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任務を終えて駅へ向かう道すがら、ぽつり、と頬に冷たいものが落ちた。 空を見上げると、灰色の雲が一面を覆っている。
星乃 絵梨
そう呟いた途端、ざぁっと大粒の雨が落ちてきた。
隣にいた五条が、軽く舌打ち混じりに笑う。 その手には、いつの間にか広げられた傘。
五条悟
当たり前のように腕を伸ばされ、傘の中に引き入れられる。ひと足分の距離もない、肩が触れそうな近さ。
雨音が世界を包み込み、会話がやけに近く響く。五条の香水でも整髪料でもない、洗い立てのシャツの匂いがふわりと鼻先をかすめた。心臓が、さっきまでよりも早くなる。 でも、それを悟られたくなくて、視線を前に固定した。
五条悟
五条悟
星乃 絵梨
五条悟
不意に、低く柔らかい声が降ってくる。
笑って返すと、五条は一瞬黙った。 雨粒が傘に当たる音が、不自然なくらい大きく響く。
その言葉の意味を聞く前に、駅の灯りが見えた。
傘の中の温度は、外よりずっと高かったはずなのに、ホームに着く頃には頬が冷えていることに気づいた。それが雨のせいか、悟の言葉のせいかは……自分でもわからなかった。
ホームの屋根の下に入り、二人で列車を待つ。雨は相変わらず強く、傘から落ちる雫が地面に弾けていた。
少し離れて立っている悟を、横目でそっと盗み見る。
夏油傑
星乃 絵梨
星乃 絵梨
星乃 絵梨
時々、優しすぎる気がする。 あの近い距離感も、今では慣れた……けれど——嫌じゃない。 むしろ、ほんの少しだけ……嬉しい。
そんなことを考えていた瞬間、ふいに悟と視線がぶつかった。 透き通るような瞳に、まるで見透かされたような気がして——頬がふわっと熱を帯びる。
五条悟
星乃 絵梨
悟は答えを聞かず、ただ軽く笑った。 その笑みに、胸がざわめく。
星乃 絵梨
そして五条もまた、目を細める。 傘の下で照れていた星乃も可愛かったが、この何気ない瞬間も、やけに愛しくて。 胸の奥で、きゅうっと音がした。
その日、夕方の高専の廊下はしんと静まり返っていた。珍しく五条が一人、休憩室のソファに腰掛けている。長い脚を投げ出し、天井を見上げたまま動かない。
星乃 絵梨
悟が、こんなふうに沈んでいるのを見たことがなかった。 周りの人も、それに気づく様子はない。 ……いや、もしかしたら気づかないふりをしているのかもしれない。
星乃 絵梨
星乃は、休憩室から出ると生徒寮の 共用スペースに行った。共用スペースには、 伏黒、釘崎、虎杖の姿があった。 星乃は、3人に話しかけた。
虎杖悠仁
釘崎野薔薇
伏黒恵
星乃 絵梨
伏黒恵
釘崎野薔薇
伏黒恵
釘崎野薔薇
釘崎野薔薇
伏黒恵
虎杖悠仁
虎杖悠仁
虎杖悠仁
釘崎と伏黒は、虎杖に話を託して寮の共用スペースから、居なくなってしまった。 急な出来事で虎杖は、ビックリして2人を呼び止めるが、釘崎と伏黒は無視をした。
星乃 絵梨
虎杖悠仁
虎杖悠仁
虎杖悠仁
虎杖は、優しく星乃に笑いかける。
星乃 絵梨
虎杖悠仁
虎杖と星乃は、共用スペースの台所を使って チョコレートケーキに必要な材料を冷蔵粉 から出して、一緒に作り始めた。
最初は、失敗したけど最終的には、上手く 出来た。
星乃 絵梨
虎杖悠仁
虎杖悠仁
星乃 絵梨
虎杖悠仁
虎杖の言葉に、星乃は赤面をした。 星乃は、ビックリして虎杖を見たがにこっと 微笑んで、共用スペースから走って出て行ってしまった。
星乃 絵梨
星乃 絵梨
急激に星乃の顔が、赤くなった。まさか、 生徒達に、バレてるとは思わなかったから。
休憩室に、戻ると五条は、アイマスクを外しておりサングラス姿だった。サングラスを取って目を手で覆っている。六眼を使いすぎたのかな?と心配になった。
私は何も言わず、悟の隣に腰を下ろした。 テーブルに置かれていた紙コップのコーヒーが、まだ湯気を立てている。隣に、チョコレートケーキを置いた。
⇧イメージ図
五条悟
星乃 絵梨
言葉も、理由もいらない。 ただ同じ空気を吸っていると、不思議と胸のざわめきが落ち着いていく気がした。 しばらく沈黙が続いた後、五条がぽつりと呟く。
星乃 絵梨
星乃 絵梨
五条悟
星乃 絵梨
その瞬間、五条の胸に何かが落ちた。 この子は、僕の強さだけを見ているわけじゃない。勝ち続けることに価値を見いだす周りとは違って、負けても、傷ついても、それを受け止める顔をしてくれる。
五条悟
気づけば、口元が緩んでいた。 星乃はそれに気づかないふりをした。
チョコレートケーキの味は、甘くてとても 僕好みの味付けだった。