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「空気を読む」という題名に最後の最後で納得しました。空気の読み方は個性なのでしょうか……杏さんの空気の読み方は少し乱暴ですがみんなの思いを要約したようなものですよね。 少し怖くて、でも考えさせられるお話でした……!とても良かったです!
なるほど... 夏帆が空気を読んでなかったんだ... なるほど...
それは、きっと
どの学校にも居るタイプ
夏帆
夏帆
琴音
琴音
クラスメイトの杏は
空気が読めない子だ
例えば、今朝の…
午前中の授業
先生
先生
クラスメイト達
クラスメイト達
先生の一声で
クラスの空気が和む
琴音
琴音
琴音
みんなが机から
教科書を 取り出した時だった
杏
杏
先生
先生
クラスメイト達
夏帆
夏帆
後ろの席で
夏帆が小さく舌打ちする
琴音
クラスの空気は
一気に暗くなった…
夏帆
夏帆
夏帆
琴音
わたしは…
予習してたから
まあ、大丈夫だったけど
琴音
琴音
夏帆
夏帆がわたしのお弁当箱を覗きこむ
夏帆
夏帆
夏帆とのお昼ご飯は
毎日、おかずを1品あげる事になっている
琴音
琴音
夏帆
夏帆
琴音
琴音
琴音
いいよ?
そんな些細な事…
ダイエットしようと思ってたんだよね?
夏帆は友達だもの
夏帆
琴音
夏帆は大切な友達
夏帆が居れば
わたしは一人じゃない
夏帆
突然
夏帆が思い出したように、カバンの中をあさる
琴音
夏帆
夏帆
夏帆
琴音
昨日の宿題
難しかったな…
琴音
琴音
夏帆
夏帆
琴音
夏帆はわたしの言葉を 無視して
青井君に声をかけた
青井
夏帆
青井
イヤだな…
夏帆
夏帆
でも、仕方ないよね?
青井
琴音
青井君は…
クラスで一番
頭が良いもの…
ぎゅっとスカートのすそを握りしめる
琴音
琴音
わたしは
夏帆に頼られるような
友達じゃない…
翌日
琴音
夏帆
結衣
夏帆
友達の多い夏帆は…
結衣と楽しそうに
話をしている
琴音
琴音
夏帆
結衣
結衣
結衣
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
結衣
結衣
琴音
夏帆は人気者…
だから
クラスの誰も
逆らえない…
杏
杏
ただ一人
杏を除いては
夏帆
杏
杏
夏帆
夏帆
杏
夏帆
また、舌打ち…
夏帆はきっと
怒っている…
琴音
琴音
少し離れたわたしの席へ
夏帆を呼び寄せる
結衣
だけど
夏帆の怒りは治まらない
夏帆
夏帆
夏帆
夏帆
ゾッとするくらい冷たい声
夏帆は今、 ものすごく怒っている
なのに杏は平然と答える
杏
杏
空気を読まないようにしている…
その言葉は
夏帆の怒りを増大させた
夏帆
夏帆
夏帆
杏
杏が無言で教室を見回す
わたしは…
怖くなって目をそらした
杏
杏
杏
夏帆
夏帆
琴音
琴音
そう思った時…
杏
バチンッ
琴音
夏帆
結衣
杏が夏帆を平手打ちした
そして
再び手を振り上げる
夏帆
夏帆
教室に悲鳴が響く
琴音
わたしが止めると
杏は手を止め、不思議そうな顔をする
杏
杏
杏
杏
そう言って、ニタリと笑う
杏
杏
杏
杏
琴音
結衣
夏帆
ざわついていた教室が
一斉に、静まり返る
琴音
琴音
杏
杏
杏
杏
杏
杏が
椅子を持ち上げ
夏帆に向かって振り下ろす
琴音
わたしが叫ぶと
振り下ろされた椅子は
夏帆の後ろの壁に当たって止まった
琴音
壁にはりつき
夏帆はガタガタ震えている
夏帆
杏
クラスメイト達
クラスの誰かが、呟く
琴音
青井
琴音
クラスメイト達
クラスメイト達
「やーれ」
「やーれ」
「やーれ!!」
琴音
結衣
琴音
琴音
どうして、結衣が?
琴音
琴音
結衣
結衣
結衣が驚いたように
わたしを見る
結衣
結衣
琴音
琴音
教室を見渡す
クラスのみんなは
無表情で二人を見ている
琴音
琴音
やっと、気付いた
みんなは夏帆に
逆らえなかったんじゃない
ただ…
夏帆に逆らってはいけない
そう、空気を読んだだけ
夏帆
夏帆
杏
杏
杏
杏
そして
このクラスで一番
空気を読めなかったのは
夏帆
夏帆
夏帆だったんだ…