2人のラブストーリー

ープロローグー

7月27日花火大会

一発の大きな花火が光のカーテンのように目の前いっぱいに広がっている。 隣を見れば君がいる。君が口を開いた。 「好きだよ」

君の声がくぐもって聞こえた。まるで水の中にいるみたいだ。

音のないセカイ。花火が花開き、自分の声だけが聞こえた。

私は君に告白される。それを知った瞬間だった。

私はベットの上で目を覚ました。こちらが現実だと確かめるように目をパチパチと瞬きをする。徐々に白い天井が見えるようになってきて、今のが予知夢だったのだと確信していった。

私は小さい頃から予知夢を見ることができた。〇〇家の女性は皆さまざまな形で未来を予知できるらしい。

私は夢を見ると言う形で未来を予知することができた。 未来を予知すると言っても世界の危機とか壮大なものではなく、 自分の身の回りの小さなことだけだった。

明日の晩御飯が何とか、それくらいのこと。 でも今回は男の子に告白されると言う予知夢だ。 16歳のわたしには世界の危機以上に大事なことに思えた

相手は、パクジミン。 わたしの幼馴染だった。 私は小さい頃7人と仲が良かった。 お兄ちゃん存在のジンくんと、 リーダー的存在のナムジュンくんと、 たまに可愛い笑顔を見せるユンギくんと、 笑顔が溢れて太陽のような存在のホソクくんと、 可愛くて下の2人を支えるジミンくんと、 ちょっと不思議なテテくんと、 可愛い末っ子グクくん。 この7人とは仲が良かった。

でもその中で小さい頃から気になってたジミンくん。 でもそのことを隠したくてみんなの前では強く当たってしまっていた。

そんな彼が私のことを好きだったなんて、今見た夢で初めて知った。 いや、まだ私のことを好きになっていないのかもしれない。

壁にかけられたカレンダーを横になったまま見つめる。 今日は7月13日。 花火大会があるのは7月27日。

ふたたび仰向けになって目閉じた。 「2週間後」 独り言が溢れた。

この2週間の間に彼も私のことを好きになってくれるのかもしれない。 そう考えると顔が熱くなった。