テラーノベル
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氷の通路は、異様な程静かだった。 …足音だけがやたら大きく響く。
三輪 朝日見
壁も天井も、すべてが氷で覆われている…だが、ただの氷ではない。内側に、「何かが閉じ込められている」ような気配があった。
向日葵は、無意識のうちに自身の手を握りしめていた。
夏目 向日葵
冬宮 雪乃
後ろを追っていた雪乃が前に出て、そう言った。
その声は落ち着いていた、…気味が悪くなるほど。
恍月 可不
桐谷 柊
全員の視線が一瞬で一点に集まる。
そこに立っていたのは、一人の少女だった。 長い髪が氷の光を反射し、淡く揺れる。
その姿を見た時、向日葵は動揺を隠せなかった。
夏目 向日葵
夏目 向日葵
少女がゆっくりと振り返り、こちらに微笑んだ。
???
その声は、向日葵にとって家族と同じくらい聞いた声。 …間違いようがない。
夏目 向日葵
花桜歌音。 向日葵の幼馴染であり、旅が始まる少し前に行方不明になった者である。
夏目 向日葵
思わず一歩踏み出す。 だが、その腕を掴んだ。
樹狭霧 苗斗
その言葉に、向日葵はハッとした。
確かに、彼女は笑っている。 けれど…その笑顔はどこか空虚だった。
夏目 向日葵
言葉は途中で止まった。
…歌音の瞳がゆっくりと細められる。
花桜 歌音
花桜 歌音
彼女は、まるで雑談をするかのような軽さであっさりと核心を突いてきた。
恍月 可不
彼女は、軽く笑い答えた。
花桜 歌音
一歩、こちらへ踏み出してくる。
足音が、やけに大きく響いた。
花桜 歌音
花桜 歌音
時間が止まったかのような静寂が場を支配した。
三輪 朝日見
樹狭霧 苗斗
夏目 向日葵
静寂を突き破る向日葵の怒号。
彼女の声は、普段の彼女からは考えられないほど低く…震えていた。
夏目 向日葵
夏目 向日葵
夏目 向日葵
花桜 歌音
花桜 歌音
歌音の首を傾げる姿は、昔と何一つ変わらなかった。
花桜 歌音
歌音が両手を広げる。 …辺りの空気が歪む、氷が軋む音を立てた。
花桜 歌音
三輪 朝日見
明確な敵意が見えた。 皆、一斉に武器を構える。
それでも、向日葵だけは動けなかった。
夏目 向日葵
夏目 向日葵
絞り出したような声が漏れる。
それでも、歌音は楽しそうに笑うだけだった。
花桜 歌音
一歩、また一歩と近づいてくる。
花桜 歌音
その言葉は、向日葵には残酷すぎた。
向日葵の脳裏に、昔の記憶が蘇る。 笑っていた日々、何気ない会話、一緒に過ごした時間。 それらは…今目の前の現実と全然噛み合わない。
樹狭霧 苗斗
樹狭霧 苗斗
夏目 向日葵
夏目 向日葵
…一瞬、ほんの一瞬だけ歌音の表情が揺らいだ。
だが、次の瞬間には元の笑みが戻る。
花桜 歌音
空気が変わる。 戦いの気配が、静かに満ちていく。
それでも、向日葵はリボルバーの引き金を引けなかった。
夏目 向日葵
夏目 向日葵
花桜 歌音
花桜 歌音
その瞬間、圧倒的な「何か」が場を支配した。
花桜 歌音
彼女が隠していた殺気が解き放たれる。
戦いの火蓋が…今、切って落とされようとしていた。
第12話、終わりました!!
ここから重要な場面が大きく増えていくでしょうね…
歌音は本当に大罪の悪魔なのか、そもそもあの雪乃って何者?
沢山考察してくれると嬉しいです♪
それといいねとコメント、マイリスト登録などをしてくれたら嬉しいです!!
それでは👋
第十二話「居る筈の無い」 2026年4月20日完成 2026年4月21日投稿
コメント
4件
向日葵さんが問い詰めたときに動揺したのはポイントなのかもですね 曇らせ大好きなので嬉しいです...() 次回も楽しみにしてます!
私は名前的にも雪乃さんが怪しいと思っているのですが…まぁミスリードの可能性もありますかね…? どちらにせよ、花音さんが行方不明になってしまった理由が気になります。続きが楽しみです!
本日のメモ書き<時計塔の裏話その2 うちの子は曇らせたら曇らせるほど輝くのだよ。