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2件
うわ、まってすきです てんさいですか??? このすとれーとに伝えてくれるこえさん……!!! ブクマ失礼しますーー!
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1人の空間で思わず呟く。
今、れるの画面に映っているのはくにこたの手錠生活の動画。
2人はスーパーカップル(SC)とか言って普段からイチャイチャしまくっている。
そして今回は、なんと手錠をして24時間過ごすという大掛かりな企画に出た。
そんな2人を見て、自分もこえくんとそんな生活してみたいだなんて思うのは必然だと思う。
でも自分はこえくんとは普段、喧嘩ばっかりしていて、手錠生活を企画でするなんて不可能だ。
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画面を横目で見つめる。 2人で買い物に行ったり、料理をつくったり。
そういったことを好きな人としてみたいと思うのは自然なことだろう。
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自分がもしこえくんとすることになったら確実に恥ずかしくて耐えられない。 まあさっきも言った通りそんな間柄じゃないんだけど。
これ以上動画を見ていたら妄想が止まらなくなりそうなので一時停止をクリックする。 納期が近い提出物の準備でもしようかな、と思ったところで突然呼び鈴が鳴った。
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今日は誰とも約束もしてないし配達も頼んだ記憶がないけど、とりあえず急いで玄関に向かった。
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扉を開けた先には、こえくんがいた。
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スマホを開くと、確かにこえくんから1件通知がきていた。
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好きな人が来るってなったらいろいろ心の準備とかあるんだけど、とは言えなかった。
そんなれるの心情には気づかずこえくんは鼻歌を歌いながら廊下を進んでいく。
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でも、こういう無遠慮で無邪気なところもれるが惚れた理由なんだろう。
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こえくんって本当にこっちの気持ち弄ぶの得意だな、まあれるが勝手に惚れただけなんだけど。
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れるがつけっぱなしにしていたパソコンの画面に、こえくんが気がついた。
……やばい、変に思われるかな? でもすたぽらの動画見るくらい、メンバーもしてるよね?
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あはは、と楽しそうに笑うこえくん。 とりあえず不審に思われてはいないみたい。 ずっとバレなければこれからもこのままの関係性でいられるけど、少しは気づいてほしい、なんて気持ちがせめぎ合う。
その後もなんやかんや作業とかして過ごし、気づけば夜になっていた。 ちなみに、今はこえくんがお風呂に入っている。
作業が一段落したところでDMでも見ようかとXを開いたところで、お風呂から「ギャアアアア!!」とものすごい叫び声が聞こえてきた。
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相変わらず叫び声も高いな、とか思いながらその声の主のもとへ歩き出した。
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お風呂のドア越しに声をかける。
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すごい叫び声だったから何が起きたのかと思えばこえくんのお得意の怖がりだった。 ビビりなところも可愛い、なんておかしいのかもしれないけれど少し感じてしまった。
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なんでホラー苦手なくせにホラー映画なんか見てたんや。
それに一瞬耳を疑った。 「一緒に入れ」? 一緒に入るなんてこえくんが大丈夫でもれるが大丈夫じゃないんですけど。
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でも結局はれるが折れて一緒に入ることになった。 いつもこんな感じな気がする。 こえくんの甘えに、れるはめっぽう弱い。 いつもなんだかんだ許してしまうのは、こいつが甘え上手だからか、それとも惚れた弱みってやつなのかな。
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意図的に極力触れないようにしてるのに、この人はそれをいとも容易く崩そうとしてくる。
それにさっきまで見てたくにこたの動画のことも重なって余計に恥ずかしい。
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そういえば、思い出した。
5ヶ月くらい前に投稿したショート動画で、双子組でどれだけできるか、というのを検証したもの。
その動画では確かにれるが一緒にお風呂入れるって言って、こえくんが無理って言ったなぁ。
あの時はまさか現実になるなんて思いもしなかったけれど。
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こえくんがれるの手首を掴んでぐっ、と引き寄せた。 距離が近づくにつれて、自身の心臓の音も大きくなっていく。
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ずっと言いたくて、それでも言えなかった言葉。 勘違いでも聞き間違いでもなんでもなく、確かにこえくんの口から発せられた。
心がじわじわと温まってくる。
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れるの返事にこえくんはくすっと口の端を持ち上げて笑った。
今度は手首だけじゃなくて2人の指先まで絡めた。 浴槽の中で繋がれた手と手。
まだあんまり時間は経ってないのに、のぼせるくらい熱がこみあげてきた。
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昔のことを思い出して、2人ともお互いの意地っ張りさに笑ってしまう。
もしあの時「付き合えるか?」とか聞かれてたらなんて答えたんだろう。
きっと2人とも「無理」「キモイ」なんて言って誤魔化すんだろう。
それでも今は確かに、ここに「好き」の2文字が存在している。
そんな考えごとをしながらぼーっとしていると、こえくんの顔が近づいてきて頭を抑えられた。
一緒にお風呂に入ることも手を繋ぐことも嫌がる2人がキスしようとしてるなんて知ったら、みんなどんな顔するんだろう。 多分誰も想像できないだろうな。
れるは静かに目を閉じてそれを受け入れた。