桃赤
白昼夢の恋人
「さっきから誰と喋ってるの?」
赤
赤
赤
青
青
赤
頭が真っ白になった
意味がわからない
青ちゃんには
桃先輩が見えてないの....?
すると桃先輩は
悲しそうに笑っていた
見えるよ
ちゃんと
そこに居るじゃん
青
赤
赤
青
手足の震えが止まらなくなった
俺が
幻覚を見ているの?
すると、ガラッと図書室のドアが開いた
黄
黄
黄先生はもう凄い怒ってた
青
黄
次々に言い訳を並べ
弁解しようと試みるも
黄先生には全部お見通しだ
俺が固まっているのを見て
黄先生は不思議そうに首を傾げた
黄
赤
どうやら黄先生にも
桃先輩は見えていない様子
黄
青
青ちゃんの襟元を掴み
ずりずりと連行していく
黄
青
青
セクハラとパワハラを
何故か略さないで連呼する青ちゃんは
風のように去っていった
俺はゆっくりと桃先輩の方を見る
彼はイタズラがバレてしまった
幼い子供のように
下手くそな笑顔で笑った
赤
赤
赤
桃
凛とした声に
泣きそうになる
この先は
知りたくない
知ってしまったら
もう後には戻れない気がした
お願い
何も
言わないで....
桃
桃
赤
桃
彼の苦しそう顔を見るに
嘘では決して無いことは
分かっていた
思えば
どうして不思議に思わなかったのだろう
図書室で過ごした後、
一緒にいつも帰ろうと言っても
上手くはぐらかされていた事
廊下でも
彼を見かけなかった事
受験勉強は必要ないと言った事
桃
桃
赤
涙を堪えながら
ブンブンと首を横に振ると
桃先輩は躊躇いながら
俺を引き寄せて抱きしめた
赤
桃
赤
赤
抱きしめる力が強くなる
信じたくない
今抱きしめてくれている人が
もう死んでいるなんて
涙が頬を伝って
桃先輩の肩を濡らした
桃
桃
桃
赤
「春風みたいに 優しくて良い奴だったよ」
桜の匂い。
あぁ....やっぱり
顧問の先生が言ってた人は
桃先輩だったんだ....
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
赤
俺をぎゅっと彼を抱きしめ返す
桃
次に言うことが
分かってしまった
嫌だ
桃先輩は
ゆっくり俺を離す
桃
「もう、終わりにしよう」
赤
桃
「君は僕といるべきではないよ」
桃
桃
桃
桃
彼はまた
無理やり口角を上げて微笑んだ
嫌だ
そんな顔で俺に
笑いかけないで
桃
赤
桃
桃
赤
赤
赤
涙でぐちゃぐちゃの顔なんて忘れて
俺は必死に声を出す
赤
「好きなんだよ」
赤
「大好きなんだよ」
赤
「天使の事がっ....」
赤
「俺を置いていくなよ....」
馬鹿みたいに
彼の胸元のセーター握りしめて
顔を押し付ける
桃
君はもう
さっきみたいに
抱きしめてはくれなかった
ごめんなさいこんなに長くなるとは.... あと2話くらい....? どうぞ最後までお付き合いください
コメント
72件
あ...好き...最高...神...( ᐛ )
めっちゃ切なかったけど、黄青の所笑ってしまいました…wブクマ失礼します!!
自分こんな感じのストーリー作ってて運命感じました…(ごめんなさい) 自分のストーリーは最終的に2人とも幽霊になってまた次の子を音楽室で待つ、?ストーリーなんですけど… 演劇もいいなぁ… なんていうんだろう… すごい吸い込まれるようなストーリーでした、!