キミはオレのモノ♡

最初は、幸せだった。

大好きな、明るくて、元気で、いつも笑顔で、

優しい、

キミだった。

いつからだろう、キミがおかしくなったのは…。

キイィ…

バタン

笑っているけど、橙くんの目には光がない。

言えた。 前から、橙くんが狂った時から言いたかったこと。

ガチャンｯ

橙くんはゆらりとこっちに近づいて、僕の首に何かをつけた。

橙くんは思い切りリードを上に引っ張った。

グッ…

地獄の日々が始まった。

殴る、蹴るは日常茶飯事。

カッターで切られたりもした。

僕は、もう限界だった。

バタン

そういえば、ここ窓あるじゃん

そう考えたらあとは早かった。

ピーンポーン

ガチャッ

背後からの黒い影。聞き慣れた声。桃くんの動揺。 まさか…

あぁ、僕、死ぬんだな。 多分、橙くんは今包丁を持っている。 僕の直感がそう言っている。

だとしたら、桃くんも殺される。

それは、だめだ。それだけは、だめだ。

僕は思い切り橙くんを引っ張った。

桃くん…助けて…

決して大きくはない橙くんの声。

僕は背筋が凍った。

グサｯ…

グシャｯ…

橙くんはまた包丁を振り上げた。

一年後

幸せそうに見える?

僕は、幸せだよっ！

鎖も、首輪も、リードも、たくさんの切り傷も。

全部全部、だぁいすきな橙くんにつけられたんだもんっ♡

一年前、僕は絶望した。

けど、なんで絶望したかは覚えてない。

ただ…

橙くんがかっこよかったのは、鮮明に覚えている。

ふふっ、赤くん。

お利口サンに、

待っててネ…?

僕らの愛を邪魔するなんて、許さないから…