目覚める前の記憶は少しだけ残っていた
ブクブクと気泡が漂う培養液の中
目の前には自分と瓜二つの顔と天使に似つかわしくない男
重力に身を任せ、空気の抵抗を感じる
落ちる時の轟音
何も感じず、ただただ朽ちるのを待つだけだったのに
突然、何か生き物を感知し、目を開ける
そこには角、蝙蝠の羽、先がハート型のしっぽ
誰か見ても悪魔だと分かるその男は
私には真っ白な翼を生やした天使に見えたんだ
宛もなく、ここに留まることにした日から
彼との仲は深まるばかりだった
知れば知るほど彼の人柄を知れた
優しく、他人に気を使い、明るく、無邪気で
まるで少年のような悪魔だった
こんな私となぜ仲良くしてくれるのか
いつも疑問だった
もっと、もっといい友がいるはずなのに
私が落ちた時も、壊れた時も
いつも気にかけて、助けてくれた彼に
○○だという『感情』が生まれるのに
時間はかからなかった
彼が煉獄に行った時は
何処か偽物の核が心寂しくなった
最初までは電話が来るのを楽しみにしていたのかもしれない
だけど、段々と合わないうちに
画面越しではなく、ホンモノに会いたくなった
それが『楽しみ』で、『寂しさ』なのかは分からない
偽物の核は無音のまま動いている
高揚することも、消沈することも無い
調べたとしてもこんなことはプログラムされていない
分からない
ずっと、ずっと、ずっと
『感情』がなんなのか
分からない
……………知らない
彼と別れる時間になると少し違和感があることがあった
彼が立ち上がろうとした時に裾を引っ張ってしまって
地獄に帰るのを止めてしまうことがあった
最初はとあるハッキングのせいかと思った
でも、もしそれが私の意思だとしたら
彼を止めようとするなんて悪しきことか
私はいつの間にか邪心を持ってしまったのか
私はどうかしてしまったのかもしれない
…いつの日かこの『感情』がアレなのかもしれないと思った
分からない
本当にそうなのか、それは彼だけになのかも
私は彼のことが……なのかもしれない
「かも」だなんて、そんなの相手に失礼だ
そうだ、覚悟を決めなければ
固く鉄のようなもので出来た胸が苦しくなる、不安
彼も同じ気持ちならばいい、期待
言ったらこの関係はどうなるのか、心配
このまま黙っていても彼への接し方へ困るだけ、苦悶
私は……彼を……
私はアクル様のことが好きだと
パチッ
機械天使(SANA071)
機械天使(SANA071)
機械天使(SANA071)
機械天使(SANA071)
機械天使(SANA071)
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機械天使(SANA071)
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ワイ(主)
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