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10 - 白昼夢の恋人 3

♥

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2022年09月04日

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桃赤

白昼夢の恋人

愛しているからこそ、突き放した....

.......

俺、この本で演劇やりたい

語り終わった後に

紫先輩が呟くと

部員達も

次々に頷いた

反対意見の人いる?

.......

.......

誰も手を上げない

じゃあ、決まりだね

い、いいんですか!?

こんなにスムーズに決まる事ほど

怖いことは無い

うん。赤くんの話聞いてたら、やりたくなっちゃった

ふわりと笑う紫先輩が

女神様のように見えた

紫先輩....

あのぉ....提案なんすけど

急に橙先輩が手を挙げた

天使役を紫先輩がやって

少年役を、赤に任せるのはどうですか

なんてこと言うんだ

橙先輩!?俺無理ですよ!?

顧問

いや、それでいこう

いつの間にか

演劇部の顧問が

職員会議が終わったようで

ホワイトボードの横に腰掛けている

先生....

顧問

紫は細かい感情表現が豊かだし

顧問

赤は1年生とは思えないほど、役に感情移入できる

顧問

みんなも、そう思わないかい

いつも鬼のように厳しい顧問が

真剣な顔で俺たちを見た

異議なしでーす!!

いいと思います!!

赤、ヘマしないように頑張れよ〜

みんな....

同級生も先輩も

あたたかく応援してくれている

その事実が

何よりも嬉しかった

桃ちゃん先輩桃ちゃん先輩!!

ドタバタと図書室の扉を開ける

どした、そんなに慌てなくても俺は居るよ

またもや苦笑する彼を見て

俺は息を整える

白昼夢の恋人で、演劇やることになった!!

えっ

桃先輩がびっくりしたように

目を丸くする

それでそれでおれっ、少年役やる事になりましたっ!!

桃先輩は

綺麗な顔を

くしゃくしゃにして笑った

おめでとう....赤

そしていつものように

俺の髪をかき混ぜるように

頭を撫でてくれた

....甘い桜の匂い

彼は

俺が演劇が凄く大好きな事を知っていて

練習をたまに付き合ってもらっていたから。

演劇、見に来てくれる?

.......もちろん行くよ

約束だよ?

うん。約束

小学生みたいに

指切りげんまんをして

2人でクスッと笑った

一瞬戸惑ったように見えたのは

気の所為だろうか

そこから

ハードな演劇練習が始まって

図書室に行ける回数も

少なくなっていった

赤くん、今の笑顔もうちょっと感情押し殺していいと思う

はい、分かりました

演劇ノートは

もうアドバイスでいっぱいで

毎日毎日読み返して実践する日々

赤くーん!!衣装合わせするから来てくれる?

はーい!!今行きます!!

顧問

えぇ、明日は久しぶりのオフだから、しっかり学校がら終わったあと休むように

顧問

今日は解散

その言葉に

皆んなが散っていく

明日....オフかぁ....

部室で練習しようかな....

そんな事思っていると

顧問が俺の肩を

ポンッと叩いた

顧問

赤、明日は演劇の事1回忘れろ

え、

顧問

....頑張るのはいい事だが....最近プレッシャーで表情が硬い

.......

....すみません

悔しくなって俯く

確かに最近焦ることが多くなった気がする

顧問

謝ることじゃない。しっかり休め

はい....

顧問

.....懐かしいな

不意に先生が優しい声を上げた

え?

顧問

昔な、赤みたいに真面目で演技が上手い子がいたんだ

顧問

その時にその、''白昼夢の恋人''って劇をやってね

そうなんですか....

マニアックそうなのに

何だか嬉しかった

顧問

でも....そいつ、劇本番当日の朝に事故にあって....

顧問

死んじまったんだよ

え....

顧問

ははっ、天使役だったのになあいつ....

顧問

代役の子が一応いたんだけど....そいつが事故にあったって聞いてテンパっちゃってさ

顧問

僕には、出来ませんって....

顧問

泣きながらすがりついてきたよ

顧問

で、結局劇は中止になって....

顧問

あいつ、相当悔しかっただろうなぁ....

先生は涙をこらえて

笑った

顧問

....お前見てるとあいつ思い出すんだ

顧問

男のくせにあいついつも桜の匂いがして....

桜の匂い....?

顧問

春風みたいに優しくて良い奴だったよ

.......

俺がこんな話

聞いてよかったのだろうか

春風みたいに優しい奴って

何だか桃ちゃん先輩みたいだ

そう思ったら自然と

悲しい話なのに頬が緩んだ

へぇ、赤くん今日部活休み?

うん。めっちゃ久しぶりのオフ

青ちゃんが、ポッキーを

もぐもぐさせながら聞く

こいつお菓子かバナナしか食わんよなぁ....

そんな事をぼんやり思った

じゃ、また図書室行くのー?

うん。そのつもり

当たり前のように頷くと

青ちゃんが身を乗り出した

ねね、僕もその''桃先輩''に会ってみたいなぁ

恋愛に疎い赤くんの初恋の相手だしっ!気になる

初恋って....//

いいよ、一緒に行く?

やったぁ!!

喜ぶ青ちゃんに苦笑しながら

まあ、悪い事はないだろう

そう思っていた

そう、

思っていた

へえ、桃先輩って3年生なんだ

そーそ。いっつも本読んでるから受験とか大丈夫ですかって言ったらさ

俺には必要ないってカッコよく返されちゃったよ

推薦とか決まってんだろうね....

多分ねw

桃先輩の学年色のネクタイは

3年生の緑色だったから

間違いないだろう

ほら、着いたよ

くだらない話をしつつ

図書室のドアを開けると

彼がまた窓際の低い本棚に座って

本を読んでいた

赤、久しぶり

優しく微笑んで待ってくれる先輩が

いる事がどうしようもなく

嬉しかった

桃ちゃん先輩!!今日部活休みだったんだっ!!

そっか、お疲れ様

先輩がいつものように

俺の頭を撫でた

えへへ....//

あ、今日は友達紹介しに来たんです

この子同じクラスの青ちゃ....

赤くん....?

振り向くと

青ちゃんは困った顔で

俺を見ていた

.......

さっきから....

誰と喋ってるの....?

え、

思ったように言葉がでてこねえ.... スランプだァァァァァ!! いつも背景変えるの面倒臭いって 思ってるとか 言っちゃダメなやつですねw

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