トーマ
今思えば、すべての始まりはここだった
いつものように、何気なく過ぎ去っていた時間が、このとき…変わった
いつも通りの時間が流れる
私の名前は、神里やえ
ここ、社奉行神里家の養女
もちろん、養女だからと言って一度も除け者にされたことやいじめられたことはない
綾人お兄様や綾華お姉様にはすごく良くしてもらっている。
もちろんトーマお兄ちゃんにも
ただ、強いて一つだけ願望を述べるなら、外に出てみたいということ
私は、ここに預けられてからほとんど外に出たことがない
いや、正確に言えば外に出ることを禁止されていた
たまに、前に何回か抜け出したことはあったけど
鎖国令が敷かれてからは尚更、家の中で過ごすようになった
それからも綾人お兄様に口酸っぱく、外に出ないでって言われたんだ
最近までは我慢できたけど……
やえ
この人達が稲妻に現れてから、少しずつ外に対する好奇心が強くなっていた
やえ
私も会ってみたいな…
手に持っていた娯楽小説を床に置いて、部屋を出る
目指すは綾人お兄様のところ
コンコン…ガラガラ
やえ
綾人
相変わらず、綾人お兄様の部屋にはたくさんの書類がある
やえ
綾人
やえ
綾人
えっ、会ったことあったの…?
やえ
綾人
やえ
綾人
やえ
私がそう言うと、綾人お兄様はなんとも言えない表情で考え込む
綾人
綾人お兄様は何かを呟いたあと、私に目線を合わせる
やえ
綾人
やえ
やえ
パタパタ…ガラガラ!
綾人
綾人
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