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#たっつん
R。
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朝日がカーテンの隙間から差し込む。
一睡も出来なかったのは産まれてから初めてだった。
真宮 ゆあん
静かにベッドから降り、ふと部屋を見渡す。
すると、床にはうりが座ったまま寝ていた。
ベッドに寄りかかって。自身の膝を抱えて。
眠っていると言うより気絶しているように見えた。
乾いた血が手や袖にこびりついている。
洗面所で濡らしてきたタオルを持って、そっとうりの前でしゃがみ込み、手を拭こうとした。
その瞬間。うりがビクっと勢いよく手を引っ込めた。
瀬那 うり
瀬那 うり
寝起きの第一声が謝罪だった。
真宮 ゆあん
俺は少しでも気を紛らわせようと小さく笑う。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
短い言葉が返ってくるだけだった。
うりは自分の手のひらや袖口を見つめた。
乾いた血は黒く変色し、何度洗っても落ちない気がした。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
そう首を横に振ると、うりは黙ったまま視線だけを床に落とした。
階段を下り、リビングに向かうと既に父と母が居た。
おはようの挨拶を済ませ、椅子に着く。
いつも通り。変わらぬ日常。
お母さん
お父さん
そう言いながら父はコーヒー片手にテレビのリモコンを持ち、チャンネルを変えていた。
気に入ったニュースがあったのかリモコンを置き、箸に持ち替え、朝食を食べ始めた。
お母さん
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
『続いてのニュースです』
『昨夜、市内で起きた男性殺害事件。察は市内の高校に通う男子高校生』 『瀬那うり。17歳を事件の容疑者として追っています』
心臓が止まった。今1番聞きたくないニュースだ。
恐る恐るテレビに目をやると、テレビには事件現場付近の映像と共にうりの顔写真と名前が映っていた。
やっぱり本当だった。うりが人を殺したのも。
際限なく冷や汗が出てくる。必死に隠そうとしていると父が口を開いた
お父さん
お父さん
お父さん
父のその一言が心に刺さった。俺はテレビを見つめたまま何も言えなかった。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
瀬那 うり
そう言ってうりは震える手で菓子パンを受け取った。 正直、今の状態のうりを1人にさせたくない。
でもここで俺が学校行かなきゃ怪しまれる。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
俺はそううりに言い放つと、制服に着替え鞄を持って部屋を出た。
うりがいる異様な部屋に鍵を掛けて。
何時も通り登校すると、クラスが騒がしかった。
「瀬那(せな)くんが人殺しだって…」
「嘘でしょ…?」
「こんな身近に殺人犯が居たなんて…怖」
嫌なものは全部聞こえる。でも何も言えなかった。
途端に恐ろしくなって俺は足早に自分の席に着き、顔を伏せた。耳も塞いだ。 何も聞きたくなかった。
真宮 ゆあん
昼休みの屋上。今日は雨が降ってるから人が居なかった。
1人になった途端混沌してた感情が一気に押し寄せてくる。
(何でうりが人殺しに?)
(いやでもうりが理由もなく人を殺す訳がない。きっと理由があるはずだ)
(俺はどうしたらいい?)
(親父に見つかるのも時間の問題。将来警察官になるのが夢だった)
(なのに…)
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
中学の時だった。 その日は冷たい雨が降り頻る冬で、傷だらけの身体に滲みたのを憶えている。
制服は泥だらけ。顔はもう雨か涙か分からないぐらいぐちゃぐちゃだった。
その時。うりが隣に座った。1つの傘を差して。
うり(中学時代)
俺は首を横に振った。巻き込みたく無かったから。
ゆあん(中学時代)
うり(中学時代)
うりは無理に何があったのか聞き出さなかった。 ただ俺の隣に居ただけ。
その時缶ジュース1本を差し出されたのは今でも憶えている。
うり(中学時代)
うり(中学時代)
真宮 ゆあん
またあの時みたいに、雨か涙か分からなくなってる。 けどそんなのどうでもいい。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
あの時うりは無理に理由を聞かなかった。 だから今度は俺の番だ。
その後すぐ早退した。 体調が悪いと嘘をついて。
家に帰ると普段出迎えてくれる母も、仕事で居なかった。
俺は駆け足で部屋へと戻る。
部屋の扉を開ける。
すると部屋にはうりの姿がなかった。
嫌な思いが頭を過ぎるも、きっと大丈夫。 そう自分に言い聞かせようとした。
そしてふと、机に目がいった。
そこにはメモ用紙1枚が置かれていた。 間違いなくうりの字だった。
『ごめん』
嫌な予感はした。けど信じたくなかった。
気付いたら街中を走り回っていた。制服のまま。
傘も差さずに。 でも丁度良かった。雨のお陰で今自分が泣いていることも冷や汗をかいてることも周りにはバレないから。
探した。
探し回った。 うりが行きそうな所全部。
真宮 ゆあん
雨はとっくに止んでいた。
全部探した。けど居なかった。
息も絶え絶えになりながら、立ち尽くすしか出来なかった。 絶望だ。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
一縷の望みを賭けて向かった。 もう動かない足をどうにか動かして。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
何時も行く公園。もしかしたらそこに居るんじゃないか。 そんな淡い期待を持ったまま向かった。
すると、ブランコにうりが座っていた。 小さい頃よく遊んだこの公園に。
真宮 ゆあん
ふと感情が爆発する。
けどうりは何故か笑いながら。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
一瞬うりは固まって、でもすぐ空を見上げた。 そのまま空を見つめたまま呟く。
瀬那 うり
心臓が跳ねた。 夕日に照らされているうりの顔があまりにも哀しくて。
瀬那 うり
瀬那 うり
瀬那 うり
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
瀬那 うり
2人の怒号が夕日の射す公園に響き渡る。
大声で叫び、息を荒くしながら。 震える手を抑えながら一言か細い声で呟く。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
泣きそうになるのを堪えながら何とか絞り出す。 けどうりは黙り込んだまま何も言わない。
そしてやっと口を開く。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
この状況になれば言ってくれると思った浅はかな考えはすぐに消えた。
真宮 ゆあん
ゆっくり首を振る。
真宮 ゆあん
うりは苦しそうに目を閉じた。 震える唇を何回か動かし、何かを言おうとして辞めた。
瀬那 うり
たったそれだけ。 俺の中で何かが切れた音がした。
真宮 ゆあん
涙が溢れてくる。もう自分の意思じゃ止められないぐらいに。
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
瀬那 うり
ずっとうりは黙ったまま。 俺は溢れる言葉をただ紡ぐだけしか出来なかった。
けどずっとこんな事してても何も変わらない。 俺は涙を拭い、うりに1歩近付く。
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
真宮 ゆあん
俺のこの一言にうりの強ばった表情が崩れた。
真宮 ゆあん
俺はうりの手を掴んだ。 血で汚れた手。酷く冷たくて震えている手を強く掴んだ。
真宮 ゆあん
しばらくうりは固まったまま動かなかった。 少し経って、うりは小さく笑った。酷く泣きそうな顔で。
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
真宮 ゆあん
瀬那 うり
うりは何かを言いかけ、でも留まって「ありがとう」と言った。
もうこの手を離さない。 俺は強くうりの手を握り締め一言。
真宮 ゆあん
うりはまた黙ったままだった。 何度か口を動かし言いたそうだったけど、結局何も言い返しては来なかった。
夕日が沈む。 2つのブランコが静かに揺れる。
2人は手を握り締めたまま、長く伸びる影へと消えていく。
帰る場所を失う夜へと。
𝐍𝐞𝐱𝐭♡···▸50
◾︎◽︎To be continued◽︎◾︎
コメント
4件
2人の友情に感動、👏😭
今回も楽しいお話ありがとうございました!!ゆあんくんのお父さん本当にうりさんのこと気に入ってて、信じてたんだ。今も信じてるといいけど…ゆあんくんも優しいなぁ…笑 ゆあんくんの過去についてもめっちゃ気になるんだけど!!雨の中必死に探し回れるゆあんくんが凄いなぁ〜笑 これからストーリーが大きく動きますね!楽しみです!ニコ 続き楽しみにしてます!