妖の夜は今日も過ぎる。

___保健棟を全力疾走する影が3つ

病室の扉を勢いよく開くと

消毒液の匂いがツンと鼻に来て。

眠っているゆなを見て、心が痛くなる

ぎゅ、と美夏の手を握ると 体温があって、良かった生きてる… と安心した

目が覚めると、真っ白い天井があった。 ここは、医務室……？

身体を起こそうとすると 嫌な痛みが背中を襲う

あぁ、そうか

鼻にくる消毒液の匂いと、包帯の数で 痛みと共に思い出す。

俺は、戦いの途中…いや、正しくは 最初に大量出█で倒れた。

京都で遭遇した妖も、人型だった

あの時は、確か人型が五体ぐらい現れて 私と夜月さん… あとほか部隊の人が1人だけ生き残って

それ以外は全員、█んだ。

"ホプエン"が京都まで呼び出される なんて大分な強敵だと察しては居たけど

下半身を殆ど喰われ 悲痛な叫びをあげる人

食われる直前… 妖に向かって許しを乞う人

瀕ﾀﾋの状態まで襲われ ﾀﾋぬにﾀﾋねなかった人

母親を目の前で喰われ、泣き叫ぶ人

血の海と化したあの記憶ではなく

泣き叫び、逃げ惑う人間の

"恐怖"によって更に力を付け 笑い、喜びながら人を襲う

"妖"の姿だ

・・・・・・・・・・ "人型"は人間と同じような知能 を持っているからこそ、恐ろしい