みこと
こさめ
みこと
みこと
と、みことちゃんは袖をたくし上げる
また犬みたい。 みこと君をみてるとなぜだか自然に 口角が上がる。
そんな彼を撫でようと、 彼を呼ぶ。
こさめ
はっと振り向いた彼の手首には、
こさめ
白い包帯が巻かれていた。
こさめ
俺はそう、言う。
みこと君は少し黙って、 一瞬俯いて、 顔を上げたと思えば、 にこっと笑った。
みこと
みこと
みこと
…その様子は本当にいつも通りで、
よく考えてみると、 少し白々しくも思えた。
こさめ
彼は嘘をついていた。
それには俺も、すぐに気がついた。
彼の嘘は三つある。
まず一つ目、『散歩』。
…俺はずっとみこと君といた。 彼はここ二週間くらい、1人で 外に出ようとなんてこと、 していないことを確認していた。
二つ目、『転んだこと』
…俺とみことくんは小さい頃から 友達だったから知っている。 昔、階段から落ちて骨折したことが みこと君にはあった。
それから、あまり階段も好んで 使わないようになり、 登る際には必ず手すりに手をかけているから。
そして三つ目『何もしていない』
ここの部屋に入った時、 俺はあることに気がついた。
ある棚に置かれた、複数もの謎の瓶 昔までなかったはずの何本かの カッターなどと言った刃物。
そして僅かにする、血の臭い。
…机の上にもある、小さな血痕。
みこと
みこと
そうやって、みこと君は 俺に背を向ける。
…まぁ変に探らなくても。
後でわかることだから。
こさめ
こさめ
みこと
こさめちゃんは、散らばった本をジャンル別に並べながら、言った。
…体がいろんな意味で熱い
多分、…ばれたな。これ。
みこと
こさめ
さっき机を片付けた時、 少しの血痕が見えた。
早くこの部屋から出て行きたい。
そう思った俺の視界の端にうつったのは、
俺を暗い笑顔で見つめている こさめちゃんだった。
こさめ
こさめ
こさめ
コメント
1件
続き楽しみ✨