わかることはひとつある。それは……
「異世界転生したのか?」
そう呟いた時だった。
「よくわかりましたねぇ!」
いきなり声が聞こえてきた。後ろを振り向くとそこには綺麗なお姉さんがいた。
「こんにちは〜。突然だけど君は死んでしまいました〜」……はい?死んだ?何を言っているんだろう。もしかしてドッキリかなにかか?
「あの〜、もしもしぃ。聞いていますかぁ?」
どうしよう。とりあえずここは冷静に対処しないと。まずは相手の出方を伺おう。
「すいません、ちょっと混乱してまして……。
(完)
作者より一言。お疲れ様でした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
本作は「二人の少女の命を救うために少年が奔走する物語」でしたが、いかがだったでしょうか? もし少しでも面白いと思っていただけたなら、是非評価していただけると嬉しいです! また本作が気に入った方は、フォローや★評価をしていただいて構いません。
応援コメントやレビューなどもどしどしお待ちしております! それでは次回作でお会い出来る日をお楽しみにしておきますね!それじゃあ皆さんまた会う日まで!!(*'ω'ノノ"☆パチパチ
「なんでこんなことに……」
俺は今年受験を控えた高校三年生。成績は中の下ぐらい。運動はあまり得意ではないから部活にも入っていない。いわゆる陰キャである。
そんな俺がいまいる場所は教室でも自分の部屋でもない。見知らぬ草原の中にポツンとある真っ白な空間にいるのだ。周りを見渡しても何もない。ただ白いだけ。ここがどこなのかもわからない。わかることはひとつある。それは……
「異世界転生したのか?」
そう呟いた時だった。
「よくわかりましたねぇ!」
いきなり声が聞こえてきた。後ろを振り向くとそこには綺麗なお姉さんがいた。
「こんにちは〜。突然だけど君は死んでしまいました〜」……はい?死んだ?何を言っているんだろう。もしかしてドッキリかなにかか?
「あの〜、もしもしぃ。聞いていますかぁ?」
どうしよう。とりあえずここは冷静に対処しないと。まずは相手の出方を伺おう。
「すいません、ちょっと混乱してまして……。







