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恋のかたち

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恋のかたち

7 - P.7「夢のはなし」

♥

49

2021年05月08日

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~鏡~

8月16日

___________________

またいつもの通り

俺は花凜と過ごしてる。

吉田椿樹

どうできたか?

平井花凜

なんとか……

平井花凜

助かったわ

吉田椿樹

意外だな

吉田椿樹

書類整理とか得意そうなのに

数字が絡むもんとか苦手なんだな……

平井花凜

よく言われるんだけど、不思議で仕方ないわ

平井花凜

会計担当くらい作ったどうなのよ!

吉田椿樹

別に1人でやれって言ってないだろ

吉田椿樹

だから協力してんじゃん

平井花凜

椿樹は1人でできてたじゃない

言いにくいから言わなかったけど

花凜は相川さん以外とは

あんまり関わりがないらしい。

吉田椿樹

花凜

吉田椿樹

クラスのやつとちゃんと話してるか?

平井花凜

挨拶はしてる

吉田椿樹

なんて呼ばれてる?

平井花凜

平井さん

困ったなぁ……

花凜が良しとするならって思ってたけど

本格的に心配だ。

平井花凜

心配しなくても

平井花凜

いじめられたりはしてないから

吉田椿樹

うん

それはわかってる。

そうゆうことならとっくに

どうにかしてる。

平井花凜

ねぇ、それより

吉田椿樹

ん?

平井花凜

手、どうしたの?

平井花凜

傷増えた

吉田椿樹

ああ、これ?

吉田椿樹

ちょっとドジってさ〜

吉田椿樹

じゃあ今日はもう帰ろうかな……

なんでこう鋭いかな……

他のことは割と鈍いのに

平井花凜

ちょっと!

平井花凜

待ちなさい!

平井花凜

前も同じこと言って逃げたでしょ!?

吉田椿樹

ちょちょちょ離せぇ

吉田椿樹

あっ……!

平井花凜

え……何これ衣装?

しまった!カバン空きっぱだった!

吉田椿樹

あーーー!!!!

吉田椿樹

ネタバレ禁止って言われたのに!

平井花凜

可愛い……ドレス?

やっちゃった……

俺に恋以外の隠し事は向いてないらしい。

吉田椿樹

バレちゃったらもう仕方ないか

吉田椿樹

そう

吉田椿樹

作ってんの

平井花凜

ちょっとほつれてるけど

吉田椿樹

え、嘘

吉田椿樹

ほんとだ!

吉田椿樹

上手くいかねーな

平井花凜

あれ、主役やるんじゃなかったの?

吉田椿樹

あ、やだって言ったよ

吉田椿樹

王子役やってって言われたけど

吉田椿樹

彼女いんのに恋人役はやだって

出てもいいけど……

半分嘘で半分本当。

俺は他にやりたい役職があった。

平井花凜

なるほどね

吉田椿樹

俺はちょい役

平井花凜

出るのね

吉田椿樹

どうしてもって言うから……

吉田椿樹

でも衣装やりたいから

吉田椿樹

衣装やらせてもらえるならって

それで最近作ってたけど

中々上手くいかない。

平井花凜

それで針刺したよね?

吉田椿樹

糸絡むとダメらしい

平井花凜

糸のせいじゃないでしょ

吉田椿樹

ミシンやっても絡むんだ奴は

平井花凜

奴って言わないの

吉田椿樹

だって〜

平井花凜

手伝うわ

吉田椿樹

いいのか?

吉田椿樹

クラス違うのに

平井花凜

いいんじゃない?

平井花凜

ダメなんて決まりはないでしょ

非常に助かるけど

待ってくれ。

まだ、心の準備が……

平井花凜

その前に

吉田椿樹

え?

平井花凜

傷の手当からね!

平井花凜

消毒した!?

吉田椿樹

し、てないけど

平井花凜

ほら行くわよ!

花凜は真っ直ぐだ。

恋には臆病だけど

明るく俺の手をひいて

突き進んでいく。

吉田椿樹

ふはっ

吉田椿樹

わかったよ!

花凜の手のひらはあったかくて好きだ。

___________________

時々思う

もし物語の世界なら

真実の鏡は花凜のことを

きっと美しいプリンセスに映し出すだろう

多くの王子は花凜を探すけど

誰も彼女の気持ちには触れられない

彼女が愛してるのは美しい姫だから。

~理想と夢~

8月16日

___________________

全部バレた。

吉田椿樹

先生いないじゃん

平井花凜

大会にくっついてったのかな……

吉田椿樹

ふーん

平井花凜

ま、あたしがやるわそのくらい

平井花凜

見せて、手

平井花凜

で?今朝も来てたの?

平井花凜

なのに、あたしの家まで来たの?

平井花凜

バカね、ほんと

吉田椿樹

はは

吉田椿樹

痛い痛いあだ!

吉田椿樹

消毒かける時言って!

平井花凜

嫌よ、めんどくさい

かずにしか言ってないこと

花凜に話さなきゃ。

吉田椿樹

なんでちょっと刺しただけで……

平井花凜

ちょっとじゃないわ

平井花凜

何回も深く刺してるのにほったらかしにしたんでしょう?

吉田椿樹

うっ

平井花凜

針刺して化膿するなんて

平井花凜

初めて見たわよ

吉田椿樹

仕方ないだろー!

吉田椿樹

苦手なんだよ!

怖い。

知られるのが怖い。

平井花凜

とりあえずこれでよし

吉田椿樹

ありがとう……

平井花凜

あなたって

平井花凜

人のことばっかで自分のことはズボラね

だって別にどうでもいいから。

平井花凜

どうでもいいなんて言っちゃダメよ

平井花凜

大切にしなきゃ

吉田椿樹

え……

吉田椿樹

言ってない

平井花凜

顔に書いてあるのよ

吉田椿樹

……

吉田椿樹

わかったよ

花凜には叶わない。

平井花凜

椿樹は素直で可愛いわね

吉田椿樹

はー?

吉田椿樹

可愛くねぇし!

平井花凜

なんかもうひとり弟できたみたい

吉田椿樹

姉ちゃんか

平井花凜

なんで嬉しそうなの

吉田椿樹

あ……

平井花凜

そうゆうとこよ

確かに花凜は姉ちゃんみたいだ。

頼りがあるし。

平井花凜

でも少し安心しちゃったわ

吉田椿樹

何に?

平井花凜

あなた何でもできちゃうけど

平井花凜

苦手なこともちゃんとあったんだって

吉田椿樹

あ〜糸ね

平井花凜

裁縫ね

平井花凜

あなたも人間よね

吉田椿樹

そうだよー!

そうだよ、俺だって

できないことや語りたくない過去の

一つや二つある。

平井花凜

それじゃ

平井花凜

家庭科室行く?

吉田椿樹

いや待って……!

大丈夫だ。

絶対笑ったりしない。

花凜はそうゆうやつじゃない。

わかりきったこと。

怖くなんてない。

平井花凜

何、どうしたの?

吉田椿樹

見てほしいものがある

平井花凜

スケッチブック……?

俺の好きなもの。

バカになんてしない。

平井花凜

え、これ衣装……?

平井花凜

の、絵……?

吉田椿樹

そう

吉田椿樹

演劇はさ、物書き好きな子が

吉田椿樹

シンデレラを改変して書いてくれたんだ

吉田椿樹

その世界観に合わせて衣装は……

吉田椿樹

俺がデザインしたんだ

たったこれだけのこと。

それに必要な勇気を

空気と一緒に吸い込んで

蘇るトラウマを押さえ込んで

飛び込んだ。

平井花凜

可愛い……!

吉田椿樹

ほんと……?

平井花凜

凄い……!

平井花凜

あなたこんな才能があったの!?

ほら、大丈夫だった。

吉田椿樹

才能とかでは……

平井花凜

でも、凄い!

平井花凜

凄いしか言えない……!

平井花凜

特にこのドレス可愛い!

吉田椿樹

嬉しい……

優しい顔して

楽しそうに見てくれてる。

平井花凜

これを作ろうとしてたのね!

平井花凜

ネットから引っ張り出して来たのかと

吉田椿樹

さっきのドレスはシンデレラのドレス

平井花凜

この絵のやつね!

大丈夫。

吉田椿樹

うん

吉田椿樹

あと作る予定はないんだけど

吉田椿樹

花凜綺麗だからつい

吉田椿樹

似合いそうなドレス書いてて

大丈夫だ。

平井花凜

え、これ?

平井花凜

可愛い、けど

平井花凜

こんなの着れない

平井花凜

あたし、綺麗じゃないし

吉田椿樹

絶対似合う

吉田椿樹

花凜は綺麗だよ

平井花凜

あ、ありがとう

大丈夫なはず。

平井花凜

ねぇ、どうしたのよ

平井花凜

なんで泣きそうなの

吉田椿樹

誰かをモデルにデザインなんて

吉田椿樹

したことなくて

平井花凜

それでなんで……?

自分で理解できない。

こぼれ落ちる涙が沢山書いた

服たちにかかってしまう。

平井花凜

あっぶない!

平井花凜

せっかく書いたのに

平井花凜

濡れちゃったらもったいないわ

吉田椿樹

わかんないけど

吉田椿樹

嬉しいのは確か

震える声に止まらない涙。

花凜が戸惑ってる。

どうしよう。

平井花凜

人が来ないことを願うわ

吉田椿樹

ごめん

平井花凜

大丈夫よ

平井花凜

大好きなのね

吉田椿樹

うん

平井花凜

服をデザインすることが

平井花凜

夢なの?

吉田椿樹

夢……

かずにはそう言ったけど

自信持てない。

正直わからない。 

平井花凜

素敵な夢ね

平井花凜

応援するわ

吉田椿樹

俺裁縫できないのに?

平井花凜

別に作る方なら

平井花凜

雇えばいいじゃない

吉田椿樹

そっか

平井花凜

それとも

平井花凜

他に何か思うところがあるの?

花凜は鋭いな。

いや、俺がわかりやすいのか。

突然泣き出したりするから……

吉田椿樹

そうかもな

平井花凜

そしたら

平井花凜

それがなくなるまで

平井花凜

一緒にいてあげるわ

花凜は変だ。

それが嬉しく感じる

俺はもっと変だ。

吉田椿樹

何それ

吉田椿樹

俺の真似?

平井花凜

そうよ

平井花凜

あたしは椿樹に沢山救われてる

平井花凜

その分ちゃんと返したい

平井花凜

ただ、それだけよ

優しくするな。

気づいてるよ。

気づいてるのに

また見て見ぬふりすることになる。

ダメだもうやめないと

取り返しがつかなくなる。

___________________

俺たちは

この関係に

ずっと前から依存してる。

~ムラサメ~

9月2日

___________________

気まずい。

何話せばいいんだろうか。

吉田椿樹

はぁ……

そんなことばっか考えてる。

相川純恋

吉田くん、そこ邪魔

吉田椿樹

あ、ごめん

夏休みも遊んだり話し合いしたり

しょっちゅう会ってたけど

流石に久しぶりに感じる。

相川純恋

ねぇ、なんかあった?

吉田椿樹

ん?

相川純恋

絶対なんかあったよね

吉田椿樹

なにがー?

相川純恋

しらばっくれんな

相川純恋

夏休み、ほぼ一緒にいたでしょ

相川純恋

かりんと

吉田椿樹

手伝いもしてもらったし

吉田椿樹

デートもいったよ

相川さんは花凜より鋭いから

絶対隠し事できない。

相川純恋

じゃあ何?

相川純恋

夏休み明ける直前に喧嘩でもした?

吉田椿樹

してないしてない

相川純恋

じゃあなんでさけてんの?

吉田椿樹

さけてないよ

吉田椿樹

あ、相川さん部活は?

質問攻めくらう前になんとかして

逃げたい。

相川純恋

今日はオフですー

終わった。

相川純恋

じゃあなんで今朝

相川純恋

初めてお迎え行かなかったの?

吉田椿樹

寝坊したんだよ

吉田椿樹

だから1人で行ってもらったの

相川純恋

ダウト

相川純恋

和雪が見かけたって

相川純恋

朝練来る時

吉田椿樹

ああ……

かずううううう!

相川純恋

嘘だよ

相川純恋

和雪には何も聞いてないよ

吉田椿樹

ああ……

かまかけられた。

相川純恋

何があったか教えてよ

吉田椿樹

何もない

相川純恋

ほんとに?

相川純恋

じゃあなんでさけてるの?

吉田椿樹

気まずい

相川純恋

なんかあったからじゃないの?

もう、そんなに花凜が好きなら

いっそ……

吉田椿樹

ほら、大雨振降った後って

吉田椿樹

歩きにくいじゃん

吉田椿樹

それ

相川純恋

どれ

吉田椿樹

泣いてるとこ見られて

吉田椿樹

今更恥ずかしくなった!

相川純恋

はぁ?

いっそなんだよ。

"好き"の気持ちが違うこと

1番わかってるの俺じゃん。

1番わかってやれるの俺じゃん。

何考えてんだ。

吉田椿樹

そうゆうことです

相川純恋

もうー!

相川純恋

バカか!

相川純恋

そんなことで

吉田椿樹

そんなことじゃない!

小さな変化に気づくのに

なんで"好き"じゃないんだ

相川もかずも。

相川純恋

ま、安心した

相川純恋

別れるのかと

吉田椿樹

いや……

相川純恋

かりんは吉田くんといると

相川純恋

よく笑うんだよねー

吉田椿樹

それならよかった

相川純恋

女の子は笑顔が1番だから!

そうだよ。

1番だよ。

だから今すぐ俺から離れてくれ。

鈴木和雪

すみれ何してんの

鈴木和雪

今日デートでしょ

相川純恋

あ、和雪

吉田椿樹

お疲れ、かず

鈴木和雪

おう

めっちゃ怒ってる

たぶん嫉妬してる。

なんで好きな人の嫉妬先俺なんだよ。

嫉妬先ってなんだよ!

相川純恋

なんで吉田くん暴れてるの?

吉田椿樹

なんでもない

吉田椿樹

さっさとデートでもなんでも

吉田椿樹

いけー!

相川純恋

変なの

鈴木和雪

椿樹はわりといつも変だ

吉田椿樹

うるさいな!

大体お前のせいだよばーか!

相川純恋

じゃまたねー

鈴木和雪

じゃまた明日

吉田椿樹

うるさいな……

未だに心臓の鼓動がうるさいな。

それがまだ"好き"を証拠づけるみたいに

ずっとうるさいまんま。

吉田椿樹

嵐が去ったみたいだ

平井花凜

いた!

平井花凜

電話してたのよ、出てよ

吉田椿樹

ごめん、気づかなかった

平井花凜

今日前に言ってたお店行くんでしょ?

吉田椿樹

いくいく

花凜見て落ち着くなんて

酷い現実だ。

平井花凜

あの店高いけど大丈夫かな

吉田椿樹

別に買わなくても見るだけ見て回ろうぜ!

平井花凜

そうね

平井花凜

でも可愛い服あったらほしいわ

吉田椿樹

じゃあ買おうか俺が

平井花凜

すぐお金払おうとしないで

吉田椿樹

え?なんで?

平井花凜

なんでも何も……

平井花凜

あの店すみれに似合う服

平井花凜

いっぱいありそう

吉田椿樹

そうだな〜

でも、やっぱり俺たち

"好き"なんだ

まだ

好きな人が。

~勇気と夢~

10月14日

___________________

二学期の中間考査が

明日待っている。

というわけで

鈴木和雪

ああもう何もしたくない

相川純恋

私も……

平井花凜

まあ、よく頑張ったよね皆

吉田椿樹

花凜もな

毎回恒例勉強会。

吉田椿樹

時間ももうそろ18時……

相川純恋

あ、今日は早く帰るんだった!

平井花凜

そうなの?

相川純恋

おばあちゃん家行くんだよね!

吉田椿樹

気をつけてなー

鈴木和雪

俺も見たいテレビがあった

吉田椿樹

テレビかーい

送りたいんだろうな。

彼氏だもんな。

平井花凜

ま、2人とも気をつけて

相川純恋

ありがとう!また明日

鈴木和雪

またな

吉田椿樹

ちゃんと復習するんだぞ

鈴木和雪

勇者に呪いの魔法をかけてやる

相川純恋

そっちの復讐じゃないから

相川純恋

置いてくよ

鈴木和雪

待ってくれ

平井花凜

図書館なんだからもう……

吉田椿樹

俺たち以外誰もいないからいいじゃん

吉田椿樹

閉館時間近いから

三連休みっちりやったし

かずの成績のびるといいな。

平井花凜

あたしたちももう出る?

吉田椿樹

うーん

吉田椿樹

誰もいないし

吉田椿樹

ここで言おうかな

平井花凜

えっ何を?

ひとつ

決めたことがある。

吉田椿樹

俺の夢を手助けしてくれないか?

平井花凜

えっ……

吉田椿樹

俺が書いたデザインを

吉田椿樹

服を

吉田椿樹

花凜が作ってくれませんか?

自信はない。

夢と語るには

未熟だろうが

それでもいい。

吉田椿樹

俺は自分がデザインした服を売りたいんだ

吉田椿樹

ブランドを立ち上げたい

布を縫える人

ミシンができる人

沢山いる中で

花凜と出会い

花凜がいいと思った。

吉田椿樹

俺の

吉田椿樹

ビジネスパートナーになってほしい

平井花凜

驚いたわ……

平井花凜

いきなりそんなこと

吉田椿樹

答えはすぐにじゃなくていい

平井花凜

わかったわ

吉田椿樹

それともう……

吉田椿樹

終わらせたい

平井花凜

え……?

吉田椿樹

わかってるだろ?

吉田椿樹

俺たちのこの関係は……

吉田椿樹

いつか終わる

ただ引き延ばし続けてるだけ。

吉田椿樹

明日か1ヶ月後か

吉田椿樹

はたまた1年か

いけないことだ。

嘘を重ねて

傷つけた人だっている。

吉田椿樹

でも必ず終わりがくる

吉田椿樹

それならもう

吉田椿樹

今終わらせないか?

平井花凜

あ……

楽だった。

"好きじゃない"と嘘をつくより

ずっと簡単だった。

だけど……

息苦しさも

辛さを

何も変わらない。

吉田椿樹

このままじゃ

吉田椿樹

偽りの青春……

吉田椿樹

偽りの幸せのまま

吉田椿樹

一生を過ごすことになる

平井花凜

椿樹……

吉田椿樹

俺から誘っといて

吉田椿樹

最低だってわかってる

吉田椿樹

ごめん

むしろわかってしまった。

何も変わらないこと

変われないこと

俺たちはお互いに

一生"好き"にはなれないこと。

吉田椿樹

でももうだめだ

吉田椿樹

一緒にいちゃいけない

吉田椿樹

望むのはいつだって

平井花凜

隣にいてほしいのは

吉田椿樹

かずだから

平井花凜

すみれ……

何度、"好き"と錯覚したことか

でもそれはただの依存。

恋なんかじゃない。

吉田椿樹

もう充分だ

吉田椿樹

ありがとう

吉田椿樹

"付き合ってくれて"

もう終わりにしよう。

じゃないと

前に進めない。

平井花凜

誘いにのったはあたしだし

平井花凜

嘘を重ね続けたことも

平井花凜

ここまでやってきたこと全部……

平井花凜

全部、あたしが選択して

平井花凜

ここにいる

平井花凜

わかってた

平井花凜

ほんとはわかってたわ

平井花凜

依存してたの

吉田椿樹

俺もだ

もう……

認めないと

潮時だ。

吉田椿樹

"別れよっか"

平井花凜

……うん

吉田椿樹

泣かない、で

吉田椿樹

俺も、泣く……

平井花凜

ごめんなさい……

これでも……

偽りでもちゃんと

幸せだった。

平井花凜

でも、止まらなくて

吉田椿樹

止められねぇよ

吉田椿樹

俺たち泣き虫だった

平井花凜

そうね

キスはもちろん

特別なことはしていない。

ただ隣にいただけ

5ヶ月と2日間

ただ1番近くで過ごしていただけ。

吉田椿樹

告白はどうしようかな

平井花凜

そんな、勇気ないわ

吉田椿樹

あったらこうなってないか……

淡い期待をしてた。

"好き"になれるかもって

ああ……

"好き"になれたらよかったのに

友達以上恋人未満のまま

時は流れて

ただ自分に嘘を重ね続けて

傷つけただけ。

平井花凜

そうよ……

吉田椿樹

今日は送れ……

吉田椿樹

いや

吉田椿樹

送らない

平井花凜

うん

ただそれだけのこと。

平井花凜

これから……

平井花凜

どう、したいのかな

平井花凜

あたし……

吉田椿樹

俺は俺

吉田椿樹

花凜は花凜

吉田椿樹

それぞれの道を

俺はこの選択をしても

未来に花凜がいてほしいと

そう思ったから……

吉田椿樹

俺の未来に花凜がいたらと

吉田椿樹

俺は思う

吉田椿樹

でもどうするから

吉田椿樹

花凜が決めて

平井花凜

わかったわ

平井花凜

……

平井花凜

文化祭

平井花凜

文化祭までにどうにか答えを出すわ

平井花凜

待っててくれる?

吉田椿樹

もちろん

約1ヶ月か……

俺もまだまだ決めることが沢山ある。

平井花凜

じゃあ……

平井花凜

またね

吉田椿樹

またな

失恋とはまた違う何か。

何のいたみだろうか。

吉田椿樹

目、腫れたらどうしよ……

ぽっかりと胸に穴があいた気分。

きっとこれでよかったんだ。

俺はどうかしてたんだ。

吉田椿樹

恋人ごっこ楽しかったなぁ……

普通に憧れて

恋人ごっこをしてみたけど

中身がないからか味気なかった。

それでもよかった。

___________________

夢のひとときを

ありがとう

花凜

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