中也
太宰は、何の前触れもなく 俺の前から消えた。
いつもお互い顔を合わせる度 喧嘩ばかりで
アイツの嫌な所なんて言い出したらキリが無い。
双黒として、相棒としてこれまで 組んできたのだって、首領の命令だ。
太宰が視界に入る度殺したくなる。
太宰が息を吸うたび嫌悪が増す。
太宰と一緒にいるだけで 吐き気がする。
離れたいと願った事は 数え切れない程あったとして
一緒に居たいなんて願った事は ただの一度だって無い。
それなのに……
中也
中也
中也
中也
中也
深いため息と共に薄れる 意識の中
頭に思い浮かぶのは太宰の 顔だった。
立原
中也
中也
中也
立原
立原
立原
立原
広津
広津
広津
立原
立原
中也
気のない返事とも取れる声を返し 中也は
半ば強引にタクシーに乗せられ 一人帰路へついた。
ガチャッ
中也
乾いた音を立てて開いたドアに 入ると
アルコールで熱くなった身体を 冷ますように上着を脱いだ。
中也
棚から取り出した葡萄酒とグラスを手に取り、ソファに腰掛ける。
太宰が居なくなったのは、丁度一年前の今日だ。
太宰が消えたその日から しなくなった酒の味など
もう忘れてしまっていた。
それでも味のしない不味い酒を 煽るのは、考えない様にする為だ。
胸の奥で広がり続ける孤独から 目を逸らし
逃げ続けるために酒を煽る。
ふと、ポケットから携帯を 取り出した。
太宰が居なくなってから、酒では 誤魔化し切れない寂しさを
誰かと話す事で紛らわすのが 癖になっていた。
開いた電話帳から適当に番号を 押す。
プルルル─プルルル──ッ
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
中也
そこまで言って気が付いた。
自分のこの気持ちは何なのか。
この孤独は…寂しさは… 胸に空いた穴は……全部………
中也
ズルリとソファから腰が落ち、 顔が段々と熱を帯びていく。
今初めて自覚した感情は行き先を 見失い
誰に言うでもなく虚空を彷徨う。
中也
中也
中也
コメント
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( ˇཫˇ ) グッッッッッッ!!!!!!!!!! 好き!!!!!!!!!!!!!!あぁぁぁあぁぁぁ!!!!!! ꒰ঌ( ´ཫ`)b໒꒱トウト、イ