涼風夏姫
孤爪研磨
孤爪研磨
涼風夏姫
他愛もない話をしてると、
あっという間に駅に着いてしまった。
幸い乗る電車は一緒で、
でも私が降りる駅はすぐだった。
孤爪研磨
涼風夏姫
涼風夏姫
孤爪研磨
孤爪研磨
涼風夏姫
涼風夏姫
先輩に何度もぺこぺこ頭を下げて 電車を降りる。
この時間が終わるのは 名残惜しいけど、
「また」があるかもしれないと 考えると胸が高鳴った。
一緒に帰れて嬉しかった。 話せて楽しかった。
孤爪先輩について 少し詳しくなったと思う。
バレー部のセッターで、 ゲームとアップルパイが好き。
話すのと歩くスピードは 割とゆっくりめで、
そのリズム感が心地いい。
涼風夏姫
そんなふうに先輩に 思いを馳せながら、
家までの道を歩いた。
涼風夏姫
友達
それまた数日後の昼休み。
私は頭を抱えた。
涼風夏姫
友達
友達
涼風夏姫
今日の卵焼きは上手く作れたのに。
しょんぼりしながら 人集りができている購買に向かう。
何か甘いものが食べたくて、 パンコーナーを物色した。
涼風夏姫
チョココロネ片手に アップルパイを探す。
机に並ぶパンの数はもう残りわずか。
するとぽつんと1つ残った アップルパイを見つけて、
手を伸ばした。
涼風夏姫
孤爪研磨
私とほぼ同時にアップルパイを 誰かの手が掴んで、
腕を辿って顔を見たら…。
涼風夏姫
これは運命だ(?)。