みなみ
ちょ……っと、
みなみ
こんにゃくっ……、
こんにゃく風雅くん
…
みなみ
こんにゃくくんってばっ…!!
こんにゃく風雅くん
…
みなみ
っ…離してよ!!
無理矢理掴まれた腕を振りほどくと、
案外すぐに離れた。
強く握られた右手首を左手で抑え、
少し摩る。
…強引すぎる。痛い。
ちょっぴりヒリヒリするのを我慢しながら、
私の方を見ようと振り返りもしないこんにゃく風雅くんの背中を睨み付けた。
みなみ
…何でなにも言わないの?
こんにゃく風雅くん
…
みなみ
拓ちゃんの前では話せない事?
こんにゃく風雅くん
…
みなみ
鈴木さんの事、
みなみ
…いつ話してくれるの?
こんにゃく風雅くん
…
みなみ
私達友達じゃなかったの?
みなみ
拓ちゃんにも私にも、
みなみ
何も話さず避けるなんてさ…
"いつ話してくれるんだろうって待ってたのに"
そういうと、急に振り返って
今まで見てきただるそうな目とは別に、
冷たい目で、
"別に、避けてた訳やない"
と、変わらず低い声で言った。
みなみ
避けてた訳じゃないって、
みなみ
…じゃあ何なの?
みなみ
お昼とか、
みなみ
いきなり一緒に食べられなくなって、
みなみ
先着あるからってふらふら行っちゃって…
こんにゃく風雅くん
深い意味は無いねん
みなみ
だったら私達と食べたら良かったじゃん!!!!
こんにゃく風雅くん
…ちゃう、くて、
みなみ
私達、…
みなみ
こんにゃくくんと鈴木さんが付き合ってるかもっていう噂聞いて、
みなみ
不安になって、
みなみ
でもすぐ事情説明してくるんだろうなって待ってたのに!!!
こんにゃく風雅くん
……
みなみ
何で、
みなみ
…何で話してくれないの?
みなみ
何で私だけを連れ出して拓ちゃんは置いてくの?
ひゅー
と屋上に冷たい春風が吹く。
いつもなら凍えるくらいの風なのに、
今は全く…
気にしてられない。
こんにゃくくんだけに集中して、
目を逸らさない。
話して欲しい。
ちゃんと説明して欲しい。
苦しくて泣いた……
何て言わないけど、
それなりに悩んだし。
じわっと目の前が歪む。
色々考えてたら、
また泣きそうになってきた…。
下向いたら涙零れちゃうから、
上向いてなきゃ。
必死に涙を堪えていると、
すっと腕が伸びてきて、
"聞いて"
と大きな手が頬にくっ付いた。
こんにゃく風雅くん
噂聞いて、
こんにゃく風雅くん
どう思ったん?
みなみ
…は、
みなみ
…私は今、
みなみ
説明してくれって……!!!
こんにゃく風雅くん
聞きたいねん。
こんにゃく風雅くん
どう思った?
みなみ
…
どう思った………って
みなみ
よく…
みなみ
分からないよ…、
みなみ
…私も、