目を覚ましたら
横にいたはずの君は居なかった
五条 悟
冬華 ... ?
不安や寂しさが僕を再び襲う
もうこの世にいないんじゃないか、と
扉を強く開ける
そこには彼女がちょこんと座っていて
とても安心してしまった
伊崎 冬華
おはよー
伊崎 冬華
ご飯食べる?
そう言って僕に微笑みを向けた
その笑顔は
起きてすぐ僕を襲った不安を祓ってしまった
嗚呼、なんて罪深い人なんだろう
五条 悟
おはよう
距離が無くなるように
彼女を強く抱きしめる
伊崎 冬華
なに
五条 悟
朝起きて居なかったから不安になった
伊崎 冬華
なにそれ笑
新婚の夫婦のように笑い合った
この世界で二人きりだと錯覚してしまうぐらい
彼女のことしか見えてなかった
朝から響くニュースも
鳴る通知音も
登校する学生の声も
外を走る救急車のサイレンも
全く聞こえなかった
今は彼女の鼓動と、呼吸と
彼女から発せられる音しか聞こえない
それしか聞きたくない
伊崎 冬華
ご飯食べよーよ
五条 悟
あと五分だけこうしたい
伊崎 冬華
嫌だわ、離せ
「嫌だ」って抵抗するけど
その力は弱くて
五条 悟
本当は嫌じゃないくせに
伊崎 冬華
嫌だ
五条 悟
嫌じゃないんでしょ?
伊崎 冬華
まあ、うん
五条 悟
不器用め
五条 悟
本当は嬉しいくせに
五条 悟
本当はもっとして欲しいくせに
伊崎 冬華
うるさい
伊崎 冬華
ご飯冷める
五条 悟
俺が守る
五条 悟
絶対離れたくない
伊崎 冬華
じゃあ頼んだ
伊崎 冬華
最強さん







