テラーノベル
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《あるところに、》
「人は、どうして小説を書くのか?」
答えとして、
『誰かに認めてもらいたいから』
だと、私は考えてきた
そのために、人は素晴らしい作品を作ろうとする
賞賛されれば、素晴らしい作品
罵倒されれば、下手な作品
結果、観衆は努力を認めない
それを知った上で、小説家は
小説を書き続ける
それは、
いつかきっと賞賛されることを信じているわけでも
努力を認めてくれる人が居ると思っているわけでも
賞賛されることを諦めたわけでもない
ただただ、自分の書いた素晴らしい作品を
誰かに見てもらいたいから
たった一つ、それだけの為に
きっと小説家は、これからも罵倒されるだろう
賞賛されることはないだろう
いつか、見てもらうこともなくなるだろう
小説家の願いを、聞き届けてくれる物はいないだろう
そんな小説家の、一つの夢
永遠に見ることのできない、儚い夢
人の個性を見抜けない小説家
と
人の感情を読み取れない小説家
2人が共に、同じ道を歩めるように...