俺は覚悟を決めた
インターホンを押す
ピーンポーン
阿部
返事は、
ない
でも俺には分かる
君に今の音が届いていると
阿部
俺はそう言ってドアに手をかける
ガチャ
阿部
そして俺はまずリビングに向かった
そこに広がっていたのは
さっきまでそこに人がいたような部屋だった
阿部
俺は気が付いてしまった
机の上に
カッターや
空になった薬の箱などが
置いてあることに
ツナ&シャチ
阿部
阿部
そこには元気な姿のツナとシャチがいた
瘦せてない、
てことは、
しっかりご飯を食べてるってことか、
阿部
そうなると
君はまだ、
阿部
阿部
阿部
そうだ
ここに来るまでの途中の廊下
一つだけ電気のついた部屋があった
俺はその部屋に向かって歩き出す
阿部
あべちゃん、
なんで来たの、
こんな俺なんかなにかまわなくていいのに
阿部
阿部
阿部
佐久間
阿部
阿部
なんで、
なんでこんな俺に会いたいの、
俺の顔なんか見たいの、
ただのうるさいちっこいやつじゃん
俺はスマホに目を落とす
最近俺のファンの子たちの声が聞こえない
XもインスタもTikTokも
俺を良く言うコメント見かけなくなった
『ピンクのやつうるさい』
『さっくん最近変だよ、』
『佐久間はSnowManにいらない』
俺のコメントと言ったらこんなもん
ほんと、こんな俺は
佐久間
阿部
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
佐久間
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
佐久間
二人の間に沈黙が落ちる
それを破ったのは
あべちゃんだった
阿部
佐久間
阿部
阿部
佐久間
『僕という名のドラマ』の俺のパート
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
阿部
佐久間
あれ、なんで
俺はいつの間にか泣いていた
あべちゃんの一言一言が胸に染み渡る
阿部
佐久間
阿部
阿部
阿部
佐久間
佐久間